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三島といばり

テーマ:よもやま話
近年、村上春樹氏が毎年ノーベル文学賞候補として挙がっておりますが、日本の作家で同賞を受賞したのは川端康成と大江健三郎のわずか二人。今年の正月には三島由紀夫もその候補に挙がっていたことが報道されました。

三島は川端の受賞によって事実上自らにその栄誉がもたされることが無くなったことを嘆き、それもまた自殺の一因であったという噂もありますが、三島については小説のプロットよりも比喩などの表現技法や使用される語彙の豊富さに驚愕するばかりです。

以前「春の海」という作品を読んだ時に、意味のはっきりしない聞いたこともない語句を書き上げてみたのですが、以下の通り。読み方すらままならないですね。

豪宕 倨傲 犀利 口迅 婆娑たる 点綴 折花攀柳 放恣 
昧爽 顕証 犇く 炳乎 遠出の玉がつく 朔風 嫣然 頤使 
徒爾 膂力 翹望 灝気

また「絹と明察」という小説の中で、放尿の描写が出てくるのですが情景が頭に浮かんできて思わずメモしてしまいました。

「雨の音が琺瑯引を伝わるいばりの音に混じる。いばりは徐々に細まって、力のない点滴のあとに止んだ」。これも知らなかったのですが、「いばり」というのは「尿」のことなんですね。

「いばり」を辞書で引きますと、「ゆばり」の音変化と書いてありますので、今度は「ゆばり」を見ますと何と「ゆまり」の音変化とあるではありませんか。

次いで「ゆまり」へと辞書サーフィンして行きますと、おぉ語源が書いてありました。「ゆ」は湯、「まり」は排泄する意の動詞「放る(まる)」の連用形の名詞化、と。なるほどぉ「ゆまり」→「ゆばり」→「いばり」と変化していったんですね。

年齢が上がるに従って、勢いもキレも無くなって参りまして、それこそ力のない点滴を「こぼさんといて!」と叱られる始末ですが、たまには、うるさい!と思い切り「いばりちらしたい」ものです。

上草野小のコメンスメント

テーマ:まちづくり
昨日は小学校の卒業式。教育委員(もしくは教育委員会事務局員)は原則的に中学校の卒業式で告辞を読むのですが、小学校に関しては今年で校長先生が退職される場合には卒業式に出席して祝辞を読むことが慣例になっているようです。

今年は実に9人の校長先生が退職されるということで、私もそのうちの1校である上草野小学校の卒業席に参列させていただきました。同校は今年度で140年の歴史を閉じ、4月からは下草野小と統合、浅井小として新しく生まれ変わります。

通常は事務局でお作りいただいた原案を若干手直しした祝辞を読み上げるのですが、今回は上記の事情も加味して拙文ながら自分で文章を考えてみることにいたしました。

幸い先日学校訪問によせて頂いたところですので、その時に6年生が授業で習っていた谷川駿太郎さんの詩から始めることにしました。そうそう、この間ブログに書いた「つかの間」ネタも使いながら。

そして、英語で卒業式は「終わり」ではなく「始まり」を意味する「コメンスメント」と言うんだと申し上げたのですが、これは卒業生が新たなステージに向かう出発であるとともに、同校自体が長い歴史を閉じることを悲しむのではなく、新しい歴史のスタートを決意するセレモニーであってほしいという気持ちをこめたつもりです。

八木校長先生は「各界で活躍し上草野の名を世界に知らしめてほしい」と祝辞を述べられましたが、確かに「御国の明日を担いたる 誇りも高く一筋に 行く手はるかに望みつつ 使命に励む学び舎ぞ」という格調高き校歌の一節さながらに、この地は元代議士の草野一郎平氏をはじめ多くの人材を輩出しておられますよね。

当地はその昔「草野庄」と呼ばれた荘園で、平治の乱に際して野瀬の大吉村に源義朝をかくまった草野定康に義朝がその所領を安堵したことが「吾妻鏡」にも記載されているほどの由緒ある土地でもあるそうです。(日本歴史地名体系/平凡社より)

浅井小という名で新生はされますが、卒業生、在校生の皆さん、どうか草野の地に生まれ育ったことを誇りに思い、今年退職される校長先生のおっしゃった願いをかなえるべく歩んでいって下さい。

走って歩く

テーマ:言葉・漢字
昨日の「ふざける」に続いて、母がよく使う言い回しで「走って歩く」というのがあります。例えば「あの人ら元気やさかい、あっちこっち走って歩いてやあるがな」みたいに。「走って歩く」ってどうよ。走るんか歩くんかどっちやねん。

