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飲めますんか?

テーマ:まちづくり
先日の昼過ぎ店番をしていたのですが、平日ということもあってお客さんは皆無。「あ~ぁ、暇やなぁ」と欠伸しそうになったところに、中折れハットをかぶり身ぎれいな70~80歳くらいと思しき男性が入店。

「いらっしゃいませ~」と言いますと、どうやら商品には興味はないらしく、いきなり「あの~、ちょっとお尋ねしますが、あそこに水が湧いてますやろ。あれは飲めますんか?」と、うちの裏の方角を指さして尋ねられます。

「あそこ?あそこてどこですか?」。「あそこやがな、あそこ知らんの?」「水が湧いているところでしょ?どこかな~」と思案しておりますと、「ほれ、何かガラスの立ったるとこよ」。「あ~ん、あそこの公園ですね」

ちなみに、あそこの公園とは、曳山博物館北側、観光情報センターになっている四居家の裏に整備されたポケットパークのことであります。

「あそこに水なんか湧いてましたっけ?」「湧いたるがな。あんた、知らんのぉ?」と不満顔の老紳士。「えぇ、めったに行かないもんですから」。いや、正確に言うと曳山博物館のワークルームに浄瑠璃の稽古に行く際に必ず脇を通るんですが、公園自体をしげしげと眺めたことが無いんです。

「飲水コーナーになってるんですか?」「無ってないで聞いてるんやがな」。なるほど、それは一理ありますな。「そうですかぁ。ちょっと私ではわかりかねますわ~」。「ほうか、おおきに」と不満そうに立ち去っていかれました。

「お役に立てず申し訳ありません」と見送ったものの、一体何を指しておっしゃっていたのかが気になりますので、現場を見に行くことにいたしました。

芝生の養生中で一部立入禁止

おぉ、これかぁ!

いや、これ以外には考えられません。あのおじいさん、これのことをおっしゃっていたに違いありません。確かに水が湧いております。

さらに、この部分

微妙に自然湧水のようにきれいそうな水が噴き出ているではありませんか。「飲料水」とも「この水飲めません」とも書いてありません。まあ、近頃はお茶も水もお金を出して買う時代になりましたからね。

できれば、迷う世代の方のために飲めるんか、飲めんのか表示をして下さればありがたいのですが。とっても無粋ではありますけんど。

みょうがない

テーマ:言葉・漢字
以前亀仙人さんが、ラーメン屋で若い男の子が「しょうがとみょうがを間違えて」話していたことを書いておられました。生姜も茗荷もショウガ科の多年草なんで間違えてもしょうがないことなんでしょうか。

そうそう、生姜がない時に「しょうがない」などとダジャレを言うことありませんか?いやあるに違いありません。しかし茗荷がなくても「みょうがない」とは言いませんわな。

ところが「野崎村」という芝居の浄瑠璃の中で、お光という娘が「♪アァアア みょうがないことおっしゃります」と言うのを発見いたしました。

あるやん、「みょうがない」が。辞書で調べますと、「冥加無し」という詞が出てまいりました。二つ意味が書いてありまして、一つは「神仏の冥加(ご加護)を受けられない。神仏に見放されている」。これはまさに「冥加が無い」ということ。

で、もう一つは「かたじけない。もったいない」で、前者とはむしろ逆で冥加に余るという意味。こちらは「冥加なり」を強めた言い方が「冥加ない」に変化したようです。まぎらわしいですね。

野崎村の浄瑠璃の方は前後の文脈から見て、後者の「もったいない」の意味の方だと推測されるのですが、いずれにせよ茗荷は食べ過ぎると物忘れをするという俗説がありますよね。ここから、「おろかな人」を茗荷と呼んだそうな。

辞書にはその用例として、柳多留の中の「大門を這入る茗荷に出る生姜」という句が書かれていました。「茗荷」が「おろかな人」なら、「生姜」の方は根茎の形が握った手に似ているところから、「けちな人」を指したそうです。

大門というのはお寺の門でしょうから、お寺に出入りするのはケチとボケばかり、ってことなんでしょうか。全く「みょうがない」句ですな。

兼好診断(12)くしゃみ

テーマ:よもやま話
この頃健診ネタが多いようですが、このブログもほぼ2年ぶりの兼好診断です。最近、なぜかくしゃみが頻発。花粉症の季節でもないし、風邪でもないのに理由がようわからん。ホンマの健康診断した方がいいのでしょうか?

これまた、ほぼ2年前に「おやじ行動パターン」というタイトルで書いた時、おやじ行動の一つに「くしゃみをしながらストレスを発散させる」というのがありましたが、中世においてはくしゃみをするとストレス発散どころか、魂が抜けて寿命が縮まると信じられていたようです。

徒然草 第四十七段

或人、清水へ参りけるに、老いたる尼の行き連れたりけるが、道すがら「くさめくさめ」と言ひもて行きければ、「尼御前、何事をかくはのたまふぞ」と問ひけれども、応へもせず、なほ言ひ止まざりけるを、度々問はれて、うち腹立てて、「やゝ。鼻ひたる時、かくまじなはねば死ぬるなりと申せば、養君の比叡山に児にておはしますが、たゞ今もや鼻ひ給はんと思へば、かく申すぞかし」と言ひけり。有り難き志なりけんかし。(*鼻ひたる:くしゃみをする)


この文章に出てくる老いた尼さん、自分が育て今は比叡山にいる稚児さんが、今すぐにもくしゃみをするのではないかと心配で、「くさめくさめ」とまじないを唱え続けていたわけですね。

