しぶとい

テーマ:言葉・漢字
先日何気なく妻に「しぶとい、ってどんな漢字書くんやろね?」と尋ねられまして、「う~ん、わからんなぁ」。そもそも、「しぶとい」は「し・ぶとい」のか「しぶ・とい」なのか「しぶと・い」なのか?

人の強情な性格を悪くいう場合に使われたり、逆に困難に遭っても粘り強いという良い意味でも使われたり、はたまた人間以外でも「しぶとい腫れ物」といった言い方もあり、まさに言葉としてもなかなか「しぶとい」ですね。

「◯ぶとい」つながりで思い浮かぶ言葉が「図太い」。さらに「野太い」という言葉もありますね。この二つは共に「太い」という漢字がついておりまして、「どちらも神経が太くて少しのことではびくびくしないさまを悪い評価を伴って表わす」と辞書にあります。ま言うなれば兄弟言葉ですね。

普段よく使われるのは「図太い」の方で、「野太い」はもう性格表現としてはほとんど使われず、わずかに「野太い声」という用法で残っているくらいでしょうか。古語辞典には「のぶとし」はあっても「ずぶとし」はないので、時代を経るうちに「のぶとし君」は「ずぶとし君」にその座を奪われちゃったのかな。

さて、「しぶとい」はどんな漢字を書くのでしょうか?結論からいうと、どうも漢字は無いということになるようですけれど、とりあえず語源としては3つほど説があるらしい。

一つは、昔の言葉「強い(しい)太し」の略かということで「強太い」。そして「為太(しぶと)でやること、行為がふてぶてしいこと」という意味から「為太い」。さらに「渋(しぶ)」に「あざとい」「あくどい」などの「とい」がついた「渋とい」というもの。

図太い、野太い、強太いとくれば、まさに松王丸、梅王丸、桜丸のような「太い三兄弟」としたいところですが、「渋とい」となると全く赤の他人になってしまいますね。いやあ、ホンマにしぶとい言葉です。

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