死体と遺体

テーマ:よもやま話
アメリカで脳腫瘍で余命6ヶ月の女性が公言通り安楽死を遂げたという報道がありました。日本だと医師による自殺幇助ということになるらしいですが、米オレゴン州では認められているんですね。

尊厳死については昨今認めるべきだという支持者が増えつつある一方、朝日川柳に投稿されていた「死ぬ義務になるかもしれぬ死ぬ権利」という作品が語るように現代版姥捨て山になる虞れもあり、今後大いに議論が高まっていくのでしょうね。

さて、たまたま同じ時期に読んだ「大往生したけりゃ医療とかかわるな -自然死のすすめ」という本には、「老い」には寄り添ってこだわらず、「病」には連れ添ってとらわれず、「健康」には振り回されず、「死」には妙にあらがわず、医療は限定利用をこころがけることが大切、と記されておりました。

ある程度の老齢に達すれば、過剰医療は避けたほうがかえって苦痛は少ないとも書かれておりました。いずれにしても、「死」について少し考える機会を与えられました。

同書の中に、「死体」と「遺体」、「棺(かん)」と「柩(ひつぎ)」の違いをご存知か?という質問が。いや~、そんなことあんまり考えたことなかったなぁ、と読み進めますと、

家族が近くにいたら「遺体」、いない時は「死体」。葬儀屋さんは、商売物なので「ご遺体」、間違っても「ご死体」とはいわないわなあ。それから「棺」と「柩」。何となく「棺」より「柩」の方が豪華な感じがするが、さにあらず。

「棺」に死体が入ると「柩」と呼称が変わる。つまり、イカを干すとスルメと名前が変わるようなもの。だから納棺というが、納柩とはいわない。霊柩車も、空の棺桶を積んで走るわけではないので霊棺車とはいわないわな。

と書かれておりました。最後に「ホンマかいな」と結ばれておりましたので、事の真偽は定かではありませんが、いずれにせよ、安楽死「したい」と思いながら、死ぬときは家族に見守られて「いたい」というところが万人の希望でしょうか。

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