やみやみ

テーマ:曳山・歌舞伎
今年度、鳳凰山が演じる「仮名手本忠臣蔵九段目 山科閑居の場」。あらすじを書いていると長くなるので省きますが、大星由良之介(大石内蔵助)の妻お石のセリフに次のようなものがございます。

「主人塩谷判官様、高師直にお恨みあって斬りかけ給う、その時本蔵殿が抱き止め、殿を支えたばっかりに、ご本望も遂げたまわず、殿にはやみやみご切腹....」

要するに加古川本蔵という人が、殿中で高師直(吉良上野介)に斬りかかった塩谷判官(浅野内匠頭)を抱き止めて邪魔をしたおかげで、塩谷判官は本望を遂げられずに切腹させられた、と愚痴っとるわけです。

で、本題の趣旨とはあんまり関係ないんだけど、最後の「やみやみご切腹」に注目。この「やみやみ」という表現、よく歌舞伎のセリフに出てまいりますが、一体どういう意味なのか?

これ「なにもできないさま、みすみす、むざむざ」という意味だというのは前後の文脈からおおよそ推定はできるのですが、漢字で「闇闇」と書くみたいですね。

つまり、闇の中で何がなんだかわからないうちに、斬られていたとか、物を盗られていたとか、そういう状況を表現したものなんでしょうね。電気が普及して真の闇というものをあまり感じることのできない現代人にはできない表現法かもしれません。

むしろ英語がだんだん一般化してきている現代ニッポンでは、「ヤミヤミ」と言うと「美味しい」という意味の英語の俗語表現「Yummy-yummy」を思い浮かべる人の方がはるかに多いかもしれません。

ま、先の「やみやみ」のセリフ、言ったのは確かに「お石(美味し)」なんだけど。

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