祭における立場の錯綜

テーマ:曳山・歌舞伎
今回の曳山祭、太夫として出場させていただくのですが、前回は若衆でしたので最初から稽古場に詰めておりましたが、今回から中老になりましたので、原則稽古場には入らないようにしております。

町によって違うのですが、うちの山組は若衆祭と云って、芝居のことに関しては全て若衆が請負い、中老はそれに口出しをしないのが鉄則になっております。ですので、私もようやく昨日の三役入り(太夫・三味線が入っての稽古)で初めて稽古場に入りました。

さて、うちの斜め向かいが稽古場なのですが、先日役者親の一人が外に立っていましたので、話しかけに行きました。彼は元々組内に住んでいて役者経験もあるのですが、その後町外に引っ越してしばらく外から曳山祭りを見てきたのですが、今回は正式に若衆入りし、しかも息子さんも役者で出場するのです。

「どう、芝居は?」と聞くと、「いや、見てられませんわ。ほんま、皆さん、ようやって来ゃあったと思いますわ。」とにかく、子どものことが心配で、まともに稽古を見ていられないんだそうです。

まあ、ここまで極端ではないにしても、やはり自分の子どもが役者で出ると、そればっかりが気になって全体が見られなくなる可能性はあります。そのため、あえて役者親を稽古場に入れないという山組も中にはあったようです。

しかし、近年は若衆の人不足もあり、むしろ子どもを役者に出てもらうことで親を若衆に引き込むという戦略をとらざるを得なくなってきているところもあります。うちの町も近年はまさにこのパターンですね。

さらに、若衆の筆頭や副筆頭、舞台後見などの重役を務める年齢が昔と比べてだんだん上がって参りました。昔は30代で筆頭を終え、その後自分の子どもが役者として出場する年齢になるという感じでしたので、重役と役者親を同時に経験することはあまりなかったと思います。

近年は、これがまさに掛け持ちとなることが多くなりました。私の場合も舞台後見の時に子どもが御幣使、副筆頭の時に役者初上がり、筆頭の時は主役とどんぴしゃでした。私の場合、子どもの事より全体のことが気になって、むしろ役者親の楽しみを満喫できなかったことに多少悔いが残ります。

やはり、理想をいえば、若衆の重役は30代で済まして、その後役者親として祭を楽しむ、というのがいいのではないでしょうか。


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