いいわけじゃないのよ

テーマ:石油
近江毎夕さんの報道やkenchaanさんのブログにもありましたように、3月に入りましてガソリンなどの石油製品が大幅値上げとなりました。「何でぇ~?そんなん嫌や~」という声が聞こえて参りますが、全く同感であります。

販売業者としても値段が上がって好ましいことは何もありません。儲けが増えるわけでもなく、買い控えから販売数量が落ち込むことが予想されるからです。実際、今回の値上げでセルフサービスでさえ、ガソリンは140円/ℓ台に突入。

前回の原油高の時も経験いたしましたが、ガソリンは140円を超えると消費者の節約志向が顕著に現れて参ります。しか~し、仕入が上がっているのに価格を転嫁せず我慢できるほど、この業界は強固ではないんです。はっきり言って衰弱し切っておりまんにゃわ。

さて、値上げの理由なんですが、ひとえに「原油価格の上昇」です。では、何で原油価格が上昇するのか?急にどこかの国で原油使用量が増えた、あるいは中東諸国が原油の輸出をストップした、という話はなく、現時点での需要と供給バランスによるものではなさそうですね。

WTI、ブレント、あるいはドバイといった用語を耳にされたことがあると思いますが、これらは原油の名称でして、こうした油を売買する先物市場がアメリカ、ヨーロッパ、アジアにあり、原油価格はこうした先物市場での売買価格で上下するわけです。先物ですから現状よりも将来の見込みが価格に反映されるわけですね。

従って、今原油が上がっている一つの大きな要因は、エジプト、リビアなどの混乱した北アフリカ情勢です。これが中東の原油輸出諸国に波及すれば、一気に原油供給不安に結びつきますからね。

もう一つは先物市場の投機性です。一般的にニュースなどでいう「原油価格」といえば、NYMEX(ニューヨークマーカンタイル取引所)で取引されているWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエイト)というテキサス州で産出される硫黄分が少なくガソリンを多く取り出せる高品質な原油のそれを指します。

ところが、この油、実際の生産量は1日あたり100万バレル(ポリ缶で約900万缶分)なのに対し、先物市場での取引量は100倍の1億バレル以上。つまり、本来原油価格変動についてリスクを軽減するためのものであるべきはずのものが完全に金儲けのための場になっているのです。

従って、金融市場、為替市場、穀物市場などに比べて儲かりそうだとわかれば、一気に資金が流入し原油価格は急騰するという仕組みです。特に原油は産地が偏在しているため中東で何か起こりそうとなると、一気に値段が上がり、逆に落ち着けば急落することも考えられます。

それから、皆さん忘れがちですが、現在1ドル80円台の円高ですが、もしこれが90円台、100円台だったら、ガソリン価格はあと10円~20円高くなるわけです。マスコミも円高の効用をもう少し喧伝してほしいですね。

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