赤貝の色

テーマ:よもやま話
以前にも書きましたが、発酵学者の小泉武夫氏が日経新聞に「食あれば楽あり」というコラムを執筆されております。6/4のそれは「初夏の握り鮨」という題でして、氏は季節の変わり目に行きつけの鮨屋で、その時の旬の魚介を握ってもらうのを楽しみにされているそうです。

ちなみに初夏の旬の魚介として出てきたのは、コハダ、赤貝、イサキ、マゴチ、マアジ、クルマエビ、ウニ、アナゴ、フッコ、アオリイカ、シャコ、トリ貝の12種。例によって、「うま味がチュルチュル」「失神寸前のうまさ」とか聞き飽きた表現のオンパレード。

いや、もう味の表現はどうでもええんですけど、気になったのは赤貝を評した次の部分。「貝は光沢を放ち、代赭(たいしゃ)色が天然美食の妖しさを浮かべている」。代赭色って初耳なんですけど、わかります?

ちなみに代赭色とは「JISの色彩規格では『くすんだ黄赤』。一般に、赤土から作られる天然の酸化鉄顔料の色をさす。やや明るい茶色。茶色より赤みと黄色みが少し強い。赤土は別名「赭」ともいい、中国代州で産出する赤土が有名だったことから、この名がついた」とあります。

辞書によっては、「ベンガラ色に同じ」とありますが、色見本では全く違う色なんですね。で、同じ色相でも様々な色があって、それぞれにそれらしい名称がついていることがわかります。

中国代州で産出する赤土から「代赭」となったとありますが、この代州というのがまたよくわからん。かつて隋代に中国に存在した州で今は無いそうな。

それとね、赤貝なんですが、こちらは「呼吸色素がヘモグロビンと同様に鉄プルフィリンを補欠分子団とするエリトロクルオリンのため血液が赤く」、これが名前の由来だそうですが、要は赤い血が流れているのね。

しかし、小泉武夫氏が赤貝を表現するのに使った代赭色。言われてみれば確かにそんなような色ですわね。「食あれば楽あり」。味のみならず色をも楽しんでこその食なんですね。

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