客配便

テーマ:よもやま話
昨日の夕方6時前、日もすっかり落ち往来もほとんどないので、店の鎧戸を半分閉めた状態で、中で瓶詰め作業に勤しんでおりましたら、開いてる方の表の戸がガラガラ開いて、「あれ、もうやってないんですか?」というお客さんの声。

見ると、サイクリング装束の二人の若者。「いや、まだやってますよ」と応えますと、戸と胡麻油の入った籠との間を窮屈そうに店内に入って来ました。店の中の品物を色々と眺めている間、作業を続けていたのですが、そのうちに「え~っと、これは今晩の酒のアテになりそうやな」という声が。

振り向くと、きらず揚げを見ているので、「どうぞどうぞ」と試食をしてもらう。塩味とカレー味。「つまみにはこっちやな」と塩味を選ぶ青年。

「お泊りですか?」と尋ねると、「はい、昨日泊まりました。今日はこれから木之本まで走ってまた泊まります」。「へぇ~、木之本ってどこ泊まるの?」「え~っと、長治庵です」

「え!長治あ~ん?」「はい」「あそこの女将さんによろしく伝えといて。知り合いなんや」「あ、わかりました」「おかめちゃんて言うんや」「あ、そうそう、何かブログで見ましたわ」

「そうか、ほんなら、おかめちゃんにお土産持ってってくれるか。油屋さんからですって渡してくれる?」と、きらず揚げをもう一つ袋に入れて青年に渡します。「あ、わかりました。しっかり届けます」「おおきに、ほんなら、これ280円のところ250円にしとくわ」

おかめちゃんへのお土産の宅配料、30円はちと安いか。夜道を自転車で杉野まで。彼らは無事着いたでしょうか?そして、ちゃんとおかめちゃんにきらず揚げは渡ったでしょうか?しかし、お客さんに荷物を託す「客配便」は初体験ですな。


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