民主主義の危うさ

テーマ:政治
大阪都をめぐる住民投票で僅差で敗れた橋下徹大阪市長。敗軍の将は兵を語らずと申しますが、実に爽やか、いや爽やか過ぎる印象を感じました。

「こっちが戦を仕掛けて、多数決でやられたんだから潔く負けを認める」とか「負けても命を取られないんだから民主主義はやっぱりすばらしい」としきりに民主主義の素晴らしさをたたえておられました。

しかし、橋本さんが負けたからこそそうなったわけで、もし勝っていたら負けた側の言い分など一切否定して、いわゆる独裁に突き進む危険性を感じるような会見でもありました。

西部邁氏が著作の中で、民主主義について次のように書いておられました。

「ケネディは『デモクラシー』の危うさを体現したと思うんです。デモクラシー、日本人は民主主義と訳しているけれども、を訴えることで、国民の多くに網を掛けることができる。デモクラシーによって統一的な雰囲気が作られる。国民はそういう統一的な雰囲気を盛り立てないといけないわけでしょ。実はそれが大掛かりな戦争の根っこにもなるわけですよね。」

民主主義とは統一的な雰囲気を作り盛りたてる。佐藤優氏が「人間の叡智」の中で述べていたように、民主主義と独裁は矛盾しない、むしろそれと親和的なものですらあり得るということを覚悟しておかなければならない、ということかもしれませんね。

「民主主義は最悪の政治といえる。これまで試みられてきた、民主主義以外の全ての政治体制を除けばだが」というチャーチルの言葉は有名ですが、これは民主主義は最高であるということを逆説的に語ったものなのでしょうか?

西部邁氏はこう続けています。「デモクラシーに代わるものはないのだけれど、それはとんでもなく危ないものだということを知っている人たちのデモクラシーであるべきだと思う(=留保条件付きデモクラシー)」と。

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