お不動さんだった
テーマ:よもやま話
2015/03/03 09:09
先日、おくどさんが、どうやらびわ町以北で「おふどさん」と呼ばれている所があるようだと書きました。
その時は、旧びわ町の竹生地区、木之本の杉野だけの証言だったのですが、コメントで速水や西浅井でもそう呼ばれていることがわかりました。さらに小谷地区でも「おふどさん」とのこと。これは大変な勢力ではありませんか。
この件について早速みーな編集長のメイさんに相談しにまいりましたら、「う~ん、そういう調査は見たことがないなぁ」と言いながらも、これに何か書いてないやろか、と紹介して下さったのが
滋賀県方言語彙・用例辞典
借りて調べてみますと、まず「オクドサン」は「くど(竈)」とありましたが、「オフド」も「オフドサン」も出てまいりません。諦めかけてフ行を開くと、出た!「フド」が。意味は「くど(竈)」とあり、次のような解説が。
「クドの音韻変化。火中に立つ不動さんのフドーと、混同して語源俗解をおこしたか」とあります。ちなみに、「語源俗解」とは、「学問的手続きを経ない語源の説明。科学的根拠のない誤った語源解釈。民俗語源。民間語源。民衆語源。通俗語源」と辞書にあります。
そうそう、実は前に「おふどさん」で検索したら「お不動さん」が出て来たので、ひょっとして不動明王と何か関係有るのでは?と思ったのですが、そこまでで止まっておりました。しかし、不動明王といえば
このように火炎に包まれてますもんね
おくどさんでは火を使いますから、それが不動明王と結びついて、「おふどさん」と呼ばれるようになったというのはかなり有力な説でありましょう。ちなみに、私のあやふやな記憶ではおくどさんのところに
こんな感じの紙が貼ってあったような
いや私の幻想、希望的観測かもしれませんが、いずれにせよ、おくどさんに「お不動さん」はよく似合うと思います。語源俗解起こしてもやむを得ないのではないでしょうか。
この説を盤石なものにすべく図書館に行きまして文献を探しておりましたら、
こんなものがありました
中を開いてみるとオクドーサンがあって
次ページにこんな解説が
「かまど。へっつい。火の神不動明王より、お不動さんが転化したもの」とあるではありませんか。つまり、ここには長浜では「おくどーさん」と呼ばれているものの、それは「おふどーさん」から転化したと書いてあるわけですね。おくどよ、そっちこそ亜流だと。
「おくどさん・おふどさん」論争、留まるところを知らず。
その時は、旧びわ町の竹生地区、木之本の杉野だけの証言だったのですが、コメントで速水や西浅井でもそう呼ばれていることがわかりました。さらに小谷地区でも「おふどさん」とのこと。これは大変な勢力ではありませんか。
この件について早速みーな編集長のメイさんに相談しにまいりましたら、「う~ん、そういう調査は見たことがないなぁ」と言いながらも、これに何か書いてないやろか、と紹介して下さったのが
滋賀県方言語彙・用例辞典
借りて調べてみますと、まず「オクドサン」は「くど(竈)」とありましたが、「オフド」も「オフドサン」も出てまいりません。諦めかけてフ行を開くと、出た!「フド」が。意味は「くど(竈)」とあり、次のような解説が。
「クドの音韻変化。火中に立つ不動さんのフドーと、混同して語源俗解をおこしたか」とあります。ちなみに、「語源俗解」とは、「学問的手続きを経ない語源の説明。科学的根拠のない誤った語源解釈。民俗語源。民間語源。民衆語源。通俗語源」と辞書にあります。
そうそう、実は前に「おふどさん」で検索したら「お不動さん」が出て来たので、ひょっとして不動明王と何か関係有るのでは?と思ったのですが、そこまでで止まっておりました。しかし、不動明王といえば
このように火炎に包まれてますもんね
おくどさんでは火を使いますから、それが不動明王と結びついて、「おふどさん」と呼ばれるようになったというのはかなり有力な説でありましょう。ちなみに、私のあやふやな記憶ではおくどさんのところに
こんな感じの紙が貼ってあったような
いや私の幻想、希望的観測かもしれませんが、いずれにせよ、おくどさんに「お不動さん」はよく似合うと思います。語源俗解起こしてもやむを得ないのではないでしょうか。
この説を盤石なものにすべく図書館に行きまして文献を探しておりましたら、
こんなものがありました
中を開いてみるとオクドーサンがあって
次ページにこんな解説が
「かまど。へっつい。火の神不動明王より、お不動さんが転化したもの」とあるではありませんか。つまり、ここには長浜では「おくどーさん」と呼ばれているものの、それは「おふどーさん」から転化したと書いてあるわけですね。おくどよ、そっちこそ亜流だと。
「おくどさん・おふどさん」論争、留まるところを知らず。