この「くさめ」という呪文が「くしゃみ」の語源だそうですが、英語でも誰かがくしゃみをすると「Bless you!(祝福あれ)」などと言うように類似の習慣は海外でも多く見られる、とwikipediaにも書かれていました。

それにしても何で歳取るにつれてくしゃみが大きくなるんだろうと、不思議に思うと同時に自己嫌悪に陥りそうになるのですが、くしゃみというのは、むしろ小さくまとめるのに力がいるみたいですね。歳を取るにつれてくしゃみを抑える腹筋が衰えてくるため抑えきれなくなるというわけ。

人にうわさ話をされるとくしゃみが出るともよく言われますが、「一に褒められ、二にふられ、三に惚れられ、四に風邪」というそうです。おでのはやっぱり、風邪かなぁ。

亀裂歯症候群

テーマ:よもやま話
昨日は歯医者さんへ歯石除去等のメンテナンスに行く日だったのですが、先立って「その日は担当の歯科衛生士さんが都合が悪くなったので」という電話が入り、次の受診は9月になりますと。

普段なら、まあええか、ってことになるんですが、ここ2週間ばかり肩凝りから来るのか左の下の奥歯と右の上の奥歯が物を噛むと痛むようになって来ており、それを相談しようと思っていたことを告げると、「午前中ならちょうど先生の時間が空いてます」とのこと。

で、メンテナンスの代わりにお医者さんの診察を受けることに。症状を述べ奥歯を顕微鏡で点検してもらいます。「う~ん、これは破折の可能性もありますねぇ」。

「油甚さんの歯はとても歯質が良くて虫歯も無いんですが、そういう方に限って歯にヒビが入ることがあるんですよ」。「実は私、それで30代に上の奥歯を2本無くしました」と自らのおぞましい経験を語ります(「破折の衝撃」2008/10/09)と、「そうでしたかぁ、それはショックですよねえ」と先生。

亀裂がある場合にわかる試薬を塗ってもらいますと、「あぁ、やっぱり少~し入ってますねえ」。「これって予防法とかあるんですか?」「これはcracked tooth syndrom(亀裂歯症候群)と言いまして、原因もわからないし確たる治療法も無いんですよ」「てっ!(花子とアン風)」

「とりあえず、噛み合わせの部分を少し削って咬合調整をしましょう」、と該当部の歯を0.数ミリ削ってもらう。「あとは寝る時にマウスピースをするとかなんですが、結構鬱陶しいですよ」ということで、今回はこれで様子を見ることにする。

「芸能人は歯が命」というCMがありましたけど、松竹歌舞伎竹本の葵太夫さんのツイッターを見ていたら、「義太夫の太夫にとって歯は楽器のようなもの」とあり、葵さんも歯のメンテナンスには気を使っておられるらしい。

さらに、「今月引退された7住大夫師に昔お稽古頂いた時、『綱はん(8綱大夫師)に稽古してもうてたらな、欣一つぁん!あんた奥から何本目の歯ぁが無いな!』と言われたとお話しくださった。それが語りに影響するのだ…と達人級の話である。成れる成れぬは別にして、歯は大切にせねば!」と書いてあった。禿同!

気軽、津軽、会いたがる

テーマ:よもやま話
昨日の昼前、胡麻油の瓶詰めをしておりましたら、表をぞろぞろと歩く一団から、「油甚さん、こんにちわ~」の声。パッとそちらを見ますと何と市長さん。

隣には背の高い白髪の筋骨隆々の年齢不詳の男性が。「あの゛~、今日は三浦雄一郎さんに来て頂いて、午後2時から文芸会館で講演会。油甚さんもよかったらぜひ聞きにいらして下さいな」と気軽に声を掛けて下さる市長さん。

そうか、この方が三浦雄一郎さんかぁ。そう言えば、随分前に回覧かなんかで講演会の案内見たような。「はい、ありがとうございます」と言うてはみたものの、日曜日の昼間に長時間店空けられへんし。

そして2時からというと、ちょうど下駄やのおばさんの津軽三味線の演奏会がありますやん。ちはるさん一家もそれを目当てにご来街下さったようで、その前に当店にもお立ち寄り下さいました。

ゲッティさんところの真向かいで今は空き家になっている旧仏具店さんが演奏会場。「下駄やのおばさんはどの人ですかいな?」と聞きますと「奥から2人めやわ」。店内が暗いのと柱で隠れてようわからん。ちはるさんの旦那さんが家族と離れて、下駄やのおばさんの真ん前に陣取っておられるのはよう見えました。

当イベント主催者である表参道商店街のO理事長さんが「写真撮るんやったらこっちからどうぞ」とご案内下さったのが関係者専用口。よしよし、ここからなら下駄やのおばさんの姿がよう見えます。
よっ、日本一!
「ゲッティさんも写真撮ってこなあきませんがな」「いや、オレはいいよ」「あきませんて。『あなた、私の写真は!?』って言われまっせ。私が店番してますさかい、どうぞ」と促します。半時間あまりの演奏でしたが、聴衆も多く拍手喝采で終了いたしました。

さて夕刻、三浦雄一郎さんが来られたことを母に伝えましたら、「あれあれ、私も店に居たらよかったなあ。」「何で?会いたかったん?」「ほうよ。あの人私と同い年やで握手くらいしてくれやったやろが」。そうかぁ、同い年かよ~。三浦さん、いくらなんでも90歳には見えませんわ。

回文: ある意味すごい御髪三浦
読み: aruimi sugoi ogusi miura
髪もふさふさ
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