緯度端怪談

テーマ:よもやま話
「のちに小泉八雲と名乗るラフカディオ・ハーンは、島根県の松江をこよなく愛した。この城下町に古い日本を見いだし、妻のセツとも出会っている。名作『怪談』の想を得たのも松江だという。そもそも、八雲とは出雲にかかる枕詞(まくらことば)だ。」で始まった、昨日の日経新聞の春秋欄

この後が意外で面白い。つまり、松江を愛したはずのハーンだが、雪と寒さに音を上げて実は1年あまりしか住んでいないのだそうだ。やまぬ吹雪に凍えたハーンは、友人への手紙に「天候の悪さは悪魔的」と繰り言を書きつらねたりもしたらしい。

「来日してしばらくは横浜にいたハーンは、日本海側では気候が一変するこの国の冬模様に驚いたに違いない」と編集子も書いているが、ここ長浜は松江と同じように日本海側の気候であり、特に今冬は例年に比べても寒さが厳しく雪の量も多い。

さて、最近でこそYahoo!天気情報などネットで地域ごとの天気予報が見られるが、かつては新聞などでは近くの都市の天気から類推せざるを得なかった。近畿地方とはいえ大阪の天気は参考にならず、名古屋でもないし、日本海側気候ではあるが金沢とまではいかない。

もうかなり前のことだけど、友人のK君(先日十日戎で靴を間違えられた男)曰く、「あのな~、新聞の天気予報はなぁ、松江を見たら長浜に一番近いわ」。で、しばらく彼の助言に従って日々確認していくと、なるほどなるほど、確かにその通り。

「松江はなあ、長浜と緯度がほとんど一緒なんやわ」というのがK君説の根拠。え~?そうなん?と思って調べてみると、長浜が北緯35度23分、松江は北緯35度28分。つまり湖北一帯と同緯度と考えていいわけだ。天気は西から変るので、時間的推移を考慮すればなお予報精度は上がるとも。

さて、他にどんな都市が長浜と緯度が同じくらいなんだろう?と調べてみると...。まず岐阜(北緯35度25分)、ここは地理的に近いし、すぐ納得。でも意外だったのは横浜(北緯35度26分)。随分南にあるような気がするんだけど。

それにしても気候は全然違うじゃないのさ。来日してしばらく横浜に居たというハーンさん。松江がまさか横浜と同緯度だったとは...。何をおいても彼にとってはそれが一番の怪談だったかも。

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