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堤清二さんと長浜楽市

テーマ:よもやま話
セゾングループを牽引し、ビジネスと文化を融合させた特異な経営者であった堤清二さんが亡くなられましたね。もう86歳になっておられたというのがまず驚き。弟の義明氏との確執もあったようですが、てっきりあちらがお兄さんだとばかり思っておりました。

「辻井喬」の名で作家としてもご活躍だったわけですが、結局読んだ作品は堤家のドロドロの内実を明らかにした「父の肖像」だけか。「どてやす」と呼ばれ衆議院議長まで務めた堤康次郎氏は滋賀県出身ですから、西武と滋賀県は何かと由縁がありますね。長浜楽市も堤清二さんの魂が入っていたと思います。

長浜楽市ができたのは平成元年くらいだったでしょうか。当時まだ東京でサラリーマンをしておりましたが、あんなすごいショッピングセンター、いやショッピングセンターという安っぽい名前では呼びたくないような施設ができたのを見て、長浜も捨てたものではないなと思いました。

核店舗の西友と地元出店のテナントからなる商業施設に加え、大規模なゲームセンター、レストラン街、洋蘭園、さらにはドライブインシアター。文化の香り溢れる催し物も開催され、休日には子供を連れてここに来るのが楽しみでもありました。

そうそう、地方のショッピングセンターに置いてある男物のカジュアル服。いわゆるブランドもの(?)というと、クロコダイルにゴールデンベアにアーノルドパーマーの御三家やコシノ某とかに相場が決まっておるわけですが、何と初期の長浜楽市にはラコステの商品が置いてあって感激した覚えがあります。

長浜楽市はその後、平和堂アルプラザやジャスコの出店により、だんだんと文化的な香りのする施設は消滅していくとともに、またお馴染みの田舎のショッピングセンターへと戻ってゆき、当然のごとく「ワニが左ではなく右を向いた」ラコステの商品も店頭から姿を消しました。

堤清二氏はグループ会社の西洋環境開発の特別清算によって一線から身を引き、彼の描いた「文化と企業の融合」という壮大な事業はつい果てたのでした。

ダイエーの創始者中内功氏に象徴される「安さ追求」の流通界の方々にはあまり親近感を感じないのですが、崇高な理念で商業を一段高みへ上げることにトライした堤清二さんは尊敬できる人であったように思います。心よりご冥福をお祈り申し上げます。

アパートなのに

テーマ:よもやま話
「アパートを借りたことがある。レジデンス(邸宅)などとたいそうな名前がついていたが、木造モルタルの普通のアパート。でも、クレームをつける入居者はなかった。名前だけの高級感でも気分がいい」

11月25日の毎日新聞「余録」の書き出しである。この後、東南アジア産の安価なバナメイエビが出回るようになって国産の芝エビに高級感が出た。それで偽装メニューが始まった。エビの味にレジデンスとアパートほどの差があったからではないだろう。と書かれておりました。

そうか、アパートの名称だって、ありゃあ日本人はともかく外国人にとってはどう見ても偽装ですわな。以前読んだ「活字たんけん隊」(椎名誠/岩波新書)だったかに、日本で普及しているアパートの「呼び名」の本当の意味が書かれていたのを思い出しましたわ。

それによると、
「マンション」: 車で門を越えてはるか先に20部屋ぐらいある大きな屋敷がみえるような豪邸

「ワンルームマンション」: 体育館のように大きくて豪華な一部屋

「ハイツ」: 高台のこと、建築物には使われない

「ヴィラ」: 庭つき邸宅

「コーポ」: 共同管理アパート

「ドエル」: ”住む”の意味

ちなみに、毎日新聞の編集子の住んでいた「レジデンス」はあくまでも「個人の住宅」のことで、アパートのような共同住宅には不適切な名称らしい。

英語を小学校から教えるようになるのはいいけど、こういう偽装表現はこのまま放置されるんでしょうか。せめて「コーポラスセンション」みたいな奥ゆかしい名前をつけてほしいぜ、日本人よ。

大通寺山門修復現場

テーマ:まちづくり
昨日は教育委員会の定例会だったのですが、場所はいつもの浅井支所ではなく曳山博物館で。うちから3軒南隣という近さ。毎回ここでやって欲しいくらいです。

終了後、曳山博物館の展示を見学し、その後大通寺へ。同寺では現在山門の修復工事の真最中なわけですが、そこの現場を見学させていただくという大変貴重な機会に恵まれました。

この山門が建てられたのは文化9年(1812)と云いますから200年前。で、前回山門の屋根葺替・修復が行われたのは昭和39年(1964)とのことで実に50年ぶり。そうか、私が4歳の時かぁ。覚えてないなぁ。

