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Bタイプ労働のすすめ

テーマ:まちづくり
先日、商店街で手作りの明かりを作ったという内容のブログで当商店街の理事長が器用である、ということを書いていて、ふと7,8年前に読んだ本のことを思い出した。

杉本良夫氏著の「オーストラリア -多文化社会の選択」(岩波新書)だった、そうそう。その中に書かれていた気になったキーワードが「Bタイプ労働」。Bタイプ労働というのは、賃金を得て行う労働「Aタイプ労働」に対する呼び名で、一言でいうと「日曜大工以上プロ未満」だったと思う。

著者はオーストラリアのGDPは日本の半分ぐらいなのに、何故日本以上に「余裕のある」生活が営まれているのか?という疑問に、GDPに顕れないこの「Bタイプ労働」が寄与していると指摘していた。つまり、例えばDIYで家の改築をすれば、賃金としてGDPには反映されないが確実に住居環境は改善される、というわけだ。

日本でも例えば葉刈りや配線工事を自分でやったりする人もいるし、最近ではコンピューター関係のことを自分でやってしまう人もいるから、こういうのもBタイプ労働になるのかな。さらに自分の家のことだけでなく、いわゆるボランティアで自分の能力を発揮する人もおり、それも同じようにGDPには反映されないが社会には貢献しているわけで、まちの活力や豊かさは、こうしたBタイプ労働の多寡にかかっているようにも思える。

さて昨日のビアレ・ルーチェにベッラ・ストラーダ、雨も直前に上がって無事開催。

Aタイプ労働: 黒壁ベッラ・ストラーダの灯り

Bタイプ労働: 博物館通りビアレ・ルーチェの灯り


写真の腕がDタイプ労働だな、こりゃ。



溶く川には家康からず

テーマ:まちづくり
昨日、愛知県岡崎市をゲリラ豪雨が襲い、矢作川が決壊し、未曾有の床上、床下浸水の被害が出ました。産経ニュースに被害のなまなましい写真が掲載されております。

岡崎市にある製油メーカーから菜種油等を仕入れておりますので、昨日の午後に会社にお見舞いの電話を入れました。工場は一部浸水の被害に見舞われ、商品が水浸しになったようですが、その時間には水も引き、社員総出で汚泥除去等の作業を行なっている最中とのことでありました。生産に影響が無かったのは幸いでしたが、出荷には多少影響が出るようです。

それにしても14万6千世帯の市民全員に避難勧告が出たとの報道でしたので、どんなことになっているのやらと思いましたが、高台に住んでいる人にはほとんど被害はなく、やはり川沿いの低地が集中的に被災したようです。1時間に146㎜の雨ですから、先日長浜を襲ったゲリラ豪雨の倍近くの降水量です。

日本の水害対策はある一定量の降雨まで耐えられるようにダムを作るのだが、想定量を超えた場合は「ごめんなさい」という状況だそうです。日本の堤防は泥や砂の表面にコンクリートが塗ってあるようなもので非常に決壊しやすいのだそうです。川は決壊せずに水が溢れるだけならそれほど被害が大きくなるわけでないので、ダムを作るより決壊しない堤防にする事の方が重要だという専門家の意見を新聞で目にいたしました。

岡崎は徳川家康公ゆかりの地であります。現地では「権現様がお守りくださっとるもんで岡崎は安心だて」というような感じだったんではないでしょうか。でも「溶く川には家康からず」でしたね。滋賀県も「災害が少ない」とよく言われますが、十分対策だけはしてから後に神頼みといきたいものですね。

出世したいカード

テーマ:まちづくり
長浜倶楽部というものがございまして昨日総会が開催されました。クラブと申しましてもゴルフ場でも奉仕団体でも、ましてやお酒を飲む処でもありませんで、「シュッセカード」を運営する会社でございます。

シュッセカードにつきましては、先日加盟店であるせんしゅうさんがブログに特徴、特典等を書いて下さいましたので是非そちらをご参照いただきたいのですが、平成7年7月7日という大変おめでたい日に誕生いたしました。

長浜城が秀吉公の出世城などと言われたことから、長浜の商店街のポイントカードを「シュッセカード」という名前にしようということは暗黙の合意だったようですが、当初は「shusse card」「出世札」等の表示が検討されておりました。

