ハジムーン

テーマ:よもやま話
え~、実は本日銀婚式を迎えました。つまり、今から25年前の1987年6月6日、私たち夫婦は結婚式を挙げたわけです。そこまでは目出度かった。いや、その後もっと「おめでたい」ことが....。

結婚式の翌日、当然のごとく新婚旅行、つまりハネムーンに旅立つわけであります。東京で式を挙げましたので成田から飛ぶわけですが、その前に箱崎のTCATで通関を済ませます。行き先はタヒチなのですが、当時は直行便が無く、ハワイ経由。ちなみにタヒチは赤道を挟んでハワイと対称の位置にある「最後の楽園」。

当時私は某石油会社で製品輸入を担当しておりましたが、バブルの少し前ということもあり、取引のあった商社などから頂戴した御祝で一人分の旅費が出るような時代でした。さて意気揚々と箱崎へ向かう二人。通関のところに座っていたのは、やや小太りのメガネをかけていた中年女性と記憶しております。

さっとパスポートを提示したところまでは良かった。ところが、この通関婦いや通関士さん、無表情に、実に無表情に、顔色一つ変えず言い放った言葉が「ご主人のビザが切れてます」。「はぁ~?どういうことですか?」「アメリカのビザが無効だということです」「そんなあほな。パスポートはまだ有効ですやん」

そうなんです。大学の卒業旅行でアメリカ西海岸に行った時にパスポートを取得してからまだ4年3ヶ月。ところが、当時、当時はですよ、ビザの有効期間は4年。つまり、パスポートは生きていたのにビザは死んでいた。→アメリカ行けない→ハワイはアメリカ→ハワイ、すなわちタヒチも行けない。

どうしたらええねん!っとそこにあった旅行会社に駆け込みます。近畿何とかという会社でしたが、「とりあえず何ともなりません」と。今なら「お前んとこのせいや!とりあえず国内旅行準備して、その後ただで行かせろ!」とでも言ったのでしょうが、「こちらも不注意でした」と、とりあえず新居に戻る二人。

帰ってから、「オーストラリア経由なら何とか準備できますが、旅程がかなり短縮されます」という旅行会社からの電話。結局、あきらめて1ヶ月後に同じ旅程で組み直して仕切り直しということに。しかし、この時の妻の態度にはほんと感謝しましたわ。怒ることもなく許してくれました(以後頭上がら~ず)。

翌日、私は会社に向かいました。新婚旅行で当分の間休むはずの私がそこに現れたことに戸惑わない人は誰一人居りませんでした。正直に事情を話すと大爆笑。ところが、外部から来るお客さんは私の存在を確認すると、遠くから横目で私を見ながら、他の人とひそひそ話。

内容はおよそ推測できます。「◯◯さん、どうなされたんですかぁ?成田離婚?」に決まってます。こうして、私はほとぼりが覚めるまで会社中の晒し者としてしばらく過ごすことになったのです。

なお、地元の長浜八幡宮で結婚式を挙げる前に東京で済ますことに不満だった父だけが「ほれ見てみ、バチが当たったほん」と満足気だったようです。おお、八幡大菩薩よ!

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