郷に入れ歯

テーマ:よもやま話
「郷に入れば郷に従え」っていう格言がありますよね。ある時、郷ひろみがTVに出てるのを見てたら、ふと「郷に入れ歯、郷に白髪」って思いついたんですけど、あまり年を取らなさそうなこの俳優にもそういう時は来るのでしょうかね。

さて、一昨日の朝日新聞「仕事力」というコラムに作家の内田樹さんが「現実を涼しく受け入れよ」という題で寄稿されていました。そこに書かれていたのが「結婚も就職も、ある意味『入れ歯』と同じです」という言葉。以下次のように続きます。

「自分自身は少しも変わらず自分のままでいて、それにぴったり合う『理想の配偶者』や『理想の職業』との出会いを待ち望んでいる人は、たぶん永遠に『ぴったりくるもの』に出会うことができないでしょう。

『どんな相手と結婚しても、そこそこ幸福になれる人』は『理想の配偶者以外は受けつけられない人』よりもずっと市民的成熟度が高い。(中略)仕事だってそうです。『どんな職業に就いても、そこそこ能力を発揮できて、そこそこ楽しそうな人』こそが成熟した働き手であり、キャリア教育はその育成こそ目指すべき...」

確かに、「自分の能力を最大限活かせるような仕事を」とか言って目指しても、内田さんが言うように自分に能力があるかなんて実際に仕事してみないとわからないんだし、それが実現できる人は少数。皆が「そこそこ能力発揮できて楽しく」を目指した方が社会全体が気楽ではありますわな。

入れ歯は、本来の歯があった時の感覚が「自然」で、それと違う状態は全部「不自然」だという人は何度やっても合わない。それに対して「歯がなくなった」という現実を涼しく受け入れた人は、「入れ歯」という新しい状況にも自然に適応できる。と内田さんは言います。

なかなか現実を涼しく受け入れるのは難しいけど、早く入れ歯に慣れたもの勝ちのような気もするな。やっぱり「郷に入れ歯」ですな。

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