玄人はだし

テーマ:言葉・漢字
専門家やプロでもないのに、驚くほどの腕前や技術を持っている人が世の中にはいらっしゃいまして、そういう人のことを「玄人はだし」などといいますね。玄人はだしの「はだし」って何なんでしょう?歯出しじゃあるめえし、まさか裸足?

と思ったら、やっぱり「裸足」だった。玄人(専門家)が履物をはくのも忘れ、はだしで逃げ出すほどの腕前だからのようです。漢字で書く場合は「玄人跣」と書くのが正しいようです。プロとして恥ずかしくなっちゃう、ってことですね。

でね、なんで「玄人(くろうと)」っていうのか?「玄人」になるには結構な手間暇がかかるのと同様に、玄人という言葉もここに至るまでは結構な道のりを歩んできたみたいです。

先に生まれたのは「くろうと」じゃなくて対語の「しろうと」だったとか。平安時代、白塗りをしただけで芸のない遊芸人を「しろひと(白人)」と言ったそうです。これが江戸時代には「しろうと」と訛るようになったようですが、「素人」という字が当てられた理由は不明だとか。

そりゃそうだろ、「白人」といえば安土桃山以降日本にやって来ている欧米人を指すからでしょ、と思ったんですけど、彼らは当時、南蛮人とか紅毛人とか呼ばれていて、白人とは言わなかったんですよね。

それはともかく、「しろひと(白人)」に対する言葉として「くろひと(黒人)」が生まれ、こちらも「くろうと」と訛ったようです。「玄人」と「玄」の字が使われた由来は、「黒」よりも奥深く容易でない意味合いをこめて、とありますから、「素人」に「素」の字が当てられたのも、「白」よりも浅はかで奥行きがなさそうだからなのでしょうか?

しかし、何ですな。いっぺん「素人」でGoogle検索してみてください。「歌舞伎素人講釈」っていう例外もありますけど、あとは何だかわけのわからんサイトがずらっと出て参ります。まあ一言でいいますと「玄人はだし」の「素人はだか」サイトでしょうか。困った世の中です。

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