武雄市図書館

テーマ:旅日記
さて次なる目的地は「武雄市図書館」。個人的には今回の旅のメインスポット。事前に教育委員会を通じて先方の行政に視察対応をお願いした結果、武雄市教委文化・学習課の主任さんから概要説明と館内案内をしていただくことができました。

武雄市図書館は樋渡市長の肝いりで「代官山蔦屋書店」をモデルに作られた全く新しいコンセプトの公共図書館で、企画・運営は指定管理者であるCCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ;蔦屋の運営会社)によって行われています。

これまでの図書館と何が違うのか?説明によれば
1.すべて開架の20万冊蔵書 →古い本は高いところに置いてスタッフが脚立で取出し
2.600種類の雑誌販売 →貸出は行わないが座席での閲覧は可能
3.映画・音楽の充実 →CD3万枚、 DVD5万枚
4.i-padによる検索サービス →固定13台、貸出17台
5.スターバックスの出店 →平均客単価850円、横浜店に匹敵する売上で好調
6.Tカードが図書館カードに(選択制) →利用者の93%が選択。セルフレジ(自動貸出機)利用にはTポイントがつき、省力化に貢献(8割が利用)
7.365日、朝9時から夜9時までの開館

等々ですが、新刊本も販売用に数冊置かれ、これらも館内であれば自由に読め、また館内で飲み物も自由。販売本の損傷が気になったのですが、返本は無料(本自体のコストは低)とのこと。

指定管理料は5年契約で1.1億/年。直営時代の運営費1.2億より安く図書購入費の予算を増やすことができた。スターバックス、レンタルビデオなどの営利部分は施設の目的外使用部分として蔦屋側から家賃を払ってもらう(年間600万)。

600万という額は賃貸料としては相場の半額で、蔦屋側の採算維持に寄与するとともに、市側は図書購入費に充てるなどのメリットがあるという。

この図書館新設かと思いましたら、建物は平成12年に建設されたものを、平成24年に8億円をかけて大改装(市側:4.5億円、蔦屋側:3.5億円)したんですね。この結果、来館者は92万/年と3.6倍に。ちなみに貸出利用者は16万で貸出図書数が54万冊。(武雄市の人口は5万人、商圏人口20万人)

視察目的での来訪者も多く、地元経済への波及効果は諸々で20億円と推定。この日も平日ながら駐車場は満杯で若者の姿が目立ちました。図書館というよりトレンディスポットとして注目を浴び、博多あたりからも若者が来ているのではないかと職員さんは話しておられました。

CCC図書館カンパニーは全国100店舗を目指しているそうで、神奈川県海老名市、宮城県多賀城市、山口県徳山市などで導入が決定・具体化しているようです。

市役所跡地に中央図書館建設計画が発表された長浜市。公共図書館のあるべき姿論からすると言下に否定されそうな気もしますが、批判サイトに記されているような問題点も十分に勘案しながら、選択肢の一つとして検討、少なくとも議論はしてみてもいいのではないでしょうか。

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