テレマカシー

テーマ:まちづくり
昨日の午前中は、盆明けで雑務の整理に追われていましたら、店頭で「胡麻油15本下さい」なんていうお客さんの声が聞こえて来まして、こりゃ大漁やん、だれそんな気前のええ人は?と思っておりましたら、そのうち私を呼ぶ番頭さんの声。

「は~い」と返事して店に出ますと、そこに立っていたのはA彦ちゃん。相変わらずの笑顔で「お盆で帰って来たさかいな、ちょっと寄ったんや」ってことで、Tシャツ、半ズボン、にポーチにサンダル姿。とても医者の格好とは見えません。

そう、そういうやつなんです、彼は。虎高の同級生で自治医科大を卒業し、現在栃木県宇都宮市で開業医。までは知ってたんですが、帰り際に「これまた読んでみて」と手渡された冊子。ひばりクリニック通信「テレマカシー」という名前がつけられていました。

彼が取り組んでいるのは「在宅医療」で、診療は半分以上が訪問診療。その延長として「重症障がい者レスパイトケア施設」の運営も行なっているそうです。ちなみに「レスパイトケア」というのは、通所(デイサービス)や通園と違い、臨時の預りという位置づけなんだそうです。

つまり、普段介護や世話をし続けている家族に対しては、ケアからの一時的解放そして自分固有の時間を得る機会を提供し、子どもたちにとっても自分を他人に委ね生活の幅も広がる体験ができる場ということです。

冊子にその施設の収支状況が載せられていましたが、かなりの赤字で彼自身が私費を投じて成り立たせているのだろうと想像がつきます。しかし、彼に動かされたのか、宇都宮市では独自の地域生活支援事業「日中一時支援」を創設し、先駆的な事例として全国的に注目を集めているそうです。

彼自身も、地域医療ケア活動の啓発のために全国各地域を回っているようです。私のブログの読者には同級生も多く、またこうした分野に興味をお持ちの方もいらっしゃると思い、紹介させていただきました。彼のクリニックのHPはここをクリック。高校の時から全く変わらない若々しい笑顔で頑張っている彼に声援を送りましょう。

ちなみに、「テレマカシー」とは、インドネシア語で「ありがとう」。彼が在宅で看取った患者さんが、海外旅行が大好きで、その方が最期にご家族に残された言葉なんだそうです。それは同時に素晴らしいターミナルケアを提供した彼への感謝でもあったはずです。

A彦ちゃん、これからも頑張ってね~。そして、たくさんのお買い上げ、「テレマカシー!」

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