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餅まき

テーマ:よもやま話
今年は長浜十日戎復活50年祭ということでさまざまな催しが準備され、金・土・日と日の並びもよく、沢山の参拝者が期待されるところです。

さて、私は初日の9日に丸1日ご奉仕させていただきまして、昨日は十日集金を済ませ、ご祈祷を受けるべく3時前に豊国神社に向かいますと、

ちょうど、私どもの店のある博物館通りと大手門通りの交わる辻のところに人だかりが。
そう、餅まきです

大きな鯛車に乗った市長さんがえべっさんの扮装で四方八方に餅をまいておられます。しかし、餅まきというのは遠巻きに客観的に見ておりますと実に滑稽ですね。

「こっち、こっち~」と大声を張り上げて手招きをする人。無言でぽかん口を開けてひたすら運に任せる人。人が取り損ねて下に落ちるのを虎視眈々と狙う人。もちろん、自分も当事者になれば餅の獲得に血眼になるわけですが。

しかし、これはどう見ても、鯉のえさやり。私は餅まきの役をやったことはありませんが、あれは一度やると病みつきになるそうですね。わかるような気がいたします。

餅をまく、の「まく」の字は「蒔く」や「播く」ではなく「撒く」の字が使われますが、まさに「手で散らす」=「ばらまく」の意がよく表れております。ちなみに「蒔く(播く)」は「土の上に種を散らして軽く土をかける」という意。

さて餅まきの間、辻は人だかりで行き来もならず、豊国神社に向かおうにも隙間もない状態。「どいて、どいて」と言うのも大人げないので、タイミングを見計らってアメフトのランニングバックよろしく人波をすりぬけましたところで、本日の幕(まく)。

ほるもんから焼き肉へ

テーマ:よもやま話
1/5の朝日新聞に、戦後70年間深く交わってきた日韓の食についての特集記事が掲載されていたのですが、その中に「焼き肉 拒み 受け入れた」という見出し。

「戦後日本で急成長した焼き肉は在日コリアン社会で育まれた」と書かれていましたが、私たちの子供時代に今のような焼き肉を食べた経験はありません。「ホルモン焼」という呼び名を聞いた記憶がかすかに脳裏に残っていますが、食べるに値しないもの、という響きがあったように思います。

私が初めて焼き肉を食べたのは確か高校卒業の頃か。大学合格祝に従業員さんに彦根まで食べに連れて行ってもらった覚えがあります。それでも学生時代は食べた記憶が無いし、ようやく社会人になって「こんな旨いものが世の中にあったのか」と思うようになりました。

記事には80年代に日本企業が開発した無煙ロースターが、煙くて臭いといったイメージを変え、大衆化、高級化を加速した、とありますから、私が焼き肉に抵抗なく旨いと感じた時期とちょうど一致します。

さて、「あまり意識されていないことがある。カルビは韓国語、ハツやタンは英語、ホルモンはドイツ語に由来する。ミノは日本語だ。焼き肉のメニューには多彩な文化があふれている」とも書かれていました。

なるほど、そう言われるとあまり意識したことがありませんでした。ハツはheart(心臓)でタンはtongue(舌)でしたっけ。ミノは切り口が蓑傘に似ているからだそうな。知らんかったなあ、それは。

知らんかったついでに、「ロース」というのは肉の部位を指す言葉ではなく、ロースト(roast)の「ト」が脱落したものなんですってね。つまり「ロースト(焼き肉)に適した肉」っていう意味なんだとか。

日本人の肉(牛+豚+鶏)の一人あたり消費量は、私が生まれた1960年に年間3.5kgだったのが、69年には10kg、78年に20kg、そして2013年には30kgを超えたそうです。

昔、ホルモンが「放るもん」、つまり捨てられるようなもの、が由来だと言われたのも、肉食を拒み在日コリアンを差別してきた日本人の歴史が映されていたんでしょうね。

「朝鮮半島の食と酒」(鄭大 馨/中公新書)という本に、「ホルモンは『ほるもん』ではない。朝鮮人が自ら食すものは捨てない」と書かれていました。戦後70年、日韓の間にはまだまだ「ほるもん」がいっぱい取り残されているような気がします。

了解ウォッチ

テーマ:言葉・漢字
最近子供たちの間で大流行とやらの妖怪ウォッチ。「あれはポケモンとどう違うんや?」と聞くのが関の山で、さっぱりわけがわからんのですが、正月の日経プラス1の「コトバ百貨店」に「了解ウォッチ」なる言葉が。

これ、「妖怪ウォッチ」に「了解」を引っかけたダジャレで、「では、そういうことでお願いいたします」「了解ウォッチ!」というように、「わかりました」の意味で使われる新語なんだそうです。