ちょっと野暮ったいぞと懸念していた所、たまたまフランス語で「出世、成功」という単語が「succès」で「シュクセ」と発音し「シュッセ」と似ている事を発見いたしまして、「succès card」という表示を提案いたしましたら採用されまして、現在に至っております。まあ普通の人はほとんど「サクセスカード」と読まれますが、語源が同じなので已むを得ませんね。

このシュッセカード、開業後13年を経過し、3年ほど前にはシステム更新もいたしましたが、実はなかなか出世いたしませんで、平和堂のHOPカードがとんとん拍子に出世していくのを尻目にポイントカード界の万年平社員状態が続いております。

余談になりますが、船や人の名前の「丸」や「麻呂」は大小便をするという意味の「まる」が語源だということをご存知でしょうか?昔は汚い物を指す名前をあえて付ける事で鬼や魔物が近づかないように祈念したようであります。

まあ当世にそうした汚い物の名前をつけることは憚られますが、カード名もせめて「ステップ」「ジャンプ」ではなく控えめに「ホップ」にするとかいったような謙虚さが必要だったのかもしれません。ハナから出世などと大上段に構えるのではなく、「浜ちゃんカード」くらいにしておいた方がかえって出世できたのかも。

*浜ちゃん : 映画「釣りバカ日誌」の主人公で万年平社員ながら釣りの天才で人気者

油を売っているわけでないアラブ

テーマ:石油
8/24の日本経済新聞の中外時評に「この数ヶ月、原油高騰の主因は需給か投機かという論争が流行ったが無意味な論争である。論点は需給逼迫の懸念が足元についてか、将来についてかだ。」と書いてあった。

そしてロイヤル・ダッチ・シェルのファンデルフェールCEOの「今、物理的な供給不足があるかといえばノーだが、こんなに高い価格になったのは、将来起こるかもしれない事が今日の価格に反映されているからだ」という言葉を極めて的確と評し、石油需要は中国・インドのみならず、サウジ等の中東産油国自体でも急増することを指摘している。

そして、石油・ガス資源が集中する中東産油国のエネルギーの内需の相当部分を化石燃料以外で満たし、各国の石油・ガス輸出余力を確保することは、世界全体の中長期のエネルギー安全保障で不可欠の課題になった、と時評は続く。

竹内書店さんのブログに紹介されていた人工都市ドバイはかなり有名になりつつあるが、今度は同じUAEのアブダビが全てを再生可能エネルギーでまかなう実験都市の建設を始め、サウジ政府も太陽エネルギーの実用化に多額の資金を投じる考えらしい。

日本は、こうした動きをキャッシュリッチになった中東産油国の”道楽”と受け流すのではなく、エネルギー安保の重要命題として、中東産油国の代替エネルギー利用に対し本格的協力を急ぐべき、と結んでいる。

この時評の卓見と大局観に感じ入るとともに、中東産油国は石油と心中するつもりで左うちわで遊んでいるイメージでいた自分を只管恥入るのみである。

本当の佐川は?

テーマ:よもやま話
昨日車で栗東方面に行ったのですが、用事が思ったより早く済みまして、ふと雪さんのブログを思い出し、守山の湖岸にある佐川美術館に立寄ることにしました。

かねがね「佐川美術館はなかなかいいよ」と聞いていたのですが、どうせ滋賀県ではねえ、と私も高をくくっておりました。ところが、まず外観からこの通りオシャレ。水がふんだんに使われております。

エントランスまで水空間を臨む廊下が続いており、その水空間にはこんな彫刻も

館内は、平山郁夫の絵画、佐藤忠良の彫刻、樂吉左衛門の陶芸が中心に展示されているのですが、作品のクオリティはもちろん展示空間構成がすばらしく、極めて心地よい鑑賞環境が準備されているのです。いつぞや東京でモネ展を見たときは人を見に来た気がしましたが、今回は疑いもなく芸術鑑賞をしたという充実感に浸りました。

樂吉左衛門館は日本建築美術工芸協会賞を受賞しており、内部にはこんな空間もございます。


竹中工務店の施工だそうですが、この佐川美術館がこの飛脚印で有名な佐川急便のものだということがなかなか結びつかない、いやそのイメージが足を遠ざけていた理由かもしれません。

しかも、最近ロゴマークが「飛脚」から「ひったくり」に変りました
ギャップが大きすぎて、私にはこの美術館のセンスとひったくりロゴのセンスが到底結びつかないのですが、本当の佐川は一体どちらなのでしょうか?


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