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祭人魂

テーマ:曳山・歌舞伎
縁ありまして、昨年に引き続き今年も岐阜県東濃の金幣社、恵那神社秋季大祭の奉納文楽の大夫を務めさせていただきました。このお祭りは毎年9月29日と日が定められております。
昨年同様、快晴に
折しも当神社の存する中津川市から遠からぬ所にそびえる御嶽山が突然の爆発。もしかして噴煙の被害に遭うのではと心配いたしましたが、ほとんど影響はありませんでした。それでも恵那峡あたりからは御嶽山の白い噴煙が真横に流れているのが遠目に見ることができました。

前日の夜はリハーサルだったのですが、昨年と違いテレビカメラが入って物々しい雰囲気。いきなりディレクターが「よろしくお願いします」と、番宣のタオルを手渡されました。どうやら、中津川川上(かおれ)の恵那文楽保存会を密着取材されているようです。

当日ももちろん、人形や人形遣いさんを中心にカメラが向けられます。私たち大夫・三味線にはインタビューはありませんでしたが、アップで撮れるカメラを床の近くに置かせてほしいので了承をとの依頼がありました。

テレビカメラを向けられて緊張するようなことは無くなりましたが、今年は何とシートを敷いた観覧席の最前列、私たちの真ん前に小学生男子が数名陣取りました。うわ~っ、こりゃやりにくいなぁ。

いやな予感が的中いたしまして、話の筋や浄瑠璃が単調になってくると、子どもたち敏感に、というか正直に退屈さを表に出し、いつの間にかゲームとか始めているではありませんか。おいおい、そんなら最初からそんなところに陣取るなっちゅうの。

一番ありがたいのは、中年~お年を召した女性ですね。一生懸命芝居に集中して下さいますし、終了後もテレビ局のインタビューに対して「良かったわ~」と大げさなくらいに応じて下さっていました。

約35分間の奉納文楽。御嶽山の御霊安まれと祈祷されていたのか、神事が長引いて開始時刻が大幅に遅れましたが、滞りなく無事終了いたしました。今回は中津川在住の三味線さんの龍太さんには何から何まで大変お世話になりました。どうもありがとうございました。

なお、テレビの番組名は「祭人魂(まつりびとだましい)」で、放映は11月1日(土)の午前11時25分~11時40分。お楽しみに、でも東海テレビなんで関西地区では視聴できませんとのこと。祭人だましかよ。

アンファンでした

テーマ:よもやま話
朝ドラ「花子とアン」、昨日とうとう最終回でしたね。茂木先生はやっぱり最後まで出ましたな。あれは、浅田美代子が演じた茂木先生の代理出場だったんかも。それにしても、花子と蓮子だけ老けさせて醍醐さんだけ娘のままってのはどうよ。老化防止には甲州ワインという暗黙の宣伝か?

さて、私は生まれてこのかた、自分で買った本はあまり多くはないのですが、実は中学生の時、あるシリーズに凝って、自ら本を購入し続けたことがあります。

それがこれら

ブックカバーの包装紙がかぶってますので、これでは何やらようわかりませんね。では、カバーを取って並べてみましょう。


そうなんです、「赤毛のアン」シリーズ。「赤毛のアン」に始まって、「アンの青春」「アンの友達」「アンの幸福」「アンの夢の家」「アンの愛情」「炉辺荘のアン」「アンをめぐる人々」の計8冊。

いやあ、我ながらよう読んだもんです。とは言うものの、漠然としたイメージしか記憶には残っておらず、細かいストーリーについてはほとんどと言っていいほど忘れています。もう40年近く前ですからね。

朝ドラ最終回で、次作は「Anne of Avonlea」ですと原書が出てくる場面があったと思いますが、Avonlea(アヴォンリー)というのは、アンが少女時代を過ごしたプリンス・エドワード島(この島の名前の響きには憧れました)の小さな部落の名。

直訳すると「アヴォンリーのアン」となるのですが、邦訳版では「アンの青春」となったようですね。私が読んだ「赤毛のアン」は村岡訳ではなく中村佐喜子さんによるものでしたので、私と村岡花子さんの最初の出会いは、この「アンの青春」。では、同作の訳者あとがき(一部)を記してお別れといたしましょう。

「『アンの青春』が『赤毛のアン』のあとを受けて同じように大きな読者層を得るであろうことを訳者の私は信じている。マーク・トゥエインをして、『グリーン・ゲーブルズのアンという少女こそはあの不滅の生命を持つ『不思議のアリス』以来の愉快きわまる、そして最も強く人の心に触れて来る存在である』と言わしめたこの作品の中には時代を超越した乙女心の清純さと夢が脈打っている。

カナダ人に多くの師友を持つ私は殊にこのカナダの作家モンゴメリを愛し続けて来た。長い間の願望であったこの翻訳をとおして、彼女を日本の家庭へ紹介することに無上の喜びを感じている。  1955年2月」

では、ごきげんよう、さようなら~(最終回の三輪さん、語尾が上がってましたね)



慮外

テーマ:言葉・漢字
一昨日の毎日新聞の社説を読んでいたら、今回の文化庁の国語世論調査を見て目を引いたのは「対人関係に表れた最近の若者の傾向」だ、と書かれていました。

