油買うもよし、売るもよし。楽しく老いるためのオイル日記
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のるかそるか

テーマ:言葉・漢字
先日NHKドラマ「64」を見ていた時、妻が「のるかそるかだな」というセリフに反応いたしまして、「『のるかそるか』ってそもそも何でそういう風にいうんやろね?それに『そるか』ってどういう意味なのかな?」と。

珍しくドラマに熱中していた私は、うろ返事で「ん?『そる』は『反る』やろ」「そうか、馬に乗るか、嫌がって体を反らすか、ってことか」と妙に納得する妻。

するとGWで帰省していた娘がすかさずスマホで調べて、「へぇ~『のるか』は「乗る」じゃなくて「伸ばす」っていう字を書くんやてぇ~」と。娘が読み上げた解説によると

「伸る(のる)」は「真っ直ぐ伸びる」で、「反る(そる)」は「後ろに曲がる」という意味。元々「のため型」と呼ばれるものに入れて竹を乾燥させる、矢師の矢作りに由来。

型から取り出した矢が真っ直ぐに伸びていたら矢として使えるが、少しでも曲がっていたら使い物にならず捨てるしかない。矢師が「のるかそるか」と成否を気にしながら竹を取り出したことから生まれた言葉だそうな。

これを聞いて高校時代を思い出しました。アーチェリーをやっておりまして、的を外すと矢が曲がるわけですが、これを元に修正する機械のようなものがございました。しかし曲がりがひどいと真っ直ぐに戻らず矢は使い物にならなくなる、まさに「のるかそるか」の状況。矢がまた高かったのよ。

しかし、「反る」はともかく「のる」は「乗る」しか思い浮かばなかった私。毛深い人が化粧をする前にそのままでも「(化粧が)乗るか」それとも「剃るか」と迷う、「のるかそるか」珍説を考えているうちにドラマの筋を見失ってしまいました。

ギロチン工場

テーマ:よもやま話
きのう5月3日は憲法記念日として有名でありますが、「ゴミ(53)の日」でもあるんだそうですね。ま、ゴミの日と言うと一般的には「ゴミ収集日」と理解されますが、5月3日は祝日だから回収は無いのかな?

さて、スタンドで溜まった缶コーヒーや清涼飲料水の空缶などは、いわゆる資源回収業者に持ち込んで幾ばくかの現金に換えてもらっているのですが、先日は米原市の「なんでも屋」さんに持ち込んだようで、計算書や計量票が現金とともに本店に回って来ました。

で、ふと計量票を見ると
え!ギロチン工場???
ギロチン工場とは一体何なんでしょうか?興味を持ちまして調べてみますと、Yahooの知恵袋に次のようなことが書かれておりました。

主に鉄くずをプレス切断する時に使われる用語。鉄くずは原型のままだと嵩張って運搬コストがかかるので、プレス圧縮して切断し容量を小さくする。切断は囚人を処刑するギロチンと同じ原理で行われるのでこの名がついたようです。

ちなみに、この機械はギロチンシャー(guillotine shear)と呼ばれ、あえて日本語に訳すと「広幅せん断機」となるらしい。shear(シアー)は、いわゆる植木ばさみの意味もあり、動詞になると「羊毛を刈る」という意味にもなるようです。きっと、「よう儲かる」機械なんでしょうね。

三重県には「ギロチン工場」の名を堂々と表示する業者もあり、かつてテレビでも放映され話題になったようです。

「鬼の首を取ったような」名前が、まさにギロチン工場にぴったり。

過ぎたるいは

テーマ:よもやま話
今年は垂井の曳山祭に長浜から6人派遣、というか3町のうち2町は振付、太夫、三味線がすべて長浜人ということもありまして、昨日陣中見舞も兼ねて見物に行ってまいりました。

まずは、先日お亡くなりになられた中村津多七先生の代役として七里さんが振付を務めた中町・紫雲閣。太夫は龍豊さんで、三味線は湊祝君。私もこの町には過去4回お世話になりましたので、懐かしい面々からご挨拶を頂き感謝の極み。
重の井、三吉の熱演

岩井小紫先生の監修もあったにせよ見事に振付けられておりまして、七里さんの大手柄。これで津多七先生も安心されていることでしょう。それにしても天気が良すぎて暑い。終わって出て来られた龍豊さん「楽屋は蒸し風呂状態で堪らん」と。

次に、振付:かわ重さん、太夫:壽さん、三味線:賀祝さんの西町・攀鱗閣へ。芝居は妹背山婦女庭訓。役者の一人が体調不良で吐き気と闘いながらの演技だったとのこと。確かに半月前の長浜祭とは気温が格段に暑く気分も悪くなりましょう。
真横の日陰から見物
過ぎたるは猶及ばざるが如し。雨が降るのはもちろん困りますが、天気が良すぎるのも必ずしもいいとは限りませんね。

帰りに母が現在お世話になっている坂田メディケアセンターに見舞いに。私は週に2回程度訪れるのですが、昨日はちょうどお経タイムが始まるところ。少し母と話していたら正信偈が始まって途中で帰りづらくなり、そのまま最後まで。

