鬼と魂と塊

テーマ:言葉・漢字
昨日は節分だったのですが豆撒きをせずに寝てしまいました。妻が深夜に思い出して、一人で申し訳程度に豆を撒いたわ、と今朝言うておりました。まだ家の中に鬼が残っているかもしれません。

ところで、「鬼」というのは何であんな字を書くんでしょうね。まあ、てっぺんの点が鬼の角に、そして「ム」は鋭く突き出た歯に見えなくもありませんね。

大漢和字典で調べてみますと、「鬼」は「大きなまるい頭をして足元の定かでない亡霊を描いた象形文字」とあります。どちらかと言うと、ぼんやりとまるいかたまりのように見える亡霊を「鬼」と呼んだんですね。

これが、やがて「地獄で死者を扱う者や死人たち」や「人力以上の力をもち人間を害するもの」に意味が転じていったようです。

その道一筋の人を「◯◯の鬼」、おにのようにむごい「鬼婆」、おにのように強い「鬼将軍」など、鬼をつけて強調するのは日本的な用法。若者言葉で「おに、うまい」とかいう使い方がありましたが、あれは並外れて大きなゆりを「鬼ゆり」と言うのと同じ感覚かもしれませんね。

さて「魂(たましい、コン)」という字にも「鬼」が入っておりますが、「云」は雲のことだそうで、「魂」は「云+鬼」で「まるくもやもやした火の玉」を表すようです。似た字に「塊(かたまり、カイ)」がありますが、こちらは「土+鬼」ですから「まるい形のつちくれ」ということになります。

あ、そうそう、昔ある女性が「団塊の世代」のことを「だんこんの世代」と言ったのを聞いてぶったまげたことがあります。響きが響きだけに違うものと誤解されますので、こっそり「違うよ」とアドバイスいたしました。

そしたらつい先日、まさに団塊の世代に属する男性とお話ししておりましたら、その方の口から「だんこんの世代」という言葉が。今回は訂正する勇気がございませんでした。やっぱり紛らわしいのか「魂」と「塊」。

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