「相手や場面に合わせて態度を変える」という人が10代後半で63%、20代では69%と高く、30代以降年をとるに従って低くなっているようです。また相手や場面によって自分の態度を変える、つまり「空気を読む」「キャラを演じる」ことが若者にとって日常的になっていることが指摘されていました。

自分の子どもたちに話を聞いても、まさにこの傾向は疑いようのない事実。毎日新聞の社説では建設的な議論を深めていくことが民主主義の基本なのに、摩擦を恐れて口論しない、波風を立てない、若者のコミュニケーション術は問題だ、と警鐘を鳴らしていました。

さて、三役修業塾で現在、「奥州安達原三段目」いわゆる「袖萩祭文」と呼ばれる段の稽古をしているのですが、その中に「慮外」という最近では使われないことばが頻繁に出て来ます。字からすると「考慮の外」ということですから、「意外」「想定外」と似た意味なのかな?と思うわけです。

確かに「慮外」は文字通り「思いがけないこと」を表す言葉なのですが、転じて「無礼であること。ぶしつけ。非常識」という意味になるようです。現代だと「失礼とは存じますが」とか「ご無礼ながら」というところで、「ご慮外ながら」などと言ったんですね。

回りに慮(おもんばか)ってばかりいるという若者世代。。名実ともに「慮外者」は死語になってしまうのでしょうか...。

創作時事用語

テーマ:言葉・漢字
昨日、朝日新聞に「創作時事用語」コンテストなるものの優秀作品が掲載されておりました。創作四字熟語や今年の漢字などはもうお馴染みですが、また新しいものができたんですな。

さて最優秀賞に選ばれた作品は、「ゆーとおり世代」。自分で考えず、決断しない人たちを言うそうな。ゆとり世代の「いい子なんだけど言われるまま」という特徴をうまく表してますね。審査員のみうらじゅんさん、「オヤジギャグ・スレスレの感じがいいんじゃないでしょうか」。確かに!

優秀賞や審査員賞を見てみると、体力・知力・行動力を備えたピンピンした老人を表した「ピン老人」。そうした元気のいい高齢者の老いらくの恋を表した「老いラブ」。こうした高齢者相手の産業は「ジバ産業」として脚光を浴びる時代のようです。

なるほど!と思ったのは「追い焚き増税」。一気に熱い風呂には入れないが、徐々に上げれば平気なように、徐々に税率を上げる消費税の引き上げ方を皮肉った言い方。会社をリストラされるなど不安定な就業状態で生きていくことを余儀なくされた人の立場を表した「個人的自営権」も何か悲しいな。

「ボケブラリー」は徘徊老人のことかと思いきや、知ったかぶりが、さも難しい言葉を知っているかのように見せて自慢気に話すボケぶり、だそうな。しかし「老人の気の利いたボケ」の方が意味と直結しやすいような。

子どもや年寄りへの虐待、駅員への暴行など立場が弱く抵抗できない者たちにストレスをぶつける「ストレスラー」。こういう人、確かに増えてるみたいですね。

さらに「不祥事を起こした人を徹底的にたたくことで気持ちよくなったり、歯止めがきかなくなっている状態」を表した「ジャスティス・ハイ」。

何でこれが選ばれたのかちょっとわかりにくかったけど、創作時事用語コンテストの主催者が朝日新聞とベネッセと聞いて納得。ま、「ピン老人」や「ストレスラー」の「ジャスティス・ハイ」を黙って見ている「ゆーとおり世代」。これが今の日本か。

もぎる

テーマ:言葉・漢字
今年も文化庁による「国語世論調査」の結果が発表されましたね。「世間ずれ」「まんじりともしない」などの慣用句の誤用とともに、今回は「~する」言葉の使われ方についても調査がなされたようですね。で、使うことがある、という人の比率は

チンする(電子レンジで加熱する): 90%
サボる(なまける)       : 86
お茶する(喫茶店に入る)    : 66
事故る(事故を起こす、遭う)  : 53
パニクる(慌ててパニックになる): 49
愚痴る(愚痴を言う)      : 48

告る(愛を告白する)      : 22
きょどる(挙動不審な態度をとる): 16
タクる(タクシーに乗る)    : 6
ディスる(けなす)       : 6 

下に行くほど使用率が減りまして、おそらく若者言葉なのでしょう、一番下の「ディスる」などは私自身聞いたこともありませんでした。何でもdisrespectから来ているようです。

新しい言葉の登場もさることながら、「サボる」を使わない人が14%もいることも驚き。聞いたことがないという人は1%とほとんどいないのに、それでも使わないのはサボったことがないからか、語源が敵性語(サボタージュ)だからか(笑)

さて、本日のタイトルの「もぎる」。もっぱらチケットや入場券の半券をちぎり取るといった意味で使われますが、これ漢字で書くと「捥る」と書くそうな。

いや、そんなことどうでもいいんです。今朝の「花子とアン」に科学者の茂木健一郎氏が、赤毛のアンの出版を決める編集社社長役で登場したのですが、このセリフがヒデぇ~棒読み。一人だけ空気が違うというか何というか、皮肉にも普段意識もしていなかった俳優さんたちの上手さを認識することになりました。

来年の調査で「もぎる」の意味が変わって登場しないことを祈ります。
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