<<最初    <前    2  |  3  |  4  |  5  |  6    次>    最後>>

紳士だろ~

テーマ:よもやま話
今年も学校訪問の季節がやってまいりました。長浜市内の小中学校は全部で40校以上ありますので、4年間で1回ずつ行くとしても1年間に10校以上回らないといけない計算になります。今年私は都合4日間で14校訪問する予定です。

昨日は、旧湖北町、高月町に在る4小学校を訪問したのですが、ある小学校の3年の道徳の授業。若い女の先生でしたが「さあ、このお話には何人かの登場人物がいましたね。どんな人がいましたか?」と質問されますと、生徒たち「はい、は~い!」と元気よく手をあげて、次々と登場人物を挙げていきます。

おまわりさん、おばさん、お姉さん達とか次々と出て来まして、最後に男の子が「白髪の紳士」と。「白髪の紳士ぃ~?みんな、『はくはつのしんし』ってわかりますかぁ~?」と先生。「『はくはつ』っていうのは『しらが』のことやな。」と言った後、「『しんし』ってどういう人かな~?」

そして何を思ったか、手のひらを上にして下の方から遠慮がちに私の方を指して「あちらは紳士ですかぁ~?」と問いかける。聞かれた男の子、私の方を一瞥し、「いやこいつはどうもそうではなさそうやな」という顔をして、別の人の方を向いてしまったではないですか。

その後、先生「『しんし』の意味わからんか~?わからんかった調べてみよう」。そう仰った瞬間、いっせいに生徒たち、自分のカバンから国語辞典を取り出して調べる、調べる。でね、みんなの辞書にはカラフルな付箋がいたるところにつけまくってある。調べた箇所に貼って日付を書いてるんですね。

今の子は電子辞書しか使わないと思っていたので、ちょっと嬉しくなりました。紙の辞書って重くて持ち運びには不便ですが、前後に書いてある言葉なんかも見て、新しい発見をする言葉の道草が楽しいんですよね。

さて、辞書には確か「紳士」とは「礼儀正しくて上品な男の人」といった感じのことが書かれておりました。「さあ皆さん、紳士ってわかりましたかぁ~?」と先生が仰ったところで我々は教室から退出の時間となったのですが、部屋を出る時に先ほどの少年がこちらを見ておりましたので、私、自分を指さして「紳士ね、紳士よ、わかるね」

少年は、こっくりと頷きました。いや~、いい授業でしたな。



(追記)
本文とは全く関係ありませんが、告知です。昨晩、三役修業塾の稽古に行きましたら、塾長から「そろそろブログで宣伝してもらわな困ります」と促されましたので...。

え~、明後日、つまり2月10日(日)午後2時より曳山博物館伝承スタジオにて、「三役修業塾浄瑠璃発表会(素義会)」を開催いたします。もちろん入場無料です。お時間ございましたらお運び下さいませ。床暖房きいてますし、浄瑠璃聞きながらの昼寝、気持ちええですぜ。

くるくる鍋

テーマ:よもやま話
一昨日の朝日新聞の夕刊に出てて知ったんですけど、最近「くるくる鍋」なるものが大流行なんだそうですね。ついに寿司だけでなく鍋まで回すんかよ、と言いたくなりますけど。

回転鍋というのもありですかね。小振りの鍋が次々に回ってきて好みのを取って食べる。いや、あんまり沢山の種類の鍋食ってもなあ。おでんなんか一品ずつ回って来てもええかな。しかし、冷めてしまうか。

という様なくるくる回る鍋ではないみたいです、これは。え~、百聞は一見に如かず。下の動画を見ていただきましょう。これを見る前には妻と「これでしゃぶしゃぶとかしたら肉を箸で持ってんでもええな」、「いや、自分が狙っていた肉が全部他の人に取られてしまうやん」と言い合っていたのですが...。



いや~、意外に回転する渦の速度が速いですね。鳴門のうず潮みたい。これだけ速いと落ち着いて鍋を楽しむ気には到底なれませんな。どちらかというと煮物やら麺を茹でるのに便利なんかな。これを考案したのは愛媛県の歯医者さんだそうで、何と世界中から今問い合わせと注文が殺到しているのだとか。

なんか、アロマ大使さんの回り灯籠の原理と似ているような感じですが、お値段は9800円だそうです。奥様ぁ、ご家庭に一つ如何でございましょうかぁ。

身をやつす

テーマ:言葉・漢字
先日、おおのさんのブログ「曳山祭りにむけて始動」を読んでましたら、hokkorinさんの「祭りを楽しみにしてます」というコメントに対する返事でゲッティさんが、「やつしてお越しください」と。

え?やつして来るって、まさか「身をやつして」来いってことかよ、と首をひねってしまったんですけど、「やつす」って京言葉で「おめかしする」ってことなんですね。これは知らんかったわぁ。

普通、「やつす」と云えば逆にげんなりしてしまっている様子を想像してしてしまうんですけど、辞書で引きますと何やら仰山意味が出てまいります。

まず、①目立たないように姿を変える。みずぼらしい姿にする、というお馴染みの意味に加えて、②やせるほど思い込む③出家する④省略する⑤くつろぐ⑥まねる、とてんでんばらばらの意味が出て来て、最後に⑦化粧する。めかす。やっぱりあるんですね、「めかす」の意味が

