三件茶話
テーマ:言葉・漢字
2013/02/03 09:19
東京は世田谷に三軒茶屋というところがありますが、江戸時代、そこに信楽(後に石橋楼)、角屋、田中屋の三軒の茶屋が並んでいたのが地名の由来だそうです。長浜にも角屋(かどや)さんと田中屋さんがありますけど、並んでませんな。
ほんなことはどうでもええんですけど、いや「お茶をいれる」と「お茶を濁す」と2日間お茶の話題が続いたんで、今日もお茶の話したら、三軒茶屋、いや三件茶話やな、と思って。
あ、そうそう、今日は漢字の話にしよう、そうしよう。「茶」という字はカタカナの「サ」と「ハ」と「ホ」から成っているような字ですけど、漢字的には「サ(くさかんむり)+余」なんだそうです。
「余」というのは、余裕という言葉からもわかるように、「のばす。くつろぐ」という意味だそうでして、緊張を解いて体をのばす効果のある植物、それが「茶」だというわけです。なるほど、うまいこと出来てますね。
しかし、よく見ると「茶」の下の部分は「余」ではなく、一本横棒が足らないではありませんか。どこへ行ったのか?「余」という字を字義通り一休みさせるために、「一」を休ませたのか?いや、こりゃ一休さん、一本取られましたな。めでたし、めでたし。
(追記)
さらに追跡調査したところ、実は「にがな」という汁が苦い草があって、それが「荼」と書くそうです。良薬口に苦しと申しますが、やはり体のしこりをのばす薬効があるみたい。そういえば、「荼毘(だび)に付す」はこの字ですね。
この「にがな」とまぎらわしいので、「ちゃ」の方は一画を省いて「茶」と書き、区別するようになったそうです。横棒一本は荼毘に付されたようです。
ほんなことはどうでもええんですけど、いや「お茶をいれる」と「お茶を濁す」と2日間お茶の話題が続いたんで、今日もお茶の話したら、三軒茶屋、いや三件茶話やな、と思って。
あ、そうそう、今日は漢字の話にしよう、そうしよう。「茶」という字はカタカナの「サ」と「ハ」と「ホ」から成っているような字ですけど、漢字的には「サ(くさかんむり)+余」なんだそうです。
「余」というのは、余裕という言葉からもわかるように、「のばす。くつろぐ」という意味だそうでして、緊張を解いて体をのばす効果のある植物、それが「茶」だというわけです。なるほど、うまいこと出来てますね。
しかし、よく見ると「茶」の下の部分は「余」ではなく、一本横棒が足らないではありませんか。どこへ行ったのか?「余」という字を字義通り一休みさせるために、「一」を休ませたのか?いや、こりゃ一休さん、一本取られましたな。めでたし、めでたし。
(追記)
さらに追跡調査したところ、実は「にがな」という汁が苦い草があって、それが「荼」と書くそうです。良薬口に苦しと申しますが、やはり体のしこりをのばす薬効があるみたい。そういえば、「荼毘(だび)に付す」はこの字ですね。
この「にがな」とまぎらわしいので、「ちゃ」の方は一画を省いて「茶」と書き、区別するようになったそうです。横棒一本は荼毘に付されたようです。
お茶を濁す
テーマ:言葉・漢字
2013/02/02 09:10
昨日、「お茶をいれる」について書きましたら、MashiToshiさんが「今度は、お茶をたてるについて書いちゃって下さい」と。つまり、現代っ子なら「お茶をたてて」と言われたら、ペットボトルを立てかねないんじゃないかと。ほんま、有り得ますね、それ。
さて、昔はお茶は家で淹れるものであって、店で買うなんてことは想像もできませんでした。例外として駅弁と一緒に売られていたプラスチックの容器のお茶はありましたけど、あれ妙に不味くなかったですか。
すっかり市民権を得て今やお茶に関する用語の意味を変えんばかりの勢いのペットボトルのお茶。あなたはどこのメーカーがお好みですか?私は元々は伊藤園派で、一時キリンの生茶が美味しいなと思った時期もありましたが、今はもっぱら綾鷹派ですわ。
そう、この人たちと一緒ですわ。
実際この濁ったお茶、綾鷹の人気が徐々に上がっているようで、他社もどうやら濁り茶へ主力転換をし始めているという報道もありました。ちなみに2011年時点のシェアは「お~いお茶」39%、「伊右衛門」23%、「綾鷹」が14%で「生茶」が8%だったそうです。
元々ペットボトルのお茶の濁りは雑物が入っているみたいなので各社とも濁りを取り除く技術を競ってきたのだそうですが、あえて開発に挑戦したコカ・コーラ社。濁り茶は、抹茶粉末などを加えて濁らせ、味と見た目の両方で濃厚感を引き出しているそうです。
さて、「いいかげんなその場しのぎでごまかしたり、取り繕ったりすること」を「お茶を濁す」と言いますが、語源由来事典によれば、「茶道の作法を知らないものが、程よくお茶を濁らせて、それらしい抹茶に取り繕うことから生まれた」言葉だそうです。
て言うか、綾鷹がやってること、そのまんまですやん。CMも「お茶を濁してみました~」とかやったらどうでしょう。いやいや、非常識を常識に変える、そんな綾鷹の「お茶を濁す」ようなチャレンジが今の日本には必要なのかもしれませんね。
さて、昔はお茶は家で淹れるものであって、店で買うなんてことは想像もできませんでした。例外として駅弁と一緒に売られていたプラスチックの容器のお茶はありましたけど、あれ妙に不味くなかったですか。
