テーマ:曳山・歌舞伎
たびたび曳山祭の話題で申し訳ございません。何せ、期間中はほぼそれで頭が一杯で他のことに気が回りません。私ども翁山が演じる「引窓」というお芝居は仲秋の名月、即ち満月の日が舞台となります。

ある方と、「今年はお旅所に12基揃うし、四番山だと全山の前で芝居が出来て最高ですね」みたいな話をしておりましたら、「そうや、翁山が四番取って芝居も引窓やさかい、その日が満月やったら最高やで」てなことで、俄然盛り上がってしまいました。まさに自然現象の借景であります。

そうしているうちに、先月末、ゆうこりんさんのブログに寒空に浮かぶ満月の写真が登場いたしました。そこでふと考えます。「今、満月ということは、4月15日の祭の本日は何だ?」「月は文字通り一月で満ち欠けするわけなんで...」「いやとりあえず調べてみよう」と思いまして、「月齢」で検索いたしますと...、

Oh,my god!いやいや my eight million of gods! 何と4月15日のところは、月がすっぽり欠けております。ひとかけら、これっぽっちもないじゃないですかぁ。

こういう状態を「新月」と呼ぶのかと思っておりましたら、正しくは「朔(さく)」と呼び、新月は厳密に言うと「朔の後に初めて見える月」のことなんだそうです。「朔(さく)」は「暗月」などという実に暗~い異名もあるとか。

「朔」の字の右側は文字通り「月」でありますが、左側の「屰」という字は「人間の立った姿である『大』の字をさかさにしたもの」だということです。「大」の手の部分に直角に下げた線を入れて、ひっくり返すと、なるほどなるほど、「屰」のような字になりますね。

いずれにしても、月が一周して元の位置に戻ったことを示す字で、「朔」は一月が終わって暦の最初に戻った日ということで「ついたち」の意味になるわけです。このブログを4月1日の記事にすればばっちり決まったんですが、祭の影響で頭は2,3日遅れております。

「結局、満月だろうが、朔だろうがこの雨じゃ関係なかったな」 4月15日の晩によもこんな会話を聞くことにならないようにひたすら願うばかりであります。

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