おとといとあさって

テーマ:言葉・漢字
このあたりではあまり使いませんが、江戸っ子などは「おととい来やがれ!」とよく言いますね。「おととい」とは一昨日のことですが、これは「をとつひ(遠つ日)」が転じたもの、つまり「遠く過ぎ去った日」から来ているようです。

「おとといおいで」とは「二度と来るな」という意味なんですが、これは「遠い日まで来るな」というニュアンスと、「一昨日に来ることは不可能=もう来なくていい」という意味をこめているという説があるようです。

「おととい」とは逆に明日の翌日を指す言葉が「あさって(明後日)」。で、またその翌日は「しあさって(明々後日)」と言いますが、この「し」については何を指すのか次のように諸説紛々のようです。

1.「過ぎし」の「し」とする説
2.「ひ(隔)」の転訛とする説
3.「再(さい)」の意味で「再あさって」が縮まった説
4.明日の重なりであることから「しき(重・敷)」とする説

ほんじゃあ、「しあさって」の翌日は何と言うのか?関東では「やのあさって」と言うようで「やの」は「弥(いや)」と同じで物事がたくさん重なることとか、程度がよりはなはなだしいことを指すようです。

関西ではそんなことは言いませんよね。「し(四)あさって」の次の日は「ご(五)あさって」、またその次の日は「ろく(六)あさって」....と延々と続けることができます。もっとも、「ひゃく(百)あさって」とか言ったって、いつのことかさっぱりわかりませんね。

辞書にも掲載されておらず由来のはっきりしない「あさっての方向」なんて慣用句がありますが、このいい加減な関西の「〇あさって」表現から来ているのかもしれませんね。

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