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瓶詰めの男

テーマ:油甚本店
昨日は、番頭さんのお休みと事務員さんの親戚のご不幸が重なりまして、私が店番。大学も決まって暇にしている息子に「バイトするか?」と声をかけましたら、やってみるとのことですので、胡麻油の瓶詰めをさせることにいたしました。

この作業は、まず量り売り用の油壺の中から、柄杓で胡麻油を掬いまして、漏斗を通して瓶に流し入れます。それが終わりますと、今度は打栓。打栓器などというものはございませんで、土間と上がり框の高低差を利用し、木片を使って梃子の応用で打栓いたします。

さらに、瓶の裏面に商品仕様ラベルを糊付け賞味期限を押印、表面には「胡麻油」のレッテルを糊付け。そして、蓋の部分の化粧にカッパ巻き。最後に白いハトロン紙で包装。

この内の、最後の包装以外の過程を息子にやらせてみました。油の瓶詰めは漏斗が動いたり、量の調節も慣れるまではなかなかうまく行かず、肩が凝ったことだと思います。打栓や糊付けは問題なくこなしましたが、問題は「カッパ巻き」。

この作業、ゆうこりんさんやままさんはよくご存知だと思いますが、格好良く巻きつけるのはなかなか至難の業で熟練、と言うより手先の器用さを要します。事務員さんもこれだけは苦手で、普段でもこの作業だけは私の専任作業となっています。

それでも、何とか半分弱15本くらいは息子が巻きました。やや不細工ですが、味に変わりはないのでこらいて下さい。通常の倍くらいの時間はかかりましたけど、何とか完成。ちなみにバイト料はおばあちゃんが志願してお支払い下さいましたわ。

ホントは、写真付で作業解説したいところですが、まあ今日は
手本を見せる
瓶詰めの男
これだけで勘弁しといて下さい。しかし、誰やらさんとは違って全く絵になりませんな。

応援させてむらいまっせ

テーマ:まちづくり
大地震発生の日の夜、地震報道に釘付けになっていた折、電話の呼び出し音が。誰や一体?親戚がだれか地震の被害にでも?と受話器を取りますと、「こんばんわ、浅井町のMと申しますが」。その声は紛れもなく、中学校時代の恩師、M先生

「昼間も電話したんやけどお留守やったようで、忙しいところをすみません。地震のニュースも見てもらわなあかんのやけど、ちょっと折り入ってお願いが」「はいはい、何でしょう?」

「今、市内三会場で江・三姉妹博覧会をやってるんやけど」「はいはい、そうですね」「その浅井会場とは別に、浅井歴史民俗資料館でも宝くじの助成金もらって全面改装して展示やってるわけ」「あ~ん、ZTV見ましたわ、先生映ってやありましたやん」「見たんかぁ。あれ見るとげっそりするんや」

それはともかく、先生曰く、「せっかく改装して頑張ってるのにHPくらい作らなあかんと上部組織の長浜城博物館に訴えかけてきて、やっとできたと思ったら改装前の写真と内容ばっかりで話にならん。こうなりゃ、自分で作らなしゃあないと、作ってみたんやが、

何せHPとブログの違いもようわからんしぃ」。何が違うの?とは聞かれませんでしたけど、「あぁ、ブログ時々読ませてもろてますわ。非難江江やったかいな。あれは、それだけ田渕さんの想像力が凄い、っていう見方をせなあかんわな。女性ならではの視点とかな。それから、スカイツリーも2回行ったんやでえ」

で、つまり先生、どうさしてもろたらよろしいのん?結局、HPを作ったものの現状では検索エンジンにひっかからないので、とにかく何回もそのページをクリックして、サイトが独り立ちできるように協力してほしいとのことでありました。

早速、見せていただきましたけど、なかなかの力作です。もう70歳くらいですよね、先生。よう作らはりましたわ、独力で。「まあ、年寄りが頑張ってるところを見てほしい、っていうか自慢半分やな」「なるほど、なるほど」

