へこたれるな

テーマ:言葉・漢字
「男なら、これしきのことでへこたれるな」などとよく言われますが、今回の大震災は「へこたれるな」と言う方がちょっと無理という惨状です。

ところで、先日スタンド勤務の際、三流週刊誌をパラパラとめくっておりましたら、この「へこたれる」の語源について書かれてありました。極めて説得力のある、というか腑に落ちる解説でしたが、この手の雑誌に書かれていることの信憑性には疑問が残ります。

そこで、帰りましてネットの「語源由来辞典」を引いてみますが、「へこたれる」についての解説は無し。「大辞泉」にも「気力がくじけ弱ってしまう。へたばる」と意味が書かれたのみ。「語感の辞典」には「主として会話で使われる、くじける、へたばる、の意の口頭語」とありました。

ある方のブログには、「杉本つとむの『語源海』によれば、これは『ヘコ』+『タレル』で、『ヘコ』は『凹む(へこむ)』つまり弱体する、の意。『タレル』は『垂れる』である」といったことが書かれておりましたが、説得力にも面白みにも欠けます。

もう一つ、九州では「ふんどし」のことを「へこ」と呼び、これが垂れるさまから来たもの、という有力な説があるようですが、これはむしろ隠喩で「へこ(ふんどし)」の中身の元気がないことを指すのではないか、と説く方もいらっしゃるようです。

で、まさにこの説を堂々と主張していたのが件の三流週刊誌。「へこ」とは「へのこ」のことで、つまり男性のそれが垂れて元気がなくなる、ことを意味するというわけです。ちなみに「へのこ」については以前ブログにも書きましたね。

てことで、冒頭の「男なら....」の枕詞が実に説得力のあるものに聞こえてくるわけであります。そして、そう解釈すると女性の「へこたれない」精神力の強さにもうなづけるというものです。垂れるへこがないわけですからね。いやいや、我々日本男児もへこたれずに頑張りませう!

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