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かなぐり捨てる

テーマ:言葉・漢字
何もかもかなぐり捨てて、といった言い方をいたしますが、あの場合の「かなぐり」というのは一体何のことなのか、と考えたことはありませんか?ありませんよね。そんなことを考えるのは私くらいか。

大辞林を引きますと、①身につけている衣類などを乱暴に取って捨てる ②思い切って振り捨てる という意味がかかれており、語源については想像もできません。

岩波古語辞典を見ると、おおありました「かなぐり」という言葉が。「カイ(掻い)ナグリの約か。着ているものを無理にはがしたり、はなしたるする動作が荒々しく行われるのにいう」と書かれております。

「かなぐり」というと商売人としては「金繰り」を連想してしまいます。通常は「資金繰り」もしくは「かねぐり」と言ったりしますが、「かなぐり」という言い方もありますよね。

この金繰りがどうもこうもつかなくなって、衣類まで脱捨てて開き直る、あるいは何もかも振り捨てて逃げる。こういった意味が含まれているのではないか、とつい思ってしまうのです。

今日は月末の31日。仕入れ代の支払いが待ってますのや。これから銀行へ金繰りに行ってまいります。はぁ~~ぁ。

腰を折る

テーマ:言葉・漢字
先日睡眠中に一瞬腰が痛くなり目が覚めました。結果的には大事に至らなかったのですが寝返りを打った時にでも捻った感じになったのでしょうか。その時に、ふと「腰を折る」という言葉が浮かんでまいりました。

まあ、本当に腰の骨が折れてしまったら一大事ですが、この言葉は違う用法で使われますね。そう、「話の腰を折る」など。「中途で妨げる」という意味ですが、話の腰とは何なんでしょう?話にも腰痛があるのか?

どうやら、「腰」には「勢い」「力」という意味があるようで、それがはぐらかさせれてしまうことを、腰が折られたと表現するわけですね。最近では「消費税10%で景気の腰折れが懸念される」などという風にも使われますね。

あ、そうそう、「腰を折る」といえば、文字通り「腰を折り曲げる」という意味もあります。この秋に再開した人気TVドラマ「ドクターX」。今回はシリーズ3だそうですが、私は見るのが今回が初めて。

1週間前の第3話は、高畑淳子さん演じる白木師長が伝説の看護師(岩下志麻)に対して行なう直角の最敬礼に大爆笑。


まさに「腰を折る」演技が実に印象的でした。今日も見よ~っと。あ、話の腰を折るようですが、今は看護婦改め看護師だから、婦長じゃなくって「師長さん」って呼ぶんですね。感じ出ませんな。

トニックの日

テーマ:よもやま話
本日10月29日は「トニックの日」につき、ブログは休刊とさせていただきます。



(解説)
トニックの日は、10(ト)29(ニック)の語呂合わせで、花王が「サクセス薬用育毛トニック」など自社のヘアトニック、育毛トニックをアピールするのが目的で制定したもの。

ちなみに昔「髪は長~いともだち」なんていうコマーシャルがありましたけど、「髪」の字の下の部分、実は「友(とも)」ではなくて「はねる」という意味の「(はつ)」だったようです。

語源は「犬が足をばらばら動かすさま」だとも。髪は長~い犬のバタ足だったとは。「友達じゃなかったのかよう!」って裏切られた気分になりますよね。



赤瀬川と新明解

テーマ:言葉・漢字
作家赤瀬川原平さんがお亡くなりになられたとか。赤瀬川さんといえば思いつくのが「老人力」。てっきり読んだことがあるような気になっていたけど、調べてみたら未読。結局氏の著書で読んだのは「日本男児」(文春新書)のみ。

私の読書メモには、「人間の成長には強制が必要」「若い頃の頭の考えは直線的に進みやすいから、だいたいは左翼になるものだ」「日本人の場合、自由と言われれば結局他人の真似をすることになる(ルーズソックスとか)」さらには「人生: 趣味(アナログ)→事務(デジタル)」とも。私のブログも事務になってきたような...。

今朝の天声人語で、赤瀬川さんの作品の中に「新解さんの謎」というのがあることを知った。何でも電車の中で読むのは禁物らしい。思わず噴き出してしまう箇所が目白押しだから、と書いてある。

「新解さん」とは三省堂の新明解国語辞典のことで、語釈や用例が独特、例えば「アコウダイ」の項には「顔がいかついが、うまい」とあるらしい。ああ、そういえば新橋にアコウダイの専門店があったなぁ。安かったので何度も飲みに行ったことを思い出したらヨダレが出そうに。

新明解国語辞典の特異性については三浦しをんさんの「舟を編む」の中でも出てきたけど、「恋愛」という言葉の定義が秀逸。すなわち、恋愛とは

「特定の異性に特別の愛情をいだき、高揚した気分で二人だけで一緒にいたい、精神的な一体感を分かち合いたい、出来るなら肉体的な一体感も得たいと願いながら、常にはかなえられないで、やるせない思いに駆られたり、まれにかなえられて歓喜したりする状態に身を置くこと」

これを大辞林の定義:「男女が恋い慕うこと、またその感情、ラブ」と比べてほしい。奇しくも10/27~11/9までは読書週間。「新解さんの謎」はぜひ読んでみたい。皆さんも、たまにはパソコン(デジタル)を閉じて本(アナログ)を開いてみては。

テーマ:言葉・漢字
昨日ネタにしました祭屋台等製作修理技術者研修会、終了後は交流会が催されました。親睦会、懇親会、色々な呼び方がなされますが、要は宴会。宴会の「宴」は「うたげ」と読みますが、うたげと言うとちょっと雅な感じがしまして、一般的には使いませんね。

さて「万葉びとの宴」(上野誠/講談社現代新書)という本に次のように宴の語源が書いてありました。

現在でも「打ち上げ」という言葉はよく使いますが、古来祭祀や儀式を行うためには多くの人々の協力が不可欠で、そうした協力者を慰労するために酒席を設けることを「打ち上ぐ」と言ったそうです。手を打って上げる、つまりけじめをつける行為ですな。

「打ち上げ」が縮まって「うたげ」になったということみたいですが、言葉としては「打ち上げ」が平社員のままだとすると、「うたげ」の方は随分とお高い身分に出世あそばれたという感じがいたします。

同書には「宴」を指す言葉がいくつか挙げられていたのですが、その一つが「直会(なおらひ)」。これは祭や神社関係の行事によく使われますね。これは本来「直り合う(なほり+あふ)」という言葉で、これまた居住まいを正す、つまりけじめをつけるということなんだそうです。

京都では「足洗い」と称する言い方があり、ともすると別の意味にとらえてしまいそうですが、(祭などの行事から)足を洗って翌日からは普段の生活に戻るということだとか。そう言えば米原の曳山祭では「板流し」という表現が使われていたような気がします。

さらに「豊明(とよのあかり)」という用語もあるそうです。「酒を飲んで頬が赤くなること」から、または「ぜいたくに明かりを灯すことのできた盛宴」をそういった可能性もあるとのことですが、一度使ってみたい雅なことばでござりまするな。
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