テーマ:まちづくり
虎姫に「酢」というところがありますでしょ。20年前にこちらに戻って来てから初めて知ったんですが、何と変わった地名やなぁとずっと思っておりました。

なんで「酢」という名前がついたのでしょうか?ネットで、ある人が調べた記事と「滋賀県の地名」辞典の記述を総合いたしますと、

1.南部を姉川が北西部を田川が流れており、かつて中州で少し高い土地であったことから「州」と呼ばれてきた。

2.当地に存在した八幡社別当本仏寺があった場所を「寸堂(すどう)」と称しており、それが省略されて「す」になり「酢」の字が充てられた

「かつては「須村」とも記したと書いてありますが、いずれにせよ、なぜ「酢」という字が充てられたのかはさっぱりわかりません。

さて、虎姫は元三大師(良源・慈恵大師)出生の地ですが、先日「たべもの噺」(鈴木晋一/小学館ライブラリー)という本を読んでいたら、「宇治拾遺物語」や「古事談」に大師に関する次のような話が出てくることを知りました。

大師が比叡山の戒壇を再建すべく腐心していた頃、近江国浅井郡の郡司に請われて仏事を修めた時のこと、法要が終わって膳が出されると、郡司は大師の目の前で大豆を煎って酢をかけた。「何で酢をかけるのか?」と聞くと、郡司は「温かいうちに酢をかけると、すむつかりといって、皺が寄って箸ではさみやすくなる」と。

そうしないとすべって挟めないのだ、と郡司が説明すると、大師は「なんの、はさめないことがあるものか、投げてよこしたって挟んでみせる」と豪語し、「はさめっこない」と言い張る郡司に「私が勝ったら戒壇を作ってくれ」と条件を出し、見事投げよこした大豆をすべて挟みとって、郡司に戒壇を築かせたというもの。

煎ったばかりの大豆に酢をかけると皮に皺が寄る。それが、子どもがむずかって顔をくしゃくしゃにしていうようなので「酢憤り(すむつかり)」というそうで、「すむつかり」「すみつかれ」「しみつかれ」と変化して、現在北関東には「しもつかれ」と呼ぶ煎った大豆を用いた郷土料理が伝承しているそうです。
どう見てもゲロ
宇治拾遺物語や古事談に載るような逸話、虎姫の地元でも評判になったに違いありません。大師の偉業に敬意を表し、この伝承から「す」に「酢」の字が充てられたという考えはいかがでしょうか?

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