なるほど、こういうのを「付け足し言葉」というようで、意味のない言葉をくっつけて語呂をよくするわけですね。古来地口を愛する日本人は様々な表現を生んでまいりました。古いところでは、

「合点承知之介」「その手は桑名の焼きハマグリ」「恐れ入り谷の鬼子母神」「驚き桃の木山椒の木」などがありますね。

ちょっと時代が下ると、

「あたり前だのクラッカー」「困った困ったこまどり姉妹」「しまったしまった島倉千代子」「I'm sorry ヒゲソーリ」

私が大学、サラリーマン時代に聞いて自分も多用していたのが

「意味なし芳一」や「冗談はよしこさん」、あとは「エッチ・スケッチ・サンドイッチ」「とんでもハップン、歩いて15分」とか。

「何かようか(八日)九日十日」というのもあるそうですね。何かようかどころか、九日十日十一日は長浜十日戎。皆さん、ぜひお参りに来て下さいね。「了解ウォッチ!」

旧年中は

テーマ:よもやま話
お正月で面倒なのが、いや面倒だなんていうと語弊がありますが、とにかく知人に年明け初めて会った時の挨拶が厄介。一人、二人ならともかく次から次へと会ったりすると正直辟易として参ります。

いや、単に「あけましておめでとうございます」だけで済むんならいいんですよ。普通に「おはようございます」とか「こんにちわ」にちょっと毛のはえたようなもんですからね。

ところが新年のご挨拶はそうは参りませんで、「あけましておめでとうございます」と言った後に、「本年もどうぞよろしくお願いいたします」。いや、これだけならまだ許せる。この間にご丁寧に「旧年中はいろいろとお世話になりありがとうございました」なんていう文句が挟まれるわけ。

子供時代はこんなややこしい挨拶はいたしませんでしが、年かさが増してくるに連れて欠かせなくなってくるんですね、これがまた。しかし「旧年中」ってどうよ。旧年なんて普段言うかぁ~。

「旧年」を大辞林で調べて見ると、「去年、昨年」と出てくる。もう一つ挙げると「前年」なんていう言葉もある。しかし正月の挨拶では、去年も昨年も前年も使われず、旧年が「ここはオレ様の出番だぜ」とばかりにしゃしゃり出てくるわけですね。

「昨年中」はともかく、「去年中」じゃ語呂が悪いし、「前年」は「翌年」の対語だもんな。あ、そうか、新旧っていうくらいだから、「旧年」は「新年」に対する語なんですね。

大辞林ではあっさりと定義されていた「旧年」でしたが、語感の辞典では、「新しく始まった年から振り返って、過ぎ去ったばかりの年をさし。。。。、年の初めに正月気分で使う」とご丁寧に書かれております。

とっても面倒くさいんだけど、「あけましておめでとうございます」「本年もよろしくお願いします」という二枚のパンに挟まれたサンドイッチの具だと思ってあきらめるか。具なしのサンドイッチは味気ないもんね。てことで、皆さん「旧年中はいろいろとお世話になりました」

裏白の向き

テーマ:よもやま話
今年は4日の夜に鏡開きを行ったのですが、毎年大晦日にお餅屋さんから届いた鏡餅を三方に乗せ、床の間、店、そしてスタンドに飾るのが習いとなっております。
(3日経つとひびが入りますね)
でね、毎年、毎年、「あれ?どっちやったっけ」と迷うのが裏白の向き。そう、緑色した表を上にするのか、白い方の裏を上にするのか。母に聞くと「裏の方が上やがな」

見栄え的には、緑色の方が鮮やかで格好良いように思うんですが、まあしゃあないかと言われたとおりに裏を上に。なるほど、こうすると葉が上方に反りますから、その点に関しては利にかなっているような。

しかし、どうして裏を上にするのだろうか?と思って調べてみると、「地方の風習や、また個人の好みによりますので、どちらが正解とはいえませんが、裏面の白い方を見せて飾られる場合が多いのではないでしょうか。」とあり、続けて

「裏白は『裏を返しても白い、純潔な心』という語呂合わせの他にも、常緑で葉が落ちずに次の葉が生まれてくる縁起の良さや、歯朶(しだ)と呼ばれ『齢を延ばす』長寿の語呂合わせがあり、その意味では、緑鮮やかな方を表にしてもおかしくはないと思います」と。

ははぁ、なるほど。どっちでもええわけですね。しかし、敢えて「裏白」などと裏を強調する名前がついているわけですから、やっぱり裏が白いところをを見せるべきなのかもしれませんね。

ちなみに、裏白は別名「裏白羊歯」とも。「羊歯」は今年の年賀状の漢字穴埋めクイズにも出したんですけど、これで「シダ」と読むんですね。でも羊の葉ってほんまにあんな形してますんかいな?
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