お釈迦になる

テーマ:言葉・漢字
今月の日経新聞「私の履歴書」の執筆者は演出家の蜷川幸雄氏。特に氏に興味があるわけでもないのですが、意外と社交的でないというか、内向的な方のようで、人は見かけによらないなと思いながら読んでおります。

彼は「キューポラのある街」、埼玉県川口市の出身。川口市は鋳物の街であり、「キューポラ」とは、鋳物をつくるために鉄を溶かす溶銑炉のことだそうです。でね、「使い物にならなくなる」という意味で「お釈迦になる」っていう言葉使いますでしょ。これって、鋳物職人の隠語から生まれたんだそうですよ。

元々阿弥陀像を鋳るはずが、誤って釈迦像を鋳てしまったことから、というのが最も有力な説だそうですが、これだけでは面白くない。阿弥陀様がお釈迦様になっても、今じゃ違いがわからない人の方が多いかもしれませんしね。

鋳物は火が強すぎてもいけないそうですね。江戸の鋳物職人は「火が強かった」というのは「しがつよかった」と発音するようです。さて、マルセンちゃんが昨日書いていたように、4月8日はお釈迦様の誕生日なのですが、お釈迦様が世に出たのは「4月8日だった」=「しがつようかだった」→「しがつよかった」→「火が強かった」

そうなんです。お釈迦様の誕生日である4月8日との洒落だという説で、私は圧倒的にこちらが好きですね。博打などで無一文になる場合も「お釈迦になる」というそうですが、こちらは花祭りで水や甘茶をかけられるお釈迦様のように「裸にされる」ということから出た言葉だとか。

しかし、花まつりって何故か白い象が登場しますよね。あれ見たら、子どもならまず「鼻まつり」と間違えますよね、って私だけ?さらに、何で甘茶を掛けるのか?「釈迦の誕生時、産湯を使わせるために9つの竜が天から清浄の水を注いだとの伝説に由来する」とwikipediaには書かれています。

う~ん、あの甘茶はその後誰かが飲むのでしょうか。え?お釈迦になる?できればおしゃけになってほしいな。

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