油買うもよし、売るもよし。楽しく老いるためのオイル日記
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民主主義の危うさ

テーマ:政治
大阪都をめぐる住民投票で僅差で敗れた橋下徹大阪市長。敗軍の将は兵を語らずと申しますが、実に爽やか、いや爽やか過ぎる印象を感じました。

「こっちが戦を仕掛けて、多数決でやられたんだから潔く負けを認める」とか「負けても命を取られないんだから民主主義はやっぱりすばらしい」としきりに民主主義の素晴らしさをたたえておられました。

しかし、橋本さんが負けたからこそそうなったわけで、もし勝っていたら負けた側の言い分など一切否定して、いわゆる独裁に突き進む危険性を感じるような会見でもありました。

西部邁氏が著作の中で、民主主義について次のように書いておられました。

「ケネディは『デモクラシー』の危うさを体現したと思うんです。デモクラシー、日本人は民主主義と訳しているけれども、を訴えることで、国民の多くに網を掛けることができる。デモクラシーによって統一的な雰囲気が作られる。国民はそういう統一的な雰囲気を盛り立てないといけないわけでしょ。実はそれが大掛かりな戦争の根っこにもなるわけですよね。」

民主主義とは統一的な雰囲気を作り盛りたてる。佐藤優氏が「人間の叡智」の中で述べていたように、民主主義と独裁は矛盾しない、むしろそれと親和的なものですらあり得るということを覚悟しておかなければならない、ということかもしれませんね。

「民主主義は最悪の政治といえる。これまで試みられてきた、民主主義以外の全ての政治体制を除けばだが」というチャーチルの言葉は有名ですが、これは民主主義は最高であるということを逆説的に語ったものなのでしょうか?

西部邁氏はこう続けています。「デモクラシーに代わるものはないのだけれど、それはとんでもなく危ないものだということを知っている人たちのデモクラシーであるべきだと思う(=留保条件付きデモクラシー)」と。

羊腸たる

テーマ:言葉・漢字
ソーセージを時々食べるんですが、あれって別名腸詰というだけあって、動物の腸にひき肉などを詰めるわけですよね。で、詰める腸の種類によってソーセージの名前が違うって知ってました?

すなわち、羊の腸に詰めるのがウィンナーソーセージ(太さ20㎜未満)、豚の腸に詰めるのがフランクフルトソーセージ(20㎜~36㎜)、牛の腸に詰めるのがボロニアソーセージ(36㎜以上)なんだとか。

たまたま今年はひつじ年ですが、その羊の腸を使った「羊腸たる」という表現法があることを、何年か前に永井荷風の「あめりか物語」を読んでいて知りました。

「羊腸たる小道」とあり、意味は考えるまでもなくすぐ分かったのですが、そういえば、ぐねぐねと曲りくねった道を表すのに簡潔でふさわしい表現というのはあまりないような気がしますね。

英語のジグザグってのはもっと直線的だし、ワインディング(winding)というのも気取り過ぎ。「羊腸たる」の類語を探ってみると、「蜿蜒たる」「蜿蜿たる」「蜒蜒たる」など要するに「蜿」と「蜒」の組み合わせで出来た表現しか出てきません。

「蜿」も「蜒」も蛇がうねりながら行く様を表した字だそうですが、ニュアンスはわかるけれども、どうも見た目も気持ち悪くて落ち着かないし、こんな言い方は普段お目にかかりませんよね。

その点「羊腸たる」というのは、もちろん羊の腹を割いてその腸の様子を見たいとは思わないが、何となく詩的な感じがして思わず使ってみたくなる表現です。辞書には「羊腸たる山路」という用例が書かれていました。何かどなたかの人生みたいですな(笑)。

東座歌舞伎へ

テーマ:曳山・歌舞伎
昨日、岐阜県の白川町黒川というところにある東座(あずまざ)の歌舞伎定期公演に行ってまいりました。と言っても見物にではなく、上演された6演目のうちの一つ「車曳」の太夫として出演させていただきました。
「ゐ」は、いろはで25回目を表す
車で長浜から2時間20分、本当に長閑な山中にある芝居小屋ですが、明治時代に建てられたものを平成3年に修復。その時の記念公演に招かれた縁で故中村勘三郎さん(当時勘九郎)が名誉館主に就任。

現在は息子さんの勘九郎さんが名誉館主になっておられ、来月来館される予定だったそうですが、中村獅童さんの結婚式が重なったため、来館は1年先送りになったようです。
東座の外観
舞台正面上の大看板
開演前の客席

演じられたのは「寿式三番叟」「曽我対面」「松王下屋敷」「白浪五人男」「車曳」「二月堂」で、このうち三番叟、対面、五人男は小中学生による子ども歌舞伎。先日お亡くなりになられた中村津多七先生が長年歌舞伎指導に当たって来られ、今回は師の追悼公演とも銘打たれておりました。