すっかり市民権を得て今やお茶に関する用語の意味を変えんばかりの勢いのペットボトルのお茶。あなたはどこのメーカーがお好みですか?私は元々は伊藤園派で、一時キリンの生茶が美味しいなと思った時期もありましたが、今はもっぱら綾鷹派ですわ。
そう、この人たちと一緒ですわ。
実際この濁ったお茶、綾鷹の人気が徐々に上がっているようで、他社もどうやら濁り茶へ主力転換をし始めているという報道もありました。ちなみに2011年時点のシェアは「お~いお茶」39%、「伊右衛門」23%、「綾鷹」が14%で「生茶」が8%だったそうです。
元々ペットボトルのお茶の濁りは雑物が入っているみたいなので各社とも濁りを取り除く技術を競ってきたのだそうですが、あえて開発に挑戦したコカ・コーラ社。濁り茶は、抹茶粉末などを加えて濁らせ、味と見た目の両方で濃厚感を引き出しているそうです。
さて、「いいかげんなその場しのぎでごまかしたり、取り繕ったりすること」を「お茶を濁す」と言いますが、語源由来事典によれば、「茶道の作法を知らないものが、程よくお茶を濁らせて、それらしい抹茶に取り繕うことから生まれた」言葉だそうです。
て言うか、綾鷹がやってること、そのまんまですやん。CMも「お茶を濁してみました~」とかやったらどうでしょう。いやいや、非常識を常識に変える、そんな綾鷹の「お茶を濁す」ようなチャレンジが今の日本には必要なのかもしれませんね。
お茶をいれる
テーマ:言葉・漢字
2013/02/01 09:21
1/28の朝日新聞天声人語によれば、最近は「お茶をいれる」ということを知らない子どもが増えているようだ。いや、子どものみならず「お茶って自分の家で作れるんですか」と聞く若い母親がいるらしい。何でも自分の母親がお茶を作っているところを見たことがなく、いつもペットボトルのお茶を飲んできた、と。
お茶をいれる、という言い方はおろか急須の用途すらわからない子もいるようだ。市販の飲料は手頃でいいが、文化や歴史をまとう「お茶」と無縁に子らが育つのは寂しい、と編集子は記していました。
全くその通り、と思うと同時に、お茶を「いれる」ってどういう字書くんだっけ?とふと考えてしまいました。というのも意図的なのか「いれる」が平仮名表記になっているんです、このコラム。
まあ、「入れる」なんとちゃうん?と思うんですけど、「入れる」だとまさにペットボトルのお茶をコップや湯のみにドクドクと注ぎ入れるイメージが強くて、編集子が嘆く消えゆく習慣としての「いれる」にはふさわしくないんじゃないか、と。
調べてみますと、いろいろあるんですね、お茶を「いれる」には。まず「お茶という飲み物を作る」という意味合いでは、やはり「烹れる」「点れる」「煎れる」「淹れる」があるそうですわ。
一般的ないれ方としては、煎茶とよく言いますので「煎れる」という字がすぐ頭に浮かんだのですが、これは「煎じる(せんじる)」とも書くように、お茶の葉を沸騰させたお湯に入れ煮出してお茶をつくることを言うそうな。
なので、現在普通に行われているように、火から降ろしたお湯で急須に入れた茶葉を浸してお茶を作ることは「淹れる」というのが正しいようで、「煎茶」に対して「淹茶(えんちゃ)」というそうな。やっぱり、お茶を「入れる」は「お茶を茶碗や湯飲みに注ぐ」や「「茶葉を急須や薬缶に入れる」という意味にしかならないみたい。
実は天声人語欄に1ヶ所だけ「いれる」が漢字表記されているところがありました。それは「日教組の教研集会で『今の高校生はお茶の入れ方を知らない』という報告があったそうだ」というところ。日教組さんよぉ、「入れ方」は知ってるんですよ。って、茶々をいれるのはやめとこ。
お茶をいれる、という言い方はおろか急須の用途すらわからない子もいるようだ。市販の飲料は手頃でいいが、文化や歴史をまとう「お茶」と無縁に子らが育つのは寂しい、と編集子は記していました。
全くその通り、と思うと同時に、お茶を「いれる」ってどういう字書くんだっけ?とふと考えてしまいました。というのも意図的なのか「いれる」が平仮名表記になっているんです、このコラム。
まあ、「入れる」なんとちゃうん?と思うんですけど、「入れる」だとまさにペットボトルのお茶をコップや湯のみにドクドクと注ぎ入れるイメージが強くて、編集子が嘆く消えゆく習慣としての「いれる」にはふさわしくないんじゃないか、と。
調べてみますと、いろいろあるんですね、お茶を「いれる」には。まず「お茶という飲み物を作る」という意味合いでは、やはり「烹れる」「点れる」「煎れる」「淹れる」があるそうですわ。
一般的ないれ方としては、煎茶とよく言いますので「煎れる」という字がすぐ頭に浮かんだのですが、これは「煎じる(せんじる)」とも書くように、お茶の葉を沸騰させたお湯に入れ煮出してお茶をつくることを言うそうな。
なので、現在普通に行われているように、火から降ろしたお湯で急須に入れた茶葉を浸してお茶を作ることは「淹れる」というのが正しいようで、「煎茶」に対して「淹茶(えんちゃ)」というそうな。やっぱり、お茶を「入れる」は「お茶を茶碗や湯飲みに注ぐ」や「「茶葉を急須や薬缶に入れる」という意味にしかならないみたい。
実は天声人語欄に1ヶ所だけ「いれる」が漢字表記されているところがありました。それは「日教組の教研集会で『今の高校生はお茶の入れ方を知らない』という報告があったそうだ」というところ。日教組さんよぉ、「入れ方」は知ってるんですよ。って、茶々をいれるのはやめとこ。