めんよう

テーマ:言葉・漢字
今年はひつじ年ですが、羊のことを確か「めんよう」と言うよね、と思い辞書を引いてみると、これ「綿羊」もしくは「緬羊」と書くんですね。

しかも、これ家畜の羊のこと(特に毛用のもの)で、野生のものと毛質が違い、一年中毛が伸びつづけるんだそうです。

実は私、「めんよう」と聞くと別の言葉がすぐ思い浮かびます。もう30年くらい前だったでしょうか、NHK大河ドラマで「独眼竜政宗」が放映されました。渡辺謙演ずる伊達政宗が主役で、確か大河史上最高視聴率を記録したのではなかったかな。

この番組、やたら時代がかった言い回しが頻出し、勤めていた会社の部署の中でちょっとした流行りになったことを覚えています。「ご尊顔を拝し、恐悦至極に存じ上げます」とか「それは重畳」とか。そのうちの一つに「はて面妖な」というのがありました。

「面妖」とは「不思議なこと」や「怪しいこと」で、「はて面妖な」というと「これは不思議だ。ちょっと怪しい」という意味なんですね。これ流行りましてね、マーケットが異常な動きを見せた時や、上司の言動がおかしかったりすると「はて面妖な」と。

辞書には面妖は当て字で、元は「名誉」が変化した「めいよう」がさらに変化したもの、なんて書いてありますけど、ホントでしょうか?ま、確かに地位とか勲章とか名誉に関することは、怪しく不思議なことが多いですけど。

「面妖」は副詞的に用いられると「どういうわけか」という意味になるそうですが、あろうことか用例として「面妖、義太夫を好む者は、気が理屈臭く ...」なんて書いてあるではありませんか。

何か自分のことを言われているようで、思わず「はて面妖な」と言いたくなりましたが、義太夫も綿羊のように、一年中伸び続けるように今年も努力いたしたく存じます。

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