雪降る食卓

テーマ:よもやま話
うちの店は古いところは築150~200年近く経っていると思われます。住んでいる棟も私が生まれた時にすでにある程度年限を重ねているように見えましたので、80年くらいは経っていると思います。あちこちボロが出てきて、客観的に見ても「ようこんなところに住んでるな」という感じ。

ま、慣れてしまえば普通に暮らせはするんですが、大雪となった9日の前日の夜。晩飯の後ほろ酔い気分でテレビを見ておりましたら、どこかで「パラン」という音が聞こえました。家の中ではなく外のような二階のような。でも、何の音だかははっきりしませんでした。

しばらくすると、妻が突然天窓の方を指して「あれ、雪が降ってきたで、ほら、ほら」と言うではありませんか。ほうか、寒いと思ったら道理で、と天窓を見上げます。うなぎの寝床のような町家は日当たりが悪いので要所要所に天窓があり、ちょうど食卓の上にも一つございます。

天窓のガラスに積もり始めたのかな、と思いきや、雪がどんどん下へ落ちてくるではありませんか。「え、うそ、まじ、雪が降ってきたやん、家の中に」。そうか、さっきのパランという音はガラスがずれた音だったのか。昔、星降る街角という歌がありましたが、こりゃ雪降る食卓ですがな。

しかし夜で雪、何と間の悪いことか。とりあえず、屋根に上がって見に行かねばと妻と2階に上がります。しかし、既に雪がかなりの勢いで降っており屋根にも積もり始めています。急いで(曳山祭の裸参りの)地下足袋を履いて屋根を上ろうとしましたが、瓦もあまり上等のものでないのでツルツル滑ります。

滑って落ちてはそれこそ一大事ですので引き返し「やっぱり無理やわ」と言いますと、妻が「私が行く!」と。いや、それは危ないからやめてくれと何度も止めますが、「私は大丈夫、酔ってもいないし頭使うんだから」と言って、私から地下足袋を奪い、さっと履いて

あっという間に、雪止めのついた瓦のところにたどりつき、雪止めづたいに横にさっさと歩いていきます。そして目的の天窓の届くところまで行くと、ずれたガラスを戻すという応急処置を施して戻ってまいりました。

「もう回りの土台も腐りかけていて完全には閉まらんかったで、雪が隙間から落ちてくるかもしれんわ」と妻。翌朝、目をさますと銀世界でしたので、これはまずいと居間に向かいましたが、何とか降り込まずにすんでいました。

家の古さもさることながら、自分の不甲斐なさと妻の頼もしさを実感したところです。昭和の花嫁でなくても許す!

アーカイブ

最近の記事一覧

カレンダー

<<      2015/02      >>
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28

ブログランキング

総合ランキング
2位 / 1569人中 keep
ジャンルランキング
2位 / 816人中 keep
日記/一般

フリースペース

HTMLページへのリンク

プロフィール

このブログの読者

お気に入りブログ

参加コミュニティ一覧