花より団四、いや花

テーマ:曳山・歌舞伎
いよいよ線香番を明日に控えまして、各町とも芸の最後の仕上げに余念のないことだろうと思います。いや中には、いかに40分で芝居を収めるか頭を痛めているところもあるかもしれません。

稽古は初期の段階においては、浄瑠璃はテープか振付さんの口三味線で行なわれているわけですが、いよいよこの時期に入りますと、生の義太夫・三味線が入って参ります。うちの町はとりあえず夜だけですが、先の日曜日から入っております。

さて昨日は、このブログに連日コメントを頂戴いたしております「ねむり姫」改め「すや姫」さんが、花見船での観光がてら、名古屋からお友達と長浜にお越しでありまして、「ちょっと稽古を見学させてもらえないか」と依頼を受けました。

すや姫さんは私の小・中学校の同級生でありまして、翁山の三味線奏者の賀祝さんとも北小で同級の間柄ということで、線香番の前ですが、筆頭さんと振付さんにお願いいたしまして、見学の了解を取り付けました。

賀祝さんに電話して「すや姫さんが稽古見に来るって言うてるんやけど彼女覚えてるか?」と尋ねますと、「おお!あのべっぴんやろ」と即返事が返って参りまして、来客があったのをキャンセルして稽古場にかけつけて来ました。同じクラスになったこともないのに、お互いによく覚えておられました。

すや姫さんとご友人が来られて30分ほどした後、今度は新たな訪問客が稽古場に...。お~、萬歳楼の振付師である市川団四郎先生が、太夫さん、三味線さんを引き連れて、御三方で稽古見学に。実は団四郎先生は、わが町の振付師である岩井小紫先生のご実弟でありまして、「やあ、姉さん、どんな具合?」てな感じです。

で、私と賀祝さんを見るなり、「あれ、君たちやらないの?それを聞きに来たのに」、「いや、うちはまだ夜だけなんで」。てことで、テープの浄瑠璃で稽古が始まったわけですが、機械のくせに緊張したのか、途中でカセットデッキの調子が悪くなって、テープの声が「むにょ~ん、へにょ~ん」と伸び出しまして、振付さん「こら、あかんわ」と自ら義太夫を唄い出されました。

う~ん、太夫・三味線である私と賀祝さんが、他町の三役さんがお見えなのに、その場に居ながら実演もせず、振付さんの口三味線にお任せというのも何とも妙な感じでしたが、すや姫さんは喜んでお帰り下さったようだし、まあ良しとしとこか。

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