<<最初    <前    1  |  2  |  3  |  4  |  5    次>    最後>>

最後はトリ

テーマ:旅日記
前もって送られてきた今回の旅行の日程表。夕食を博多でってことはわかっていたんだけど、いざ見てみたら「水炊き長野」って書いたる。水炊き?それってひょっとして....と思い、ネットで調べてみたら、ゲゲゲ鶏の水炊きじゃん。しかもそれオンリーの有名店やん。

福岡出身の妻にそれを言ったら、「あ~ぁ、大丈夫ぅ?食べられるんかいな?」。「どうかなぁ~。けど一流店やし意外と食べられるかもしれん」「それに、水炊きだけでなく、お刺身とか他のものも出るだろうしね」。そんな会話を思い出しながら
くぐる名店の暖簾

ここを選んだ幹事さん、私が鶏が苦手なことをそれとなく気づいていたようですが、まあそんなこと言い出したら、誰でも多かれ少なかれ好き嫌いはありますからね。それに、今回ひょっとしたら実は自分が食べず嫌いだったことに気付かされることを少し期待するところもあったんです。

あらかじめテーブル上に置かれた鍋には
ごろごろっと骨付きの鶏肉の塊が

これに火を着けられ煮え立つまでにまず仲居さんが持ってきたのはハム。「はい、これがスモークチキンになります」。ゲ!いきなりチキンかよ。見た目、普通のハムなんですがチキンと言われただけで身構えます。まあ、2枚は食べられました。結果的にはこれが一番穏当な食べ物だったんですが....。

続いては、付き出しの「酢モツ」。いわゆるモツに酢がかけられて生姜が乗ってるんですが、一口食べまして、「うっ!トリやわ」。そりゃ鶏モツですんで当たり前なんですが、もう箸が進みません。

そのうちに、鍋がが煮えたぎって参りますと、仲居さんたらオタマでスープを掬い、陶器のコップのようなものに注ぎ、「スープでございます」。私は最初、チキンラーメンのスープみたいな味を想像したのですが、ところがどっこいすっとこどっこい、これまた「the TORI」。すなわち、鶏の臭い、味しかせんのです。

そうか、水炊きってのは昆布も入れず、ひたすら鶏ガラだけの出汁なのね。ってことで、いよいよメインの鶏肉。できるだけ小っちゃいのを選ぶのですが、どれも負けず劣らず肉厚でプヨプヨ。ひょっとしたら、濃厚な肉の甘みがジュワッと出てくるのではないかという牢獄の中の官兵衛の期待よろしく一口。

「うわっ!ダメだこりゃ」。何と鶏らしいトリだこと。唐揚げや焼き鳥を美味しいと言って食べる方の気持ちは私理解できますし、自分もそう思いながら一口、二口食べることは可能です。しかし、この水炊きはどうだ。これを美味いと言って食べられる人の心、いや舌が理解できな~い。

そう思えば思うほど、舌は肉片を口の中の片隅へと追いやります。人間って好きな物は舌の美味しく感じる所で噛んで味わい、嫌いな物は不味く感じる部位で味わうらしいですね。従って嫌いな物はますます不味く感じるようです。まさにこの時の私がそれ。それをよそ目に旨い美味いと私の百倍くらい肉を貪る周りの皆さん。

今度はミンチ状にしたいわゆるつくねが団子型にまとめられ鍋にちぎり入れられていきます。おっ!つくねかぁ。これはいけるかも。山芋で繋いでちょっとニンニクや生姜と混ぜたの美味しいですよね。と思いながら一口。うっ!これもおんなじトリの味しかせん。ホンマに鶏の味しかせんやん。どんだけ肉の味に自信持ってんねん。

結局、その後出てきた野菜と豆腐と麸、そして締めの雑炊によってかろうじて我が胃の腑は落ち着きを取り戻したものの、やっぱり「最後はトリ」。いや、トリはこれで最後といたしたく思った九州の旅でございました。

こんな所でホワイト餃子

テーマ:旅日記
今回の参加メンバーに元(敢えて元と書きますが)コブロガーの白さん、そう長浜のソウルフードを多数輩出する名店茶しんさんの若旦那も含まれていたのですが、偶然武雄市に同じホワイト餃子を扱う店を発見した幹事さん、ここを昼食会場に指定。

ホワイト餃子は千葉県野田市が本店。全国各地(と言ってもそう多くはない)にいわゆるフランチャイズ契約をし、本店と同じ味の商品を扱うことができる店があり、茶しんさんもその一つ。ここ九州は佐賀県武雄市の店は
その名も餃子会館

餃子会館というくらいなので、各種餃子の名店が集まったビルなのかと思いきや、この店の名前そのものが「餃子会館」なんですな。実に紛らわしい。ま、いいでしょう。二階のフロアに上がり、座敷のテーブル席へ。

この日は夕食は博多で早目の時間にということが決まっていたので、昼食は軽目に。しかし、ホワイト餃子の食べ比べは必修科目でしたので、とりあえず4人で一皿を頼むことに。

