プロレスを砂かぶりで

テーマ:スポーツ
先日ゆうこりんさんが、ご自身のお祖父さんが砂かぶりで大相撲観戦しておられる姿をTVで見た思い出を書かれていましたが、一度でいいから砂かぶりで相撲を見てみたいものです。

私、大相撲はそんないい席で見たことはありませんが、実はプロレスはあるんです。最近でこそ流行りませんが、私が20代前半だった頃はかなりの盛り上がりを見せていたプロレス。ちなみに私は小学生の時からのファンでした。

時は1987年11月19日。今からちょうど27年前(ちょっと中途半端ですが)のことです。私は当時サラリーマンで27歳になる手前、結婚してほぼ半年くらい経っていました。当時仕入部門に属していたのですが時あたかもバブル期。商社から各種接待(飲食、ゴルフ、麻雀等)を受けるのが普通という時代でした。

ある時、某商社の担当さんとたまたまプロレスの話で盛り上がりまして、「じゃあ、一度見に行きましょう」ということになって、最初に行ったのが確か日本武道館。馬場の全日本の試合だったと思いますが、かなり後ろの席でまあ生の雰囲気を味わえたくらいで、さほど満足感の高いものではありませんでした。

そこでリベンジとなり、「今度はいい席を準備しました」と言われ向かったのが後楽園ホール。今度は猪木の新日本プロレスの方でした。会場に着いてびっくり。何と前から2列目の席。相撲で言えばまさに砂かぶり。

胸板を打つチョップで飛び散る汗が飛んできそうな距離。バックドロップやブレーンバスターなどでリングに叩きつけられる時の迫力度はテレビ観戦では想像もできないほどのものでした。自分の体の中からも熱い血潮が湧き上がり、選手と一緒に戦っているような錯覚さえ起こすほどです。

そしてその時がやってきました。6人タッグマッチで一方の組に長州力、そして対戦方に前田日明とプロレス新時代の申し子の登場です。途中までは、まあ見慣れた展開だったのですが、長州力が得意技のサソリ固めを仕掛けキリキリと捩じ上げようとした瞬間です。

コーナーからぬっとリング内に入った前田日明が、あろうことか無防備の長州力の顔面を背後から正面に回り力任せに蹴り上げたのです。鈍い音がして長州は技を離し膝をついたのですが、そのうちだんだんと目がふさがりお岩のような顔に変貌していきました。

前田側の反則負けという判定だったと思いますが、おそらく筋書きにはなかった掟破りの行動だったのでしょう。長州の顔面骨折で前田選手の追放の原因になった試合でした。会場は見てはいけない物を見てしまったような異様な雰囲気に包まれました。砂かぶり席、いやプロレスだから血かぶりか。あの時の興奮は今でも忘れられません。

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