50年後は生きてないでしょうから、一生に一度のチャ~ンス。ヘルメットをかぶって、恐る恐る足場の階段を上って行きますと、 
こんな感じの現場が現れます

損傷の激しい部材が新しいものと取り替えられていきます。全体を建て替えなくても部分交換していけるところが木造の利点だそうです。ホントに木造建築というのは日本の風土にも合っており合理的です。なお今回取り替えた部材には
このように焼印が押され
平成25~26年に修復されたものだということが後々わかるようにしているとのこと。さらに上の階に上がると
大屋根の部分が見えて参ります
これは北西側から見たものですが、こちら側は比較的損傷が少ないとのこと。反対の東側は風雨に晒されることが多いせいか傷みが激しいんだそうです。
こちらが東側から見た様子ですが
中央の束が白く新しい部材に変わっているのがおわかりかと思います。取り替える前の部材は
これこのように朽ち果てています
確かに西側の同じ部分は、鳩の糞によって激しく汚れておりました。鳩にとりましても西側のほうが風雨を凌げて居心地が良かったのでありましょう。

さて見学が終わり、また仮設の階段を降りてまいります。
ぐらぐらして怖いよ~ん

山門の修復が完成するのは約1年後の来年の10月だそうです。事故がないことを祈ります。解説をいただきました市文化財室の二宮さん、どうもありがとうございました。




♂と♀

テーマ:よもやま話
先日「おすもじ」について書いたんですけど、そう言えば「」のマークのこと何て呼びます?ひょっとして、これも「雄文字(おすもじ)」て言うんとちゃうやろかと思って調べてみたんですけど違いました。

これは「雄記号(おすきごう)」または「マスキュラ(mascular symbol)」とも呼ぶそうな。でもって、対になっている「」は「雌記号(めすきごう)」または「フェミニン(feminine symbol)」というらしい。

元々は次のような惑星記号から来ているそうで、

雄記号は「火星」、雌記号は「金星」ですね。そうか、金星はビーナスですもんね。ちなみに「」」は「手鏡」を表しているそうで、まさに女性のシンボル。

水星のマークである「」も雌雄同体を表す記号とされたようですが、これは廃れたそうな。しかし、最近そういう感じの方が多くなってきましたので、復活するかもしれませんな。

さて、「」は記号の形状から男性器にちなむという説があり、私も固くそう信じてまいりましたが、どうやらこれは誤りのようで、「盾と矛」の組み合わせというのが正解だそうです。

まあ、男性=戦士というイメージなんでしょうけど、どっちかというと「矛盾のある」存在と考えていただいた方がよいかもしれませんな。


(追記)
全然関係ありませんが、地球の惑星記号って島津家のマークみたいですな。もう一つ、長浜曳山祭の月宮殿田町組のマークもこれでございアース。



浮木の亀

テーマ:曳山・歌舞伎
浄瑠璃を習っていますと、いろいろとわからない言葉や言い回しが出てまいります。今、テープを聞きながら自習しているのが「壺坂観音霊験記 山の段」。既に習った「沢市内の段」の続きで、夫婦が谷に落ちた後、観音様のご慈悲で盲目の沢市の目が開くというハッピーエンド。

なのですが、目が開いた後に観音様に感謝しながら「♪有りがたや、かたじけなや、これよりすぐにお礼参りは浮木(うきぎ)の亀、初めて拝む日の光は年立ち返る心地ぞや...」と歌うのですが、ここに出てくる「浮木の亀」の意味がわかりません。

しかし、そんなことを一々気にしていてはキリがありませんで、まず節を憶えるのが先決。てことで、わからないまま放ったらかしにしておいたのですが、先日毎日新聞の夕刊のコラムに「盲亀浮木(もうきふぼく)」という言葉が出てまいりました。

「競馬は『縁』である。縁があれば的中するし、縁がなければ損をする。海の底に目の見えない大海亀がいた。大海亀は100年に一度、海面に顔を出し、新鮮な空気を吸って、再び海底に潜る。

いま、広い海に一本の丸太が浮いている。見れば丸太の真ん中に小さな穴、100年に一度、大海亀が首を海上に出そうとした瞬間、丸太の穴に、ひょいと頭を入れてしまった。何億年に一度の出来事?奇跡のチャンスを仏教では『盲亀浮木(もうきふぼく)の縁』と言う(雑阿含経)」

と、競馬好きの編集子が書いており、彼は5レースの一着を全て当てる「WIN5」という難しい馬券に夢中だそうで自分も「盲亀浮木の縁」に与りたいというわけ。競馬はどうでも良かったんですが、ひょっとしてこれって先述の「浮木の亀」と関係有るのでは?

調べてみると案の定、「盲亀浮木」と「浮木の亀」は同義なんですね。つまり、観音様の力で谷底に落ちて命を落としたはずの身が助けられ、しかも盲目の目が治り日の光を拝むことが出来た沢市が、自分を奇跡のチャンスに巡り会えた盲亀に例えたというわけか。

そうそう、先日サッカーくじのビッグで10億円が9本も出たそうですね。まさに浮木の亀が9匹やん。9匹も出てきたら、せっかくの浮木も沈んでまうんとちゃうやろか。
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