茶しんさんの餃子は10個単位なのですが、この店は8個単位。かねてより5個単位で提供してほしいという要望を「本店の方針で10個単位の提供しかできない」と主張してきた白さん。「おいおい、10個ちゃうやん」

「あれ、ほんまですねぇ」と言いながら、「あれは冷凍されたものをバラバラにして焼いているんだと思いますよ」と解説してくれる白さん。そうこうしているうちに
出てまいりました

全体的に茶しんさんのより軽目で皮も薄い感じ。中の餡はさすがに同じ味でしたが、皮のサイドまで焦げ目がついていてパリパリしています。
バラして焼いているからでしょうね

さてメニューの中に
「もしもしラーメン」の文字を発見。何や、もしもしラーメンって?これはちょっと食べてみんとあかんな~、ってことで注文いたします。食べ始めてから気づいて写真を撮ったんですが、
いわゆるトンコツラーメン
それも九州らしく独特の◯ん◯臭い感を存分に醸し出しております。何で「もしもしラーメン」なる名前なのか聞いてみると、「昔隣に電電公社があったとですよ。だからですねぇ」。よっぽどええお客さんだったんでしょうか。

武雄市図書館

テーマ:旅日記
さて次なる目的地は「武雄市図書館」。個人的には今回の旅のメインスポット。事前に教育委員会を通じて先方の行政に視察対応をお願いした結果、武雄市教委文化・学習課の主任さんから概要説明と館内案内をしていただくことができました。

武雄市図書館は樋渡市長の肝いりで「代官山蔦屋書店」をモデルに作られた全く新しいコンセプトの公共図書館で、企画・運営は指定管理者であるCCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ;蔦屋の運営会社)によって行われています。

これまでの図書館と何が違うのか?説明によれば
1.すべて開架の20万冊蔵書 →古い本は高いところに置いてスタッフが脚立で取出し
2.600種類の雑誌販売 →貸出は行わないが座席での閲覧は可能
3.映画・音楽の充実 →CD3万枚、 DVD5万枚
4.i-padによる検索サービス →固定13台、貸出17台
5.スターバックスの出店 →平均客単価850円、横浜店に匹敵する売上で好調
6.Tカードが図書館カードに(選択制) →利用者の93%が選択。セルフレジ(自動貸出機)利用にはTポイントがつき、省力化に貢献(8割が利用)
7.365日、朝9時から夜9時までの開館

等々ですが、新刊本も販売用に数冊置かれ、これらも館内であれば自由に読め、また館内で飲み物も自由。販売本の損傷が気になったのですが、返本は無料(本自体のコストは低)とのこと。

指定管理料は5年契約で1.1億/年。直営時代の運営費1.2億より安く図書購入費の予算を増やすことができた。スターバックス、レンタルビデオなどの営利部分は施設の目的外使用部分として蔦屋側から家賃を払ってもらう(年間600万)。

600万という額は賃貸料としては相場の半額で、蔦屋側の採算維持に寄与するとともに、市側は図書購入費に充てるなどのメリットがあるという。

この図書館新設かと思いましたら、建物は平成12年に建設されたものを、平成24年に8億円をかけて大改装(市側:4.5億円、蔦屋側:3.5億円)したんですね。この結果、来館者は92万/年と3.6倍に。ちなみに貸出利用者は16万で貸出図書数が54万冊。(武雄市の人口は5万人、商圏人口20万人)

視察目的での来訪者も多く、地元経済への波及効果は諸々で20億円と推定。この日も平日ながら駐車場は満杯で若者の姿が目立ちました。図書館というよりトレンディスポットとして注目を浴び、博多あたりからも若者が来ているのではないかと職員さんは話しておられました。

CCC図書館カンパニーは全国100店舗を目指しているそうで、神奈川県海老名市、宮城県多賀城市、山口県徳山市などで導入が決定・具体化しているようです。

市役所跡地に中央図書館建設計画が発表された長浜市。公共図書館のあるべき姿論からすると言下に否定されそうな気もしますが、批判サイトに記されているような問題点も十分に勘案しながら、選択肢の一つとして検討、少なくとも議論はしてみてもいいのではないでしょうか。

踏切神社

テーマ:旅日記
唐津視察が終わり一路嬉野温泉へ。最近寂れがちで中国資本も入りつつあるという噂を佐賀に入ってから聞いたのですが、本当に人影もなく「悲し野温泉」状態。それでも流石「美肌の湯」と呼ばれるだけあって泉質はヌルヌル感があって、如何にも肌がツルツルになりそう。女が喜ぶ「嬉野」とは良く言ったものです。

さて、盛りだくさんの日程をこなすため翌日は6時起床、入浴、7時朝食の後、8時に宿を発ち陶芸の町有田へ。ほんな早う開いたるんかい?と思いきや、香蘭社の本社は何と8時開店。まあ、他はみんな閉まってるんですけど。
香蘭社の外観
香蘭社の内部
すまん、商品の写真は無し。9時過ぎからは観光ボランティアガイドさんに案内をお願いして街を散策。この辺りは伝統的建造物群保存地区に指定されているそうで、それらしき建物が通りに点在しております。

