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菊と麹

テーマ:言葉・漢字
先日ゆうこりんさんのブログに「麹を造ることを製麹(せいきく)といいます」と書かれていたのを見て、ほぉ~、麹(こうじ)は音読みで「キク」って読むんかぁと軽く感嘆してしまいました。

そう言えば、麹の中には「菊」と同じ「匊」という字がふくまれてますもんね。「麹」と「菊」は仲間なのか。

「匊(キク)」は「勹(つつむ)+米(ちらばった米粒)」の会意文字で「掬(すくう)」の原字。ちらばらないように一か所に集約する意を含む、と漢和辞典に書いてあります。

となると、植物の「菊」はこのように

「艸(くさ)+匊(キク)」が合わさって「多くの花弁をひとまとめにして、まるくにぎった形をした花」すなわち「菊」となるわけですな。こういう花を球状花序というそうな。

ちなみに英語で「菊」はchrysanthemum(クリサンセマム)とやたら長い複雑な名前になるのですが、ブルーベリーままさんが、単なる「まま」になったように略して「マム」と呼ばれることもあるようです。

長いと思ったら、ギリシャ語の「chryso-(黄金の)」+「‐anthemon(花)」に由来するそうで、キク属には黄色い花が多いからだとか。なるほど西洋は色で攻め東洋は形状で攻めるか。

さてお待たせました、「麹(こうじ)」はもうお判りですね。「麥(むぎ)+匊(キク)」で「ふかした麦や豆をまるくにぎったみそ玉」

Wikipediaには「こうじ」の名は「醸す(かもす)」の名詞形「かもし」の訛ったものと書いてありますけど、漢和辞典では中国語の「麹子(キクシ)」がなまって「こうじ」となり日本語化したと書かれております。

まあ、語源でも日中は争わずにはおられないのでしょうかね。日本人が「米の花」と書く「糀(こうじ)」という国字を作りあげたのも争いが高じたせいだったのでしょうか。

今井あんうまいやん

テーマ:よもやま話
おかめちゃんところでお世話になった翌日に、文楽を見に大阪へ行ったのですが、着いたのがちょうど昼飯時。ちょっと二日酔い気味だったので、軽く麺類などで済ましたい気分。

国立文楽劇場は日本橋が最寄りなのですが、なんばで降りて道頓堀から歩いて行くことに。その途中にある大阪うどんの名店「今井」。平日ですが、店内はいっぱいで少し待つことに。

カウンター席がなかなか空かず、結局4階の座敷席に案内されました。ここは、山組か三役塾で何人かで来たことが一度あるのですが、Iさんご推奨の店。

さて、何を頼もうかな?とメニューを見てびっくり。恐ろしい数のうどん名が並んでおります。あれあれ、のっぺいもある。しかし値段が1300円代でちょっと二の足を踏んでしまいます。

名物きつねうどんにしようかな、と思った時にふと「きざみあんかけ」というのが私の目を捉えました。店員さんに「きざみって何ですか?」と尋ねますと、「刻んだおあげさんです。普通のきつねは甘いんですけど、きざみは甘くないあげです」と。

お~!それよ。私はあげは甘くないのが好みなんですよ。しかも、あんかけ。先日(仮称)ダダ子さんに指摘されて初めて自分が「あんかけ麺」好きだったことを自覚させられた私。やっぱり今もアンファンだったのか。

さて出てまいりました

うわ~ぉ!あげがいっぱい。しかも肉厚。食べる前から美味いぞビームを放ちまくっております。そうそう、擂りしょうがも乗っていて、もちろん刻みネギも。ってところで、思い出しました。あれ、これってもしかして。。。

そうなんです、以前に「たぬきとのっぺい」というタイトルで書いた時に、京都で「たぬきうどん」といえば刻みあげのあんかけうどんのことを指す、と知り、ぜひ一度食してみたいと思ったことを。まさに、これがその「京都版たぬきうどん」じゃないですか。

箸でごいっと底から麺を一度掘り起こしたくなるのが私の流儀。そしてあげを一口。ほくほく、むまみゅにゃ。舌が想像通り!と唸ります。だしのお味がまさに上品な関西風で「あんじょうしときやす!」の大向うをかけたくなります。

麺がまたええのよねぇ。太麺であんまりコシはない。私コシの強い讃岐うどんはそれほど好きではなく、正直四国以外ではそれほど美味しいと思ったことはありません。あ~、これ正解やったわぁ。

食べ終わった後にじわっと額ににじむ汗をハンカチで拭う快感。ごちそうさまでした。これで864円。そばは50円安。蕎麦屋ではうどんよりそばが高く、うどん屋ではそばよりうどんが高い、の法則か。

週末の食卓(102)

テーマ:週末の食卓
(その1)
白内障手術後の定期健診で

先生: どうですか?よく見えるようになりましたか?

母: はい、おかげさまで

先生: それは良かった。何か変わったことはありませんか?

母: (いきなり私の方を指さして)この子の頭がこんなに白くなっていて本当にびっくりしました


人を浦島太郎みたいに言うなて



(その2)
先生: 他に何か気になることはありませんか?

母: あの~先生、最近マイクとかで大きな声出されるとよく聞こえないんですが、これは目の手術をしたことと何か関係あるんでしょうか?

先生: (一瞬笑いそうになりながらも冷静に)目と耳は(きっぱりと!)一切関係がありません。従って何か耳に異常を感じられるようでしたら耳鼻咽喉科にかかって下さい、ね。

母: はい!


