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週末の食卓(73)

テーマ:週末の食卓
(その1)
最近、また入れ歯の調子が悪いと言う母。そんな折、伊勢神楽の山本源太夫さんが例年のように獅子舞に来るという案内ハガキが。

私: おっ、山本源太夫、今年も来るてか

母: おん。いれば、お祓いしてもらうわ、私も。

私: えっ?入れ歯てお祓いしてくれやあるん?

母: あほっ!居たらっちゅうことやがな


あの獅子の立派な歯で噛んでもろたら、入れ歯の調子も良くなるかも

(*お詫び)
おかめちゃんの指摘通り、これ前にどこかで書きましたな。すんません、祭で頭だいぶんこんがらがっております。そのうち休筆するかも~。




(その2)
テレビを見ながら晩御飯を食べている時に

母: おい、なんか上戸彩のお母さんも認知症らしいな
1985年生まれ
妻: え゛~っ!上戸彩のお母さんって、まだ随分若いんじゃないんですかぁ

母: ほうかいな?

妻: いや、そりゃ若くっても認知症になる方もいらっしゃいますからねぇ。

息子: もしかして~....、綾戸智絵のことちゃうん?それ、サンドイッチマンのネタやんかぁ。

妻: そうや、そうや、綾戸智絵でしょ、お母さ~ん

母: ほうかいな

私: 誰や?綾戸智絵て

この方らしい1957年生まれ

さがみ

テーマ:曳山・歌舞伎
早いもので、もう今晩は線香番。曳山祭総当番による芝居の時間計測が行なわれます。長浜の場合、40分以内に収めることが求められ、どの町も最後の詰めに腐心しているところだと思います。

腐心しているといえば、浄瑠璃を語る我々も日々悩みながら細かいところの調整を行います。浄瑠璃の場合、間と節が肝心で、これは指摘されればなるほど自分でもおかしいと自覚することはできます。

困るのがいわゆる「訛り」。今回も、三役塾の稽古では「ま、こんなもんでしょ」と一応OKサインが出たものの、いざ振付の先生に聞いてもらいましたら、「そこ訛ってるよ!」と。

指摘された時は「あ、なるほど」と思うのですが、いざそれをいう段になると「あれ、どっちやったっけ」となり、考えれば考える程混乱します。本来浄瑠璃は上方のイントネーションが正式なのですが、長浜は言語的にも中途半端な地域ですので、例えば「あめ」や「はし」などの発音は、どっちだっけと迷います。

今回苦戦しているのが「相模(さがみ)」のイントネーション。相模というのは熊谷次郎の妻の役柄。芝居は「♪相模は、障子押し開き」という浄瑠璃で始まるのですが、ここの「さがみ」のイントネーションを間違うことはありません。

問題は、芝居の途中で「♪相模は夫の袂をひかえ」とか「♪相模見るより」など、節をつけずにあっさりと「さがみ」をいう場合。どうしても、「が」を強めに言ってしまうのです。で、「それは蕎麦屋のサガミやがな」と注意されるわけです。

そう、どちらかというと「さ」にアクセントがある「さがみ」でないとダメなんです。どうやっても納得できる「さがみ」が言えませんので、トイレでしゃがんで考えこんでしまいました。

そして、「そうだ!」と思いついたのが、「差が3」。差が「み(3)」だと思いながら「相模」を言うとほぼ間違えなく言えることに気がついたのです。ま、本番でも上手くいくかはわかりませんのやけど。

てなことを考えてやっていたら、「太夫さん!♪お役に立ったも因縁かや」のところやってみて。どうやら、「お役」が「お焼き」のイントネーションになっていたらしい。あ~ぁ、いつまでたってもお役に立ちませんな。

昭和32年の曳山パンフレット

テーマ:曳山・歌舞伎
昨日、今年の各町の曳山祭パンフレットを紹介いたしました。前にも書いたかもしれませんが、私以前からパンフレットを収集しておりまして、知らないうちに整理がしづらくなるほど貯まって参りました。

さて今年、我が翁山は「熊谷陣屋」を演ずるわけですが、明らかにその年にその演目が演じられたことがわかる昔のパンフレットを発見いたしました。外見や厚さからして私が所持する中では最古級のものです。

そんなん、年号が書いてあるからいつのかわかるやろ、とお思いでしょ。ところが、このパンフレット、最初から最後まで頁を繰ってもどこにも年号が書いてないのです。

御堂前町諫皷山のものなのですが、表紙は
この通り
弥陀六という役柄が描かれています。最近のパンフレットは写真が多く、印刷も実に鮮やかですが、逆にこういうアナログ的な図柄がかえって新鮮に感じられませんか?

