千穐万歳

テーマ:曳山・歌舞伎
昨日は午後8時から鳳凰山山蔵前にて千穐楽。今年は自身長浜の祭で初めて「置き浄瑠璃」、つまり♪めでたけれ~の後に、何が何してなんとやらと一節語るやつをやったのですが、中にひときわ、チン、チンの後の「ほうおうざん」を思い切り「ほう~~~~おうおうおう~~ざ~ん」と張り切りすぎて脳が酸欠状態に。

今回の仮名手本忠臣蔵九段目山科閑居は、若衆筆頭のK君のたっての希望で決まった演目ですが、戦後初めての上演、しかもプロが演っても難しい芝居で、浄瑠璃がこれまた難曲、今までに聞いたことのない節回しや間(ま)が登場して最後まで悩みました。

それでも振付さんの指導、役者諸君の頑張りは見事で、結果的には最近やや廃れがちな純粋な義太夫狂言の牙城を守る「いい芝居」になったのではないかと思います。私の浄瑠璃も最初のうちは、芸を「邪魔しな閑居」から最後は「ややましな閑居」くらいにはなったかな?

思えば小学校5年の時に2回目の役者で出場する予定が祖母の急死で叶わなくなった時の芸題が「碁盤太平記」いわゆる元禄忠臣蔵の山科閑居でした。今回、仮名手本忠臣蔵の山科閑居を語れたことで自分の中での仇討ちはできたような気がいたします。

今回はプロの尺八奏者の武田旺山氏が劇中生演奏で「鶴の巣籠」を演奏して下さいましたが、こんな近くでプロの笛の音を堪能することができる幸せにも恵まれました。楽器といえば、太夫にとって「歯」こそが楽器であると聞いたことがあります。

大層疲れましたので帰ってバタンキューだったのですが、夜中につばを飲み込むと喉の痛みを感じ、その都度歯をくいしばって耐えている自分に気がつきました。知らず知らずのうちに色々なところで歯を酷使しているのかもしれません。


くいしばり かみしみて する 義太夫や
遠からずうち ぎしうち入る


山科閑居の後、義士は討ち入っても、義歯は打ち入れたくないものです。ご高覧いただきました皆様、鳳凰山の関係者の皆様に心より感謝申し上げます。ありがとうございました。

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