表通りはかなり広いのですが、元々は参勤交代用の道だったものを後に昭和初期に軍用道路として拡張されたからだそうで、裏通りが商品の搬入路になっていたそうです。平日の朝早くということでほとんど通りは閑散としていますが、陶磁器の生産、販売でかつては殷賑を極めたであろうことが覗える街並みです。

400年もの長い間、陶石が削られ続け有田の街を支えてきた
泉山陶石場
の姿にも胸を打たれましたが、この有田の街で最も驚いたのは
何と言っても陶山神社
このように、階段を上りつめた拝殿手前の鳥居が陶器でできております。いや、そんなことより何より、
ちょっとこれ見て
神殿に向かう階段とその参道の中間に踏切があり、線路が走っているではありませんか。
踏切を渡って参拝

滞在中にちょうど電車が来て、すわ写真!と思ったところ、あっという間に過ぎ去る2両客車。何でも、地元の反対で境内に線路を通さざるを得ない結果になったんだとか。

訪れた人たちは陶山神社という名前は忘れても、「あ~ん、あの踏切神社ね」と思い出すこと必至。日本珍風景の一つだとか。

唐津くんち

テーマ:旅日記
よく友達の家を「◯◯君ち」なんていう言い方をいたしますよね。そうそう、我々も佐賀へ行ったからは、ユネスコの無形文化遺産登録を待つ山・鉾・屋台連合会仲間である「唐津くんち」へ行かないわけには参りません。

もっとも、「くんち」というのは祭礼の名前でして、供日、あるいは祭礼日の9日(くにち)から来たとも言われているようです。元々は唐津神社の本殿祭である10月29日に行われていたようですが、観光的・人的理由からかくんち行事は昭和43年に現行の11月2,3,4日に変更になったようです。
まず訪れたのは曳山展示場
長浜の曳山博物館のようなものですが、唐津市民会館と隣接し唐津神社は目の前に。長浜と異なり、14基の曳山が修理中のものは除き全て収納されています。当展示場は唐津城、そして後述の西の館とともに運営者は唐津文化事業団とのこと。
建物の裏側の曳山搬入扉
一番目立つ5番山「鯛」
大型獅子舞のイメージ
館内のテレビでおくんちの様子が映しだされていましたが、だんじりや山笠のように曳き廻しがメインで、特に西の浜お旅所での砂地での曳込み、曳出しが最大の見せ場。

さて長浜の曳山博物館N館長のご手配で、唐津神社の宮司さんと曳山取締会の役員さんにもお時間を割いていただき、修理中の山車を見せてもらったり、神社の社務所で色々な話を聞かせてもらうこともできました。
修理ドックのある西の館
修理ドック内は撮影禁止でしたので写真はありませんが、6番山の「鳳凰丸」(大石町)が修理中。ちなみに唐津は作成順に1番山、2番山という順番がつけられており、最古の1番山は文政2年(1819)建造の「赤獅子」(刀町)。

30年という短い周期で各山順番に漆、彫金の塗替が行われ、費用負担は国が1/2、県が1/4、市と地元が1/8。地元に塗箔師や彫金業者は居られず、全国的な仏壇屋さんの関連会社である「はせがわ美術工芸」さんが一手に修復を手がけておられるようです。

祭は曳山取締会という長浜で言う総当番のような組織によって運営され、そのトップの総取締は各町の取締の推薦によって選ばれるのですが、長浜の総当番委員長のように毎年変わるのではなく、一期4年の任期で、中には8年、12年と務められる方もいらっしゃるそうです。

材木町、本町、魚屋町など町名が現在も行政上のそれとしても使われている山組組織。元々は消防団組織だったため火消装束が正装。曳き手や女子の参加の可否などの決まり事は町によって若干異なり、一番人口の少ない呉服町は町内(出身者も含む)以外の人間が山を曳くことは許されないそうです。
獅子型4基、兜型4基、その他6基
wikipediaによれば、地元の子どもたちは「10人のインディアン」の曲の替え歌で「赤獅子青獅子浦島太郎、義経鯛山鳳凰丸(この歌ではほうまる、と発音する)飛龍、金獅子武田上杉頼光、珠取鯱七宝丸」と歌いながら曳山の順番を覚えるそうな。

唐津神社宮司さんのお話によれば、坂井唐津市長も山組で新町(飛龍)の方だとか。いやいや、もっと驚いたことに古川佐賀県知事までもが山組、それも最も厳格な呉服町出身だそうで、知事さんでも特別扱いは受けず「祭の時だけ来てなんばしとっちょ」とか怒られるそうです。家も「古川くんち」呼ばわりなんでしょうな。





<<最初    <前    1  |  2  |  3  |  4  |  5    次>    最後>>

アーカイブ

最近の記事一覧

カレンダー

<<      2014/06      >>
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 1 2 3 4 5

ブログランキング

総合ランキング
2位 / 1569人中 keep
ジャンルランキング
2位 / 816人中 keep
日記/一般

フリースペース

HTMLページへのリンク

プロフィール

このブログの読者

お気に入りブログ

参加コミュニティ一覧