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眼福

テーマ:言葉・漢字
昨日の日経プラス1のコラム「コトバの百貨店」のお題は「眼福ドラマ」。イケメンがいっぱい出ていて目の保養になるドラマのことを最近はこのように呼ぶそうであります。

なるほど、ドラマのストーリーもさることながら、いかに自分の好みのイケメンが出ているか、いやイケメンやったら誰でもええ、ぎょうさん出てたらほんで満足、という人もいるかもしれません。男である自分も出演女優で見るか見ないか決めること結構ありますわ、確かに。

しかし、この「眼福(がんぷく)」というコトバは最近の造語なんだろうか?と思って辞書を引きますと、堂々と載ってますね~。いや堂々とではないなぁ。極めて控え目に、存在感を全く見せずに佇んでいました。

意味は「珍しいもの、美しいものなどを見ることのできた幸せ。目の保養」とあり、用例として「眼福にあずかる」が書かれています。これ、使えるかも。きれいな女性に対して「眼福にあずかり光栄です」とかね。

珍しいもの、美しいものを見られた幸せが「眼福」なら、いい音楽を聞けた「耳福」やら、いい香りをかいだ「鼻福」という言葉があってもおかしくないように思いますが、そういうのは無いみたいですね。

なければ作っちゃえ。美味しいものを食べた時なんかの「舌福(ぜっぷく)」なんていかがでしょう。「冬の長浜、盆梅で眼福、鴨すきに舌福、観音様に心福」とかね。

プレゼンタブル

テーマ:よもやま話
昨日、行きつけの理容店に散髪に行き、支払の後出口付近に置いてあったフリーペーパーが目に止まりました。
WATCH2月号
家に戻って中をパラパラパラ。イベントやグルメの情報とともに
定番のねむりはかせのコラムも

その右を見るとゼクシア?
あ、パヴァーヌさんのお店ですやん。パヴァーヌさんの書いたコラムのようですよ、これ。本名も書いたる。最近コブログすっかりご無沙汰やなと思ったら、こんなところに登場してやんすやん。ちょっと読んでみましょうや。

「オトコの流儀~プレゼンタブル」とあります。ねむりはかせの「お床の流儀」に対して「男の流儀」と来ましたか。やりますね~。ちなみに「プレゼンタブル」ってのは「人前に出ても恥ずかしくない」という意味だそうな。で、これが初執筆のようでテーマは「オトコの香水」。

「街中で男性とすれ違った時、また会社でのやり取りの際にふんわりとかおる男性の香りは女性からみてもとても素敵です」と書かれています。ふんふん、そうかやっぱり無臭、いやノネナール臭ではあきませんか。で、「覚えて頂きたいのが男性の香水のつけ方」とあり、

「香水を体臭対策としてつけておられる方がいるけど、男性特有の加齢臭やミドル臭を消すための消臭目的でつけるのはNG。体臭と香水が混ざった臭いは他人に不快感を与えるだけでなく、マナー違反よ!」とパヴァーヌさんは訴えます。

それから香水をつける場所ですが、首筋や手首にと思いがちですがこれも違うみたい。オトコの香水は香りがシャープなので、そういうところにつけるとキツく香ってしまうらしい。てことで、ウエストや足首など体を動かしたときに香る場所がいいでしょう、と。

このフリーペーパー、全戸配布ではないんでしょうか?少なくともうちには来なかったな。とにかく、今後ともパヴァーヌさんのプレゼンタブルなコラムには注目ですね。その前に、パヴァーヌさんとこ散髪に行ったれや、てか。ごめん、昨日刈ってもろたとこなんで。

ほうやて

テーマ:言葉・漢字
この間、人と話していて激しく同意を表す時に「ほうやて!」と言っている自分に後で気がついたんですが、これってこの辺の方言なんでしょうか?

「ほうやて」と似た言葉に「ほうよいな」もありますね。これらは標準語に直すとどうなるんでしょうね?「ほうやて」は「そうなんだってぇ」で、「ほうよいな」は「そうだともさ」か?