テープで導師の声が流れるのですが、仏壇の前に4人の熱心な老若男女、いや老々男女がずらりと並び、あとのお年寄りは銘々好きな場所に位置取り。みんな熱心に唱和されるのかと思いきや、無関心派やしょうがなく座ってますって顔の人がほとんど。

母はまあまあ唱和していた方だからましな方か。浄土真宗はお年寄りの救いになってるんかいな?それにしても、やっぱり正信偈は「南無阿弥陀仏」からが長過ぎるな。これも過ぎたるは...。


まるいしの天ぷらうどん

テーマ:よもやま話
昨日は多賀大社へ朔日参り。帰りに昼食を食べて帰るのが恒例なんですが、最近の定宿は南彦根の「まるいし」。記事にするのは3回目なんですが、歳のせいかあっさり味のちゃんぽん麺にすっかり虜になってしまいました。

ここはカウンターと椅子席があるのですが、いつ行ってもほぼ満員。そう超満員で行列が出来るということはないのですが、ガラガラということは絶対ない。で、女将さんとその娘さん(?)と思しき女性が3名ほど。「美人すぎる」というわけではないけど、てきぱきしているし妙に惹かれます。

お客さんのオーダーの9割方はちゃんぽん麺ではないでしょうか。相変わらず普通盛りが大盛りのような野菜てんこ盛り状態で出てまいります。毎回食べ切れないかもという不安にかられながら、気がついたら完食で汁まで飲み干してしまいます。

スープがいわゆる「おかべ系」ではないあっさり塩味。タンメンに近いんじゃないでしょうか。脂身の少ない豚肉に歯ごたえばっちりの木耳も好感が持てます。

あれ?天ぷらうどんの話じゃなかったの?てか。そうそう、昨日カウンターの隣の席がおばちゃんの二人連れだったんですが、「ちゃんぽんはいつでも食べられるで、今日は天ぷらうどんにしてみよ」という声が聞こえてきます。

ま、天ぷらうどんもメニューにあるんだからいつでも食べられるとは思うんですが、恐らくおばちゃんとしても初挑戦だったんでしょう。私も興味がございまして、チラチラと横目で視線を送って天ぷらうどんの到着を待ちます。

「お待ちどうさま」と出て来た天ぷらうどん。立派なもんです。何とエビ天が2本入っています。しかも衣だらけの見かけ倒しっぽくもありません。ちゃんぽん麺が680円だから、これは750円くらいか?とメニューを見ると、おいおい550円やんか。

しかし、ラーメン店で天ぷらを揚げるのはどうもイメージが湧きませんし、そういう光景も見た試しがありません。もしかしたら、ビバシティの惣菜売場で売ってるエビ天を陰でこっそり乗っけてるんでしょうか。

だとしても、550円なら、そしてあの三姉妹が「お待ちどうさま」と出してくれるのなら次回は食べてみたい、いや多分迷いながらもいつものちゃんぽん麺にしようかと葛藤している自分を想像する五月初日の昼下がりであった。

一揖

テーマ:言葉・漢字
ある小説を読んでおりましたら、「〇〇は起立して、一揖(いちゆう)した」という文に出くわしました。ほぉ~、一揖とは初めて聞いた。まあ、前後の文脈から多分お辞儀をしたんだろうと想像したのですが、では一礼とどう違うのか?

神社での参拝の際に「二礼二拍手一礼」あるいは「二拝二拍手一拝」という作法があることはご存知だと思いますが、この「礼」「拝」「揖」などは神社祭式特有の専門用語だそうな。

まず「拝」とは腰を90度折り曲げる最も丁寧なお辞儀のことで、「揖」とはそれに次ぐ丁寧なお辞儀で、腰を45度の角度で曲げる「深揖」(しんゆう)と、腰を15度の角度で曲げる「小揖」(しょうゆう)との二種があるとのこと。

さらに「礼」とは「拝」や「揖」の総称なんですね。私の場合、とても90度に曲げるようなお辞儀はしておりませんで、せいぜい深揖レベルですね。

辞書によれば「揖」の元来の意味は、① 笏(しゃく)を持ち、上体をやや前に傾けてする礼。② 中国の昔の礼の一。両手を胸の前で組み、これを上下したり前にすすめたりする礼。のようでして若干意味が異なってきておりますね。

「揖」という字はむしろ「揖斐川」とか「揖保乃糸」の印象が強いのですが、旁の「口+耳」は「耳と目をくっつける」という意で、手偏が加わると両手を胸の前でくっつけるという意味になるようです。

さて冒頭の小説ですが、その後に「〇〇はソファから腰をあげて、もう一度低頭した」とあり、最後に「〇〇は三度目のお辞儀をした」という表現がありました。登場人物の〇〇は明らかに三回「礼」をしたわけですが、作者は意図的に「一揖」「低頭」「お辞儀」と書き分けたのでしょう。

今日はお多賀さんへの朔日参り。礼の角度を意識しながらお詣りして来たいと思います。
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