テーマ:よもやま話
昨日、唾液の話をいたしましたが、唾液とよく似たもの、と言うか同じもんなんですが、「涎(よだれ)」というものがございます。辞書には「口の外に流れ出る唾液」と定義されております。

この「流れ出る」というのがポイントなんでしょうね。同じ口の外に出るものでも、細かく飛び散る飛沫や切れのいいものは「ツバ」と称され別物に分類されますよね。あと、「よだれ」にはどうしても臭いが伴いますな。

「涎」という漢字がまた感じをよう表しております。「氵+延」ですからね。「延」は「足あとを長く引いた姿」を表すんだそうです。だらりとした水ですからね、そのまんまです。

ちなみに英語で「よだれをたれる」ことを「drool(ドゥルール)」というそうですが、これなんかも聴覚的にはよだれが垂れた様子をよく現しているように思います。

歌舞伎「菅原伝授手習鑑 寺子屋の場」には「よだれくり」という役が出てまいります。「よだれくり」とは「よだれをたらしている人」という意味なんですが、よだれは「たれる」だけでなく「くる」とも言うんですね。これは「繰る」で「垂らしたものをすすりあげる」ってことなんでしょうかね。

夜に垂れるから「夜垂れ」→「よだれ」なのかとも思ったんですが、睡眠中に垂れるよだれは口呼吸をしているから出るわけで、体には良くないらしいですね。しかし、枕に付着したよだれ、あれは何であんなに臭いんでしょうか?

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