テーマ:言葉・漢字
昔、1ドルが360円だった頃、「ハンドルはいくらでしょう?」なんていうクイズが流行りました。正解は半ドルだから180円。今は約40円ですから円の価値は恐ろしく上がりました。元々、1ドルが360円と定められたのも、円が360度だからという笑い話もあるほどです。

さて、普段何気なく「ドル」と言ってますけど、これ英語の dollar ですよね。海外で「ドル」と言っても通じませんで、「ダラー」と発音しないと買物もできません。何で日本では「ダラー」が「ドル」になんねん?

一つの説は、「dollar」を日本語読みして「ドルラル(dol ・lar)」となり、「ドル」に略されたというものですが、これは眉唾物で、実際の発音に近い「ダラ」とかになる方が、むしろ納得がいくダラ?

もう一つは、元々ボヘミアの「ヨアヒムスターレル」という銀山で鋳造された銀貨「ヨアヒムスターラー(Joachimsthaler)」に由来し、これが「タラー(taler)」に略された。そのオランダ語形の「ドルラル(dollar)」が江戸末期に日本に入り、その後「ドル」と略されたという説で、こちらの方が信憑性が高い。

そうそう、ドルって漢字で「弗」って書くんですけど、これってドル記号の「$」に似た字を当てたんだそうですよ。安易といえば安易。精妙といえば精妙。あのね、「払う」っていう字も、ドルで支払う場合は「拂う」って書くのよ(嘘)。

この「弗」という漢字、実は元々は「ず」、つまり打消しを表す語で、漢字の原意も「いやだめだと払いのけて強く否定する」ということだそうな。「払」っていう字が元々「拂」という字だったというのは本当なんですけど、これは「手を左右に振って拒否する」って意味なんだとか。道理でお金を払うのは皆嫌がるはずだ。

もう一つ、「仏」という字も元は「佛」。素人が下手にドル(弗)なんかに手を出すと、超円高になって、たんすの中で塩漬けに。いにしへ人はかようなるお金を「佛(しんドル)」とこそ名付けけれ。

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