豆腐と北陸

テーマ:よもやま話
皆さんお豆腐は「絹ごし」と「木綿」とどちらがお好きでしょうか?詳しい作り方の違いは知りませんが、絹ごしはつるっと柔らかく、木綿はやや固く締まった感じですね。3/27の日経プラスによると、地域によってこの好みに違いがあるそうです。

日本豆腐協会が全国の男女1000人に対して行なった調査によると、木綿豆腐を食べる割合が最も高かったのが東北地域(60%)で、そのほか九州、四国も木綿優勢とあります。一方、絹ごしは北陸地域(69%)で最も多く、関東・近畿がこれに続くようです。

なぜ、地域差ができたかという疑問に対して、大阪学院大学の竹井教授は次のように推理されておりました。

「古くから日本で作られてきたのは木綿豆腐だったが、江戸時代に軟らかい絹ごし豆腐が登場し、都市部で消費され始めた。その当時、大都市があった関東や北陸では絹ごし、周辺部の東北や九州では木綿が好まれるようになったのでは」

私が子どもの頃は、スーパーでなくて自転車で売りに歩いておられた豆腐を買っておりましたが、木綿を食べていたように思います。その後東京に出て、結婚してからは、そう言えば絹ごしが多くなって、今では揚げだし豆腐など以外は、ほとんど絹ごしを食べております。

先の竹井説によれば、都会人は「絹ごし」好みということになりそうですが、北陸ってかつては大都市が多かったんですよね、実際。

「裏日本」(古厩忠夫/岩波新書)によれば、明治9年の時点で金沢は全国5位の人口を誇り、北陸、山陰の6県(新潟、富山、石川、福井、鳥取、島根)の県庁所在地はすべて人口で全国30位以内に入っていたんですね。

その後、裏日本からは風呂屋、豆腐屋、魚河岸などを中心に都市への人口流出が起こったと同書には書いてありましたから、やはり絹ごしは北陸で生まれ、北陸こそ都会的センスの源泉なのかもしれませんね。

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