これが何年のものか探り当てるヒントは出番町と芸題なんですが、何とこの年は諫皷山、青海山、月宮殿、猩々丸の4つが記されています。

現在春日山が入るはずのところに猩々丸が出ていますね。今の4町の組合わせが確立したのは私が生まれた昭和35年からで、それ以前のものだということです。

外題帳から調べて昭和32年のものと判ったのですが、協賛広告も手書きっぽくっていい感じですよ。
裏表紙裏が 萬珍軒さん
かつて我が伊部町にあった中華料理屋さん。ラーメンや餃子、そして堅焼きそばが旨かったなあ。翁山の起し太鼓の料理は萬珍軒さんから取った料理が好評で、他町からの訪問者にも喜ばれたものです。

それから、3ページ目くらいに一面広告

「服装美に調和する新しいセンスの御履物」と銘打って、ゲッティさんところの広告が。来年の諫皷山のパンフレットに復古調で登場するかもしれませんよぉ。まあ、広告料は今なら5万円くらいでしょうな。

桜はパンフで

テーマ:曳山・歌舞伎
曳山祭が近づいて参りまして、今年も各町のパンフレットが出揃いました。

まずは、萬歳楼瀬田町組。ここは相変わらず写真が満載。

そして、裏面は真っ赤に燃えております。「漢(おとこ)たちがいる・・・」なんて書かれてあります。花は桜木、男は萬歳楼かぁ?うわ~、裸参り暴れんといてね。

続いて、常磐山呉服町組。

この表紙は、誰かモデルがあるんですかねぇ。心なしか、八重の桜のヒロイン、綾瀬はるかに見えんこともない。

そして、孔雀山神戸町組。ここはスエヒロさんのブログで早々と紹介がありましたね。この町は伝統的に錦絵風の役者顔を表紙にして来たのですが、今年は桜のモチーフ。

芸題が「義経千本桜 吉野道行の場」であることと、今年の曳山祭の観光ポスターのイメージに合わせた(スエヒロさん談)とのこと。

まあ、それも良かろと思っておりましたところ、何か我が翁山伊部町組のそれも、なんとなく桜風な感じのデザインですな。「一枝を伐らば一指を切るべし」の若木の桜を表したのでしょうか?中身は読み物豊富な翁山の伝統を維持してくれているようです。

4月6日、7日の週末が絶好の花見のタイミングと思っておりましたところ、台風並みの嵐に見舞われまして、桜は散ってしまったのでしょうか。せめて、各町桜づくしのパンフを眺めて花を惜しんで下さいませ。


祭における立場の錯綜

テーマ:曳山・歌舞伎
今回の曳山祭、太夫として出場させていただくのですが、前回は若衆でしたので最初から稽古場に詰めておりましたが、今回から中老になりましたので、原則稽古場には入らないようにしております。

町によって違うのですが、うちの山組は若衆祭と云って、芝居のことに関しては全て若衆が請負い、中老はそれに口出しをしないのが鉄則になっております。ですので、私もようやく昨日の三役入り(太夫・三味線が入っての稽古)で初めて稽古場に入りました。

さて、うちの斜め向かいが稽古場なのですが、先日役者親の一人が外に立っていましたので、話しかけに行きました。彼は元々組内に住んでいて役者経験もあるのですが、その後町外に引っ越してしばらく外から曳山祭りを見てきたのですが、今回は正式に若衆入りし、しかも息子さんも役者で出場するのです。

「どう、芝居は?」と聞くと、「いや、見てられませんわ。ほんま、皆さん、ようやって来ゃあったと思いますわ。」とにかく、子どものことが心配で、まともに稽古を見ていられないんだそうです。

まあ、ここまで極端ではないにしても、やはり自分の子どもが役者で出ると、そればっかりが気になって全体が見られなくなる可能性はあります。そのため、あえて役者親を稽古場に入れないという山組も中にはあったようです。

しかし、近年は若衆の人不足もあり、むしろ子どもを役者に出てもらうことで親を若衆に引き込むという戦略をとらざるを得なくなってきているところもあります。うちの町も近年はまさにこのパターンですね。

さらに、若衆の筆頭や副筆頭、舞台後見などの重役を務める年齢が昔と比べてだんだん上がって参りました。昔は30代で筆頭を終え、その後自分の子どもが役者として出場する年齢になるという感じでしたので、重役と役者親を同時に経験することはあまりなかったと思います。

近年は、これがまさに掛け持ちとなることが多くなりました。私の場合も舞台後見の時に子どもが御幣使、副筆頭の時に役者初上がり、筆頭の時は主役とどんぴしゃでした。私の場合、子どもの事より全体のことが気になって、むしろ役者親の楽しみを満喫できなかったことに多少悔いが残ります。

やはり、理想をいえば、若衆の重役は30代で済まして、その後役者親として祭を楽しむ、というのがいいのではないでしょうか。


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