響く身体

テーマ:曳山・歌舞伎
「老いてますます盛ん」。いやいや、うちの母の話ではございません。ま、うちの母も90代にしては頭ははっきりしているものの体力的にはかなり衰えて来ましたが、世の中にはすごいお年寄りがいらっしゃるものです。

現在、と言うより開講以来、三役修業塾の講師である桂川千賀龍師匠。御年90ウン歳、うちの母よりもさらに1,2歳年長の女性。月に1回程度名古屋からお越しになって、我々に義太夫や三味線の稽古をつけて下さっております。

「もう私も歳だから」と仰りながらも、とても90代とは思えぬハリのある大きな声で語りの見本を示してくださるので、かねがね感心しながら、この秘訣は一体どこにあるのだろうか、と思っておりました。

先日、稽古が終わった後に師匠と塾生で夕食を兼ねて居酒屋に行ったのですが、その席で師匠曰く、「わしゃ、週に2回、あの器具とか使って体動かすところに通ってるだよ」。「え、それってジムですか?」

で、おもむろに立ち上がって前屈をなさると、あらま何と指先が床に届くどころか手のひらがべったりと畳にくっついているではありませんか。さらに、仰向きになって足先を頭越しに床につけることも可能だとか。

信じられない、という顔で見る10代のS君。真似るように前屈を試みるも、「おいおい、それじゃ体が90度も曲がってないやん」。最高齢の師匠が最も体が柔らかく、最年少のS君が一番硬いとは。

まあ、私も人のことは言えないんですがね。学生の時にはアメフト部で毎日柔軟体操をしており、そこそこ柔らかくなっていたのですが、最近はまた元通りの硬直体に。

体の柔らかさと浄瑠璃に何か関係があるのだろうか?と思ったら、「日頃から身体を緩めて、響く身体を作らないといけない。身体を響かせるコツをつかめば、声は自ずと良くなる。」と書いてあるサイトを見つけました。なるほど、「響く身体」か....。

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