「あ、そうそう、3会場あるけど、まちなかの50作館の評判悪いぞ。入ったと思ったらすぐ終わってまうって」「すんません。浅井資料館はドラマ館以上に充実してるって評判ですよ。やっぱり本物ですねえ」とゴリゴリ。

ちなみに、皆さんも「浅井歴史民俗資料館」のサイト、ぜひご覧になって下さいね。そして、是非足もお運びいただきたく存じます。私もまだ行ってないんで偉そうなことは言えませんのやけど、大河ドラマ館以上にドラマチック、なM展示説明員、これだけでも十分に価値はあると思いますよ。

GAP

テーマ:よもやま話
いつの何新聞だったかは珍しく忘れてしまいましたが、最近読んだ記事の中に「ロゴ変更の失敗」というのがあって、その一つとしてGAPのそれが紹介されておりました。

GAPというのは、ご存知の方も多いと思いますがアメリカ最大の衣料小売店で、日本で言いますと「ユニクロ」みたいなもので、日本でも何店か支店がある人気ブランドです。

で、昨年の10月に、上記右のような新ロゴを発表したわけですが、従来のイメージとあまりに差があるため苦情が殺到し、わずか1週間で新ロゴ採用を撤回したそうです。まさに会社の戦略と顧客のイメージに埋めることのできないギャップ(GAP)があったというわけです。

昨日の日曜日は、例によって店番。大震災発生後3日目ですが、新聞のTV欄は地震関連報道の文字以外は空白の目立つ非常事態。朝から流れる被害状況、安否情報、政府発表、等々まさに日本国緊急事態宣言です。

しか~し、当地長浜は江・三姉妹博開催と好天も相俟って、いつもの週末と変わらぬ観光客が訪れて下さっております。こちらから地震の話題を持ちかけますと「ホント怖ろしいですよね~」となりますが、そうでなければ、珍しい光景に立ち止まったり、奇声を発したりと非日常を楽しむ、普段の観光客の姿。

そうそう、こうやって日常どおりの生活を送れるものは送って、同時に被災地のためにできる人的、物的、金銭的協力を惜しまない。一億総服喪したところで被災者が皆救われるわけでもない。理屈でそう自らを納得させようとするんだれけど、道行く観光客とそれに相手する自らの姿とTVの向こうの人たちの世界とのGAP。

しかし、このGAP、復興支援の名のもとに必ず埋めて行かなければならないものです。被災地沿岸から出荷された海産物が昨日長浜の市場に届いたそうです。しかし、それらはこの先いつまた再び出荷できるるかは全くわからないのです。

もう少し、災害の全容が見え初めてから、今こうして普段の生活とTVの向こうの世界に感じていたGAPを埋める生活が始めるはずです。それは物の不足か物価の高騰か、はたまた大増税なのかわかりませんが、痛みを平等に分かちあう覚悟が必要となるはずです。

温故知新

テーマ:言葉・漢字
「温故知新」。よく見たり、聞いたりする言葉です。座右の銘としてもかなり上位に来る言葉ではないでしょうか。私は漢語に詳しいわけでもなんでもないのですが、ものの本によれば、論語「為政第二」の原文は

「子曰、温故而知新、可以為師矣」(子曰ク、故キヲ温ネテ新シキヲ知ル、以テ師ト為ルベシ)で、「古い歴史的事実をしっかり修得して新しい時代に対処しなさい、そうすれば新しい事もすべて正しく理解できる、それでこそ人の師になれる」というような意味なんだそうです。

さて、温故知新の「故」も「知」も「新」も意味はなるほどとわかるのですが、何で「温」が「たずねる」なんだ?と思ったことありません?実際「古きをタズネテ」じゃなくて「古きをアタタメテ」という言い方もあるようですが、とにかく何で「温」なんでしょうね?