まあ、意味が分からんわけではないんです。「走って回る」ということでしょうし、実際辞書で「歩く」を引きますと、「あちこち動き回る。移動する。必ずしも徒歩と限らず、乗り物などで外出する場合にもいう」と書いてあり、「得意先を歩く」や「世界を股にかけて歩く」という用例が示されています。

ちなみに「走って歩く」で検索しますと、北海道方言として出て来るのですが、母は北海道とは全く無縁。いつぞや、カシオペアか何だかに乗せてもらって函館に行ったことがあるくらいでしょうか。

ところが先日、かかりつけ医のところに薬の処方を依頼に行き待合室で待っておりましたら、隣でお年寄り同士が世間話をしておられまして、片方のおばあちゃんもこの「走って歩く」を使っていなさる。

ほう、こりゃどうも、北海道のみならずこの辺りでも一般的なのかもしれませんな。何?それもうちらは使わんわ、てか。まあ、ほんならこれも甚語辞典に載せとこか。

ふざけるて言わんか?

テーマ:言葉・漢字
突然ですが、皆さん「水(などの液体)に漬けておく」という意味で「ふざける」っておっしゃいませんか?私、これ普通に使われる言葉、いや少なくともこの辺りの方言だと思っていたのですが...。

ある時、何気なくネットで「ふざける」で検索してみたところ、「冗談を言ったりする」とか「バカにしたようなふるまいをする」という意味以外には出て来ませんで、「ふざける 方言」あるいは「浸す 方言」で検索しても出てまいりません。

あれ?これって自分の思い過ごしだったんやろか、と自分の記憶から消そうかと決意し始めていた頃、夕食時に母が「漬けておく」という意味で「ふざける」を使ったのに気付き、「ほやな~、やっぱりそういう使い方するよねぇ、ふざけるって」

でも母は冷たく、「私もなあ、ここに嫁に来るまではそんな言い方せんかったで」と。妻に「自分もそんな言い方知らんかったよね?」と聞くと、「あれ~、私も別にその使い方に違和感感じないんやけど、ここに来るまでは使ってなかったんかなぁ。やっぱり言うとすれば単に『漬ける』かなぁ?」と。

「二人ともが知らんかったってことは、その前のお祖母ちゃんが使ってたんかな?」と私が言うと、「ほうや、ほうや、ほら木之本(祖母の里)の言葉に違いないわ」と母。どうなんでしょう?木之本では使うんでしょうか、ふざけるを?

息子も「え~?ふざけるって言わんの?」と怪訝そうに自分なりにネットで色々と調べ始めました。そして、しばらくして、「漬けるって意味で『ひやかす』という方言があるわ。ここから来てるんとちゃうか?」

「え、どういうことよ?」と聞きますと、「ひやかす」も「ふざける」も人をバカにしたような意味やんか、と。なるほどね~。バカにするのもええ加減にしろよと言いたくなりますが、しかし、この言葉、我が家だけにしか通じない超方言なのか、もしかして?

週末の食卓(89)

テーマ:週末の食卓
(その1)
晩御飯の時に黒い毛糸の帽子をかぶって登場の母

妻: どうしたんですか、お母さん?

母: 今日髪の毛切ってもろたんやけど、えらい短く切らったもんで(刈上げ女子風)

息子: 寒いっちゅうわけやな

(その後、何やかんやと会話をしていて)

母: なんや、おまんらのしゃべってること全然わからんわ

妻: 帽子が耳にかぶってるからじゃないですか?

(おもむろに、耳の部分を出す母)

妻: あら、可愛い~ぃ

私: ほんまやぁ、七人の小人みたいやん

一同: 似てるぅ~(笑)

母: ほらな、私は小人やさかいな、ホンマに小人やもん




(その2)
春休みで帰省中の息子。就活で大阪に行くも帰りが遅い。

妻:えらい遅かったわねぇ

息子: そうなんよぉ。京都で間違えて湖西線に乗ってもたんよぉ

私: あ~ぁ、やってもたなあ。わかったぁ、「ながはら行き」を「ながはま行き」と聞き間違えたんやろぉ?

息子: いや違う

私: じゃあ、「永原行き」を「米原行き」と読み間違えたんやろ

息子: 違う。湖西線も琵琶湖線もどっちも敦賀行きやったんやあ。


直流化北進、百害あって一利なし

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