新格言: 母の耳に目薬



(その3)
右の口元をさわりながら

母: 私なぁ、不思議なことに、ここにだけヒョロっとひげが生えるんや。何でやろ?

私: ほれはなぁ、前世がナマズやったんやわ

母: ほうかぁ~。ほんでもなぁ、こっち側にだけしか生えんのやで

妻: それはね、右側だけがナマズやったんですわ

母: (ナマズの顔真似して)うぉ~っ!!


おかげさまで、母は本日91歳の誕生日を迎えました。ありがとうございます。











 

かかし

テーマ:よもやま話
最近何かと評判が悪く購読してると肩身の狭い朝日新聞に「しつもん!ドラえもん」というコーナーがありまして、今は「あきのことば編」。

「田んぼや畑に立っている、鳥などを追い払うための人形をなんと呼ぶかな」とあります。ほんなもん、「かかし」に決まったるがな。子ども騙しかよ。いや、これ子ども向けのコーナーらしい。しかし、何で「かかし」って言うんかなあ?考えたことなかったなぁ。

確か、漢字で「案山子」って書くんよね。山を案ずる子ですか?むしろ田んぼを案じてほしいんと違うのか。すると語源由来辞典によれば、「案山」とは山の中でも平らなところを意味し、「子」は人や人形のことである、と。山田の中の一本足のかかしだもんね。

そう言えば、以前に「案外と案内」という題で書いたことがあり、「案」という漢字は、低い机みたいなようなものを指すことを思い出しました。

さてさて、新聞紙面のどこかに解答があるはずの、ドラえもんの質問。探してみると
ありました

なになに、「昔はけものの肉や髪の毛などを焼いて竹につるして、嫌なにおいを出して追い払っていたんだ。においをかがせる意味の『かがし』からきたよ。」と解説がなされております。ほぉ~、「嗅がし」やったんか~。

ちなみに、かかしは別名「そおど」とか「そおず」とも呼ばれ、古事記には「久延毘古(くえびこ)は、今に山田のそおどといふぞ」とあるそうです。久延毘古はかかしを神格化したもので「崩れ彦」すなわち体が崩れた男の意で、雨風にさらされて朽ち果てたかかしを表現したもの、とのこと。

なるほど、いくら鳥でもあんな人形ごときで騙されやしまいと昔子どもながらに思ったこともありましたが、臭いで撃退する手法だったとは。しかし、ファブリーズ全盛の現代では人間のほうがむしろ臭いに我慢が出来やしまい。

筆舌に尽くす

テーマ:よもやま話
昨晩は長浜専門店会秋の例会。ということで向かった先は木之本町杉野。と言うたら、もうおわかりですね。

吹き抜けと巨大な梁

おかめちゃんから不在と聞いていた店主のひょっとこさんより長治庵の歴史


さてお料理なんですが、いやその前にお酒はビール、この日ちょうど解禁になったボージョレ・ヌーボー、北国街道の熱燗、そして七本鎗の冷酒。いただき過ぎまして今日は完全に二日酔いでございます。

しかし、おかめちゃんはホント割烹着が似合いますな。落ち着いておられるし、控え目だし素晴らしい女将さんです。また、高校生の娘さん二人が美人姉妹でお給仕のお手伝いをなさる。自分の娘に爪の垢を煎じて飲ましたい、という声しきり。

あ、料理でしたね。ほんまはね、写真を載せずに文章だけでと思ったんですが、筆舌に尽くし難いので一応
突き出しの山菜
土筆に山葵にイタドリだそうです。イタドリをいただくのは初めて。しかし、三品三様の味付けで単純に山菜と呼ばせないぞというプライドが見られます。手造りの箸袋も心がこもっています。

写真は撮り忘れましたが、鍋はイノシシ肉と野菜を陶板で蒸し焼き風にしたもの。イノシシの臭みを心配しましたが、適度な野趣と味噌とニンニクの風味がいい具合に野菜に染みこんでいます。

鹿肉のルイベ
鹿は30年ほど前に一度ステーキで食べたことがありますが、刺し身は初めて。これちょっと吃驚しますよ。口に入れると溶けます。まったく臭みはありませんし、肉というよりむしろマグロの赤身に近いか。

川鱒の竹皮包み焼
適度に散りばめられた山椒の実が内臓の臭み消しになっているのか。どの料理にも共通していましたが、素材を最大限に活かす調理法と味付けが極められています。骨はもちろん頭も丸ごと完食。

むし飯
これもいいですよ~。あんかけ好きにはたまりません。うなぎとむかごが入っております。とにかく、初めて食べるものが多く新鮮。長浜にこんな料理を食べさせる店があったのか、と皆感嘆。人生最高の料理かも、という声も。

さらに、写真はありませんが天ぷらは、ワカサギと山菜。人参の天ぷらが予想もしない柔らかな歯ごたえ。噂に聞いていた御飯とお漬物が期待に違わずまた美味い。ついついお代わりをしてしまいました。

ひょっとして料理が物足らないのではと心配して幹事さんが特別注文された
近江牛の炭火焼
もちろん美味いに決まってるんですけど、他のオリジナル料理と比べるとやや蛇足の感があった、というのは贅沢か。

実は「ブログには書くな。宣伝せずに、ひっそりと我々だけのものとしておきたい」という意見もあったのですが、ついつい筆舌に尽くしたくなりまして。長治庵の皆様、本当にありがとうございました。最高の料理、ごちそうさまでした。
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