私自身も津多七先生には大変お世話になりましたので、恩返しのつもりで精一杯務めさせていただきました。町民のみならず岐阜県内外から大勢のお客さんがお越しになり600人収容の客席は満席状態。大歌舞伎並みの大向うも掛けられていました。
花道脇より松王下屋敷
客席からはおひねりも

さて、リハーサルのため前日土曜日から現地入りしたのですが、夜は三味線さんと町内唯一のスナックへ。ここのママさんも東座歌舞伎のスタッフでかつては矢口のお舟や野崎村のお光を演じる名役者だったとのこと。お孫さんは今回「対面」に出演されておりました。

それにしても九州出身で現在中津川在住の三味線のR太さん、よう飲む飲む。この日は生ビール10杯くらい飲んでましたが、聞くと30杯飲んでも平気だとか。三味線さんご夫妻はもちろん、振付の高女先生、太夫の美巧先生、そして大変親切にして下さったスタッフの皆様方本当にお世話になりました。ありがとうございました。






コメったもんです

テーマ:油甚本店
昨日、えごま油が一世を風靡していると書きましたが、全国的に入手困難になっているようで、当店でも先週ひと月ぶりに2ケース入荷したのですが、事前予約分と店頭販売であっという間に無くなってしまいました。

えごま油と同じオメガ3系の亜麻仁油というのもあるのですが、当店では以前は扱っていなかったものの、えごま油の代替品として一度仕入れましたら、これもあっという間に売り切れ、すぐ再注文したものの、その後入荷する目処は全く立っておりません。

さらに、これまたテレビの影響なんですが、こめ油までが品不足になってまいりました。当店は一斗缶で仕入れたものをポリ容器に小分けして販売しているのですが、1か月足らずで3缶分がほぼ完売。こんなことはかつて無かったことです。

こめ油は米ぬかから取れ、ビタミンEやɤーオリザノールなどの成分を含み体にいい油と言われておりますが、実は悲しい歴史を有している油でもあるのです。

カネミ油症事件というのを聞いたことがあると思います。今から50年近く前、九州でPCBの混入した食用油を摂取した人たちに障害が発生し、皮膚に色素が沈着した「黒い赤ちゃん」が生まれた事件。

もちろん原因はPCBだったのですが、混入された方の食用油が「こめ油」だったわけです。米は日本で自給でき、そういう意味でも食用油としても使用することが理に適っているわけですが、この事件の影響で、こめ油そのものが消費者からそっぽを向かれてしまいました。

こめ油に責任はないわけですので、行政は何をしたかというと学校給食にこれを使うことを考えたわけですね。皆さんが食べて来た給食の揚げ物や炒め物にはこめ油が使われてきたんですよ。

で、こめ油のブームに伴い、今メーカーや問屋は学校側に食用油をこめ油から菜種油や大豆油への変更をお願いしているそうですが、役所というところは融通が利かず、こういう歴史も知らないため、油種変更は困難を極めているそうです。

長浜市はどうなんでしょうね?いずれにしても、テレビの影響すごすぎ。コメったもんですわ。

風靡

テーマ:言葉・漢字
「液晶テレビで一世を風靡したシャープはどこへ行くのだろうか」という問いかけで始まった昨日の日経新聞の社説。シャープの先行きはともかく、気になったのは「風靡」という言葉。

「一世を風靡する」は、よく聞く言葉ですね。「その時代の人々がことごとく受け入れ従うようにする。ある時代に圧倒的に流行する」という意味が辞書に書いてあります。

しかし「風靡」とは一体どういうことなのか?これは、風が草木を靡かせる(なびかせる)ように、多くのものをなびき従わせることから生まれた語だそうな。へぇ~っ、「なびく」ってこんな字書くんですね。

こんな字と言っても、このフォントでは小さすぎてようわからんのでちょっと拡大してみましょうか。
  →「麻」+「非」ですね

麻は風でしなやかになびくんでしょうかね。「靡く」という言葉は「風や水の勢いにしたがってゆらめくように動く」という意味意外に「他の威力に屈して服従する」という意味がありますね。

「いくら口説いてもなびかない」とかね。で、面白いことに「なびく」は「女性が男性に言い寄られて承知する」ことなんだそうです。なびくのはあくまでも女性なわけ。

これは言い寄るのは男だという固定観念があるからなのか、女性に言い寄られてその気になる男性に「なびく」という言葉がふさわしくないからなのかよくわかりませんが、興味のあるところです。

話変わりますが、ちょっと前にえごま油ブームだと書きましたが、一昨日ひと月ぶりに2ケース入荷したと思いきや、従前の予約分と店頭販売で瞬く間に無くなってしまいました。まさにえごま油、一世を風靡しております。



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