「大人の見識」(阿川弘之/新潮新書)という本を読んでいたら、最後のところで筆者がこのことに触れておられました。「温」という字は稀に「尋」の字と同じに使われて「タズネル」と訓む場合があるそうですが、なぜ論語で「尋」を使わずに「温」としたのか?

「古キヲタズネル」んだけれど、ただ尋ねるのではなく「あたためたずねる」んだよと孔子は言いたかったらしい、というのです。吉川幸次郎氏の「論語」には次のような解説が出てくるそうです。

「温とは、肉をとろ火でたきつめて、スープをつくること。歴史に習熟し、そこから煮つめたスープのような知恵を獲得する。その知恵で以て新シキヲ知ル」ということなんだそうです。いい味のスープを取ろうと思ったら、強火でやっちゃいけない。歴史を学ぶのもにわか勉強で手早く片付けようとしては駄目だ」

孔子はそう言いたくて「温」の字を使ったというのです。それにしても今回の巨大地震、どんなに周到な「温故知新」を以ってしても対処することができなかったような現象ではないでしょうか。炉心過熱による福島第一原発の事故、後世の「温故知新」に資するよう最小限の被害に抑えてほしいものです。

あきらめてあきらめず

テーマ:よもやま話
恐ろしいことになりました。天変地異とはこのこと。阪神大震災の時も日に日に死傷者が増え、被害の深刻さが赤裸々に抉り出される毎日でしたが、今回はそれすらも上回る被害ではないでしょうか。見たこともない津波の被害。映画なのか現実なのか自分の中で消化し切れない映像が次々とTV画面に。

その瞬間、皆さんはどこで何をしていらっしゃいましたか?私は、ちょうど散髪の最中。通常は2ヶ月に1回行くのですが、今回は色々とバタバタしていたこともあって、3ヶ月あいだが空いてしまいました。午後2時に予約。雪が降り始めていました。

シャンプーや顔すりを先にやってもらって、いつもの通り店主さんにカットをお願いします。「必至のパッチさんも来てやあるみたいやね」「そうなんですよ。熱烈な阪神ファンなんですよ」とか何とか色々と世間話をいたします。

カットも大方終わった頃になって、何か妙な気分になって参りました。めまいとも貧血とも違うんだけれど、何かふらつくような感じ。あれ、シャンプーで頭に血が上ったんかな?いや、でもなんか揺れているような、と隣の人を見ても平気の平左ですわってる。でもその横で鉢植えの植物がゆらゆらゆら。

何とも言えない奇妙な時間が横たわっていたところに、店長が突然「あれ~、揺れてませんか?」「揺れてるよね~」「やっぱりそうですか、こりゃ地震やわ、おいテレビつけて!」とスタッフに。

やっぱり地震だったことがわかって、それまで静寂を保っていた店内で、各人が口々に「いや、めまいやと思たわ」「私くらくらしておかしなってもたんちゃうかと思ったわ」とか、同じような気分を味わった人たちが一時のやり場のない不安感を吐露。

直下型でずしんとくるような揺れや、ガタガタガタとそれとわかるような小刻みな横揺れは何度か体験しているけど、今回のようなのは初めて。遠距離から極めて大きな波動が伝わるとああいう感じになるんでしょうね。

帰りまして、東京に居る娘や兄の家族の安否を確認。最初はつながらずに不安でしたが、やがてメールが来て娘はちょうど研修中で無事だったものの、交通機関が止まって徒歩で帰宅とのこと。兄の家は留守中だったが食器棚が倒れてガラス類など壊滅状態らしい。それでも東北沿岸部と比べたら序の口なのでしょう。

我国観測史上最大の地震。昨日の夕刊の大見出し「首相に違法献金の疑い」。悪いけど、そんなことで騒いでる暇はなさそうですね。阪神大震災からわずか16年。「天災が忘れぬうちにやって来る」。そんな国に住んでいるんだとあきらめて、しかしあきらめず。
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