「ほうよいな~」は、相手から「〇〇は~か?」と聞かれた時にYes!という意味で言いますね。英語だと、「That’s right.」とか「Exactly!」という感じでしょうか。

「ほうやて」は、どちらかと言うと相手が言ったことに対して、「もっともだ」「私もそう思ってたところだ」というニュアンスも入りますね。英語だと「I agree.」「That's exactly what I thought.」みたいな。

そう言えば、いやほう言うと、この辺は「それ」を「ほれ」、「そんな」を「ほんな」、「そう」を「ほう」と言いますね。「ほうほう」いや、その場合は「そうそう」や。

先ほどは「ほうやて」や「ほうよいな」を標準語に言い換えましたが、これは関西弁だと「そやねん」ですかね、やっぱり。この辺の人はあんまり「そやねん」とは言いませんね。

「そやねん」と言うやつは、こいつちょっと関西人気取りやな、と思われるかも。いや、そう思うのは私だけか。

やっぱり湖北人は、「ほうよいな」「ほうやて」て言わなあかんな。あ、さざなみ通信の200号に湖北のことばがまとめて載ったったなぁ。あれに出たるやろか?と探してみたのですが、無い....、

いや、違うのがあったぁ~、「ほうやもいな~(そうなんですよ)」やて。こら、ひねり技を加えた「ほうよいな」の月面宙返り版みたいなもんやな。「こんなの使う人見たことないわ」「ほうやて、大げさやて」

麻姑の手

テーマ:よもやま話
先日minoriさんが緑色のゴムの「孫の手」を話題に書いておられましたが、背中ってのは痒くても手が届かないので、本当に便利ですね。それに小さな手の孫に掻いてもらってるような幸福感も味わうことができますもんね。

ところが、前にどこかで読んだんですが、これって元々は「孫の手」じゃなかったんですよね。え~っと何だったかなぁ。ってことで調べなおしてみますと、

あ、そうそう、中国の伝説上の仙女「麻姑(まこ)の手」が変化したんだった。麻姑は鳥のように爪が長く、その爪で痒いところを掻いてもらったらどんなに気持ちがいいだろうなというところから、「麻姑の手」と呼ばれるようになったそうですよ。

また、「如意」という仏具があって、これも実際に背中を掻くのにも用いられたようですね。孫悟空の如意棒とはちょっと違うようですし、僧の権威を表す道具だそうですが、ごえんさんこんなの使ってやったっけ?

「隔靴掻痒(かっかそうよう)」という言葉があって、靴の上から痒いところを掻くようにもどかしくていらいらするという意味に使いますが、これと逆で麻姑に痒いところを掻いてもらえる、すなわち物事がうまくいくことを「麻姑掻痒(まこそうよう)」というんだそうです。

あんたがマコちゃん?
「そうよう~」 「掻いて~」

鬼と魂と塊

テーマ:言葉・漢字
昨日は節分だったのですが豆撒きをせずに寝てしまいました。妻が深夜に思い出して、一人で申し訳程度に豆を撒いたわ、と今朝言うておりました。まだ家の中に鬼が残っているかもしれません。

ところで、「鬼」というのは何であんな字を書くんでしょうね。まあ、てっぺんの点が鬼の角に、そして「ム」は鋭く突き出た歯に見えなくもありませんね。

大漢和字典で調べてみますと、「鬼」は「大きなまるい頭をして足元の定かでない亡霊を描いた象形文字」とあります。どちらかと言うと、ぼんやりとまるいかたまりのように見える亡霊を「鬼」と呼んだんですね。

これが、やがて「地獄で死者を扱う者や死人たち」や「人力以上の力をもち人間を害するもの」に意味が転じていったようです。

その道一筋の人を「◯◯の鬼」、おにのようにむごい「鬼婆」、おにのように強い「鬼将軍」など、鬼をつけて強調するのは日本的な用法。若者言葉で「おに、うまい」とかいう使い方がありましたが、あれは並外れて大きなゆりを「鬼ゆり」と言うのと同じ感覚かもしれませんね。

さて「魂(たましい、コン)」という字にも「鬼」が入っておりますが、「云」は雲のことだそうで、「魂」は「云+鬼」で「まるくもやもやした火の玉」を表すようです。似た字に「塊(かたまり、カイ)」がありますが、こちらは「土+鬼」ですから「まるい形のつちくれ」ということになります。

あ、そうそう、昔ある女性が「団塊の世代」のことを「だんこんの世代」と言ったのを聞いてぶったまげたことがあります。響きが響きだけに違うものと誤解されますので、こっそり「違うよ」とアドバイスいたしました。

そしたらつい先日、まさに団塊の世代に属する男性とお話ししておりましたら、その方の口から「だんこんの世代」という言葉が。今回は訂正する勇気がございませんでした。やっぱり紛らわしいのか「魂」と「塊」。
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