霰もない雹

テーマ:言葉・漢字
ゆうこりんさんのブログによれば、先日木之本では霰(あられ)とも雹(ひょう)ともつかない物体が降ったそうな。そもそも霰と雹はどこでどう見分けるのか?

まあ、一般的には5mm以下のものを霰、それ以上を雹とするようですが、雪の粒に多数の雲粒がぶつかって、これが凍結してそのまま降ってきたものが「あられ」。まさに字のごとく「散る」ようにパラパラと降ってくるわけですね。

一方の「ひょう」。雪に衝突する雲の水分が多いと、あられの周囲に水の膜ができるんだそうです。これが凍結するとひょうができ、そこにまた水の膜ができ凍結する、なんてことを繰り返すとだんだん大きくなるわけですね。つまり字のごとく水分を「包みこんで」大きくなったのが「雹(ひょう)」ということでしょう。

ちなみに世界最大の雹は1917年(大正6年)に埼玉県の熊谷で観測された直径29.6cmのカボチャ大のものだそうです。どんだけでかいねん。しかし、熊谷というところは確か、日本の最高気温も記録していたような。

あ、そうそう、霰も雹も俳句の季語になってるんですけど、霰は冬の季語なのに対し、雹は夏なんですよ。春に木之本に降ったのはどっちなんだ?

さて、「あられもない」なんていう表現がありますが、こちらは「霰」ではありませんで、動詞「あり」に可能の助動詞「れる」が付いて名詞になったもの。なので、「あられもない」とは「あり得ない」「あるまじき」ということで、特に「女性の身だしなみや振る舞いとしてふさわしくない」という意味で使うようです。

こういうものを、大阪のおばちゃんのまねをして迂闊に着たりすると、「あられもないひょう女」と言われるかもしれませんよ。

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