そして漢字がまた難しい。「す」または「す」とある。

前者は「穴+婁(ちぢまる)」で、「貧しくてちぢこまっている、みすぼらしくなる」という意味なんですが、後者は「人+肉+小」ですから、まさに「細くてスマートなさま」を表すそうです。そうか、つまりこちらの字はいい意味で使われるんですな、多分。

しかし、そのうち「身をやつす」ってのも、ダイエットに成功して格好良くなるっていう意味になるんでしょうかね。

團十郎さんまでが

テーマ:曳山・歌舞伎
役者というものを人柄や性格も含めて評価するとしたら、この方の右に出る歌舞伎俳優は居ない。そんな市川團十郎さんがお亡くなりになられました。昨年暮れ、勘三郎さん逝去の直後に肺炎で入院というニュースを聞いた時の嫌~な予感がこんなにも早く現実のものとなってしまうとは。

それにしても、ここ2年間で、富十郎、芝翫、雀右衛門、勘三郎、團十郎と名役者が相次いでこの世を去るとは。新歌舞伎座の杮落しを4月に控え、歌舞伎界は一体どうなってしまうのでしょうか。

2004年に発症した白血病との闘い。妹さんから受けた骨髄移植で血液型がA型からO型に変わり、治療の過程で無間地獄を体験した程ですから、もはや死を恐れるということは無かったかもしれません。それよりも気がかりは息子海老蔵のことだったのかも。

関容子さんが「海老蔵と團十郎」という本の中で書かれていましたが、團十郎さんは奔放な息子海老蔵を「強面で表面的には恐い顔をして強硬な態度に出る。それでいてパッと叩かれるとヘナヘナと結構弱いんです」と。神経質で鋭利で繊細な海老蔵に対して、大らかで大きくて包容力のある父團十郎。

團十郎さんは決して器用な役者とはいえず、鼻にかかったようなセリフは若い頃から酷評されたこともあったようですが、野原明さんが「平成の歌舞伎」という本の中で書いていた、「発声やセリフ回しも欠点を飲み込んで次第に團十郎らしさにしてしまった」というのは、その通りかもしれません。

まさに彼の途轍もない包容力が観衆をま~るく包み込んで安心感を与える、そんな役者であったように思います。演じる役者によって、登場人物の性格が変わることがあっていいのかどうかわかりませんが、團十郎さんが演じるとどんな悪役でも性根は善人、そんな風に思えるほどでした。

父である11世團十郎は「大切なのは字でいえば筆勢であって形ではない」と言ったそうです(上村以和於「21世紀の歌舞伎俳優たち」)。達筆ではないけれど、たっぷりと墨を含んで太くて大らかで、ほのぼのとした気分にしてくれる、そんな字を書き上げる役者だったような気がします。團十郎さんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。

調剤薬局バブル

テーマ:よもやま話
朝日新聞の中に、第一線で活躍している経済人、学者などの社外筆者の執筆による「経済気象台」というコラムがあるのですが、1/31のそれは「調剤薬局は花盛り」というものでした。

私も最近は諦めムードなんですが、このブログでいわゆる院外薬局の不便さや薬価が高くなる不条理を嘆いてまいりました。しかし、そんな庶民の声とは裏腹にどんどん進む医薬分業。当コラムによれば、95年に20%だった分業率が昨年度は64%まで高まり、調剤医療費は6.5兆円にも達しているそうです。

おかげで、調剤薬局各社はどこも増収増益。求人広告には「高収入、高待遇」を謳った薬剤師の求人広告があふれ、昨年は大手調剤薬局チェーンの社長の役員報酬が6億円を超えて話題になったのだとか。

まあ、成功者に対するやっかみはともかく、そんなに儲かる原因はどこにあるのか?このコラムの元ネタになっていると推測されるFACTAという雑誌の「調剤薬局バブルの不条理」と題する記事があるようですが、それによれば、厚生労働省の利益誘導政策が背景にあるといいます。

例えば、調剤技術料、と言っても処方箋通りに薬を袋に詰める作業料なんですが、これが院内処方に比べて院外処方だと点数が3~5倍になる。その他さまざまな優遇策が取られ、結果として患者は院内処方の時に比べて高額の薬代を払わされている、とありますが、その事実は私自身が証明いたします。

また「患者の多くは調剤薬局の処方が病院より高くつくことを知らない」と記事は指摘しており、それでも行政が医薬分業に邁進してきたのは「薬漬け医療をなくせば医療費を抑えられるという盲信」があったからだが、その目論見は見事に外れて、薬剤料の増大でトータルの医療費も増大していると。

先日、コンビニの数だけガソリンスタンドが減ると嘆きましたが、調剤薬局は全国に5万3千店とコンビニの4万4千店を超える数になっているそうです。八幡中山の交差点、フタバヤさんの向かいが更地になりましたが、あそこにもコンビニと調剤薬局併設のドラッグストアが建つそうです。
<<最初    <前    2  |  3  |  4  |  5  |  6    次>    最後>>

アーカイブ

最近の記事一覧

カレンダー

<<      2013/02      >>
27 28 29 30 31 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 1 2

ブログランキング

総合ランキング
2位 / 1569人中 keep
ジャンルランキング
2位 / 816人中 keep
日記/一般

フリースペース

HTMLページへのリンク

プロフィール

このブログの読者

お気に入りブログ

参加コミュニティ一覧