最後はトリ
テーマ:旅日記
2014/06/25 09:29
前もって送られてきた今回の旅行の日程表。夕食を博多でってことはわかっていたんだけど、いざ見てみたら「水炊き長野」って書いたる。水炊き?それってひょっとして....と思い、ネットで調べてみたら、ゲゲゲ鶏の水炊きじゃん。しかもそれオンリーの有名店やん。
福岡出身の妻にそれを言ったら、「あ~ぁ、大丈夫ぅ?食べられるんかいな?」。「どうかなぁ~。けど一流店やし意外と食べられるかもしれん」「それに、水炊きだけでなく、お刺身とか他のものも出るだろうしね」。そんな会話を思い出しながら
くぐる名店の暖簾
ここを選んだ幹事さん、私が鶏が苦手なことをそれとなく気づいていたようですが、まあそんなこと言い出したら、誰でも多かれ少なかれ好き嫌いはありますからね。それに、今回ひょっとしたら実は自分が食べず嫌いだったことに気付かされることを少し期待するところもあったんです。
あらかじめテーブル上に置かれた鍋には
ごろごろっと骨付きの鶏肉の塊が
これに火を着けられ煮え立つまでにまず仲居さんが持ってきたのはハム。「はい、これがスモークチキンになります」。ゲ!いきなりチキンかよ。見た目、普通のハムなんですがチキンと言われただけで身構えます。まあ、2枚は食べられました。結果的にはこれが一番穏当な食べ物だったんですが....。
続いては、付き出しの「酢モツ」。いわゆるモツに酢がかけられて生姜が乗ってるんですが、一口食べまして、「うっ!トリやわ」。そりゃ鶏モツですんで当たり前なんですが、もう箸が進みません。
そのうちに、鍋がが煮えたぎって参りますと、仲居さんたらオタマでスープを掬い、陶器のコップのようなものに注ぎ、「スープでございます」。私は最初、チキンラーメンのスープみたいな味を想像したのですが、ところがどっこいすっとこどっこい、これまた「the TORI」。すなわち、鶏の臭い、味しかせんのです。
そうか、水炊きってのは昆布も入れず、ひたすら鶏ガラだけの出汁なのね。ってことで、いよいよメインの鶏肉。できるだけ小っちゃいのを選ぶのですが、どれも負けず劣らず肉厚でプヨプヨ。ひょっとしたら、濃厚な肉の甘みがジュワッと出てくるのではないかという牢獄の中の官兵衛の期待よろしく一口。
「うわっ!ダメだこりゃ」。何と鶏らしいトリだこと。唐揚げや焼き鳥を美味しいと言って食べる方の気持ちは私理解できますし、自分もそう思いながら一口、二口食べることは可能です。しかし、この水炊きはどうだ。これを美味いと言って食べられる人の心、いや舌が理解できな~い。
そう思えば思うほど、舌は肉片を口の中の片隅へと追いやります。人間って好きな物は舌の美味しく感じる所で噛んで味わい、嫌いな物は不味く感じる部位で味わうらしいですね。従って嫌いな物はますます不味く感じるようです。まさにこの時の私がそれ。それをよそ目に旨い美味いと私の百倍くらい肉を貪る周りの皆さん。
今度はミンチ状にしたいわゆるつくねが団子型にまとめられ鍋にちぎり入れられていきます。おっ!つくねかぁ。これはいけるかも。山芋で繋いでちょっとニンニクや生姜と混ぜたの美味しいですよね。と思いながら一口。うっ!これもおんなじトリの味しかせん。ホンマに鶏の味しかせんやん。どんだけ肉の味に自信持ってんねん。
結局、その後出てきた野菜と豆腐と麸、そして締めの雑炊によってかろうじて我が胃の腑は落ち着きを取り戻したものの、やっぱり「最後はトリ」。いや、トリはこれで最後といたしたく思った九州の旅でございました。
福岡出身の妻にそれを言ったら、「あ~ぁ、大丈夫ぅ?食べられるんかいな?」。「どうかなぁ~。けど一流店やし意外と食べられるかもしれん」「それに、水炊きだけでなく、お刺身とか他のものも出るだろうしね」。そんな会話を思い出しながら
くぐる名店の暖簾
ここを選んだ幹事さん、私が鶏が苦手なことをそれとなく気づいていたようですが、まあそんなこと言い出したら、誰でも多かれ少なかれ好き嫌いはありますからね。それに、今回ひょっとしたら実は自分が食べず嫌いだったことに気付かされることを少し期待するところもあったんです。
あらかじめテーブル上に置かれた鍋には
ごろごろっと骨付きの鶏肉の塊が
これに火を着けられ煮え立つまでにまず仲居さんが持ってきたのはハム。「はい、これがスモークチキンになります」。ゲ!いきなりチキンかよ。見た目、普通のハムなんですがチキンと言われただけで身構えます。まあ、2枚は食べられました。結果的にはこれが一番穏当な食べ物だったんですが....。
続いては、付き出しの「酢モツ」。いわゆるモツに酢がかけられて生姜が乗ってるんですが、一口食べまして、「うっ!トリやわ」。そりゃ鶏モツですんで当たり前なんですが、もう箸が進みません。
そのうちに、鍋がが煮えたぎって参りますと、仲居さんたらオタマでスープを掬い、陶器のコップのようなものに注ぎ、「スープでございます」。私は最初、チキンラーメンのスープみたいな味を想像したのですが、ところがどっこいすっとこどっこい、これまた「the TORI」。すなわち、鶏の臭い、味しかせんのです。
そうか、水炊きってのは昆布も入れず、ひたすら鶏ガラだけの出汁なのね。ってことで、いよいよメインの鶏肉。できるだけ小っちゃいのを選ぶのですが、どれも負けず劣らず肉厚でプヨプヨ。ひょっとしたら、濃厚な肉の甘みがジュワッと出てくるのではないかという牢獄の中の官兵衛の期待よろしく一口。
「うわっ!ダメだこりゃ」。何と鶏らしいトリだこと。唐揚げや焼き鳥を美味しいと言って食べる方の気持ちは私理解できますし、自分もそう思いながら一口、二口食べることは可能です。しかし、この水炊きはどうだ。これを美味いと言って食べられる人の心、いや舌が理解できな~い。
そう思えば思うほど、舌は肉片を口の中の片隅へと追いやります。人間って好きな物は舌の美味しく感じる所で噛んで味わい、嫌いな物は不味く感じる部位で味わうらしいですね。従って嫌いな物はますます不味く感じるようです。まさにこの時の私がそれ。それをよそ目に旨い美味いと私の百倍くらい肉を貪る周りの皆さん。
今度はミンチ状にしたいわゆるつくねが団子型にまとめられ鍋にちぎり入れられていきます。おっ!つくねかぁ。これはいけるかも。山芋で繋いでちょっとニンニクや生姜と混ぜたの美味しいですよね。と思いながら一口。うっ!これもおんなじトリの味しかせん。ホンマに鶏の味しかせんやん。どんだけ肉の味に自信持ってんねん。
結局、その後出てきた野菜と豆腐と麸、そして締めの雑炊によってかろうじて我が胃の腑は落ち着きを取り戻したものの、やっぱり「最後はトリ」。いや、トリはこれで最後といたしたく思った九州の旅でございました。