油買うもよし、売るもよし。楽しく老いるためのオイル日記
民主主義の危うさ
テーマ:政治
2015/05/20 09:35
大阪都をめぐる住民投票で僅差で敗れた橋下徹大阪市長。敗軍の将は兵を語らずと申しますが、実に爽やか、いや爽やか過ぎる印象を感じました。
「こっちが戦を仕掛けて、多数決でやられたんだから潔く負けを認める」とか「負けても命を取られないんだから民主主義はやっぱりすばらしい」としきりに民主主義の素晴らしさをたたえておられました。
しかし、橋本さんが負けたからこそそうなったわけで、もし勝っていたら負けた側の言い分など一切否定して、いわゆる独裁に突き進む危険性を感じるような会見でもありました。
西部邁氏が著作の中で、民主主義について次のように書いておられました。
「ケネディは『デモクラシー』の危うさを体現したと思うんです。デモクラシー、日本人は民主主義と訳しているけれども、を訴えることで、国民の多くに網を掛けることができる。デモクラシーによって統一的な雰囲気が作られる。国民はそういう統一的な雰囲気を盛り立てないといけないわけでしょ。実はそれが大掛かりな戦争の根っこにもなるわけですよね。」
民主主義とは統一的な雰囲気を作り盛りたてる。佐藤優氏が「人間の叡智」の中で述べていたように、民主主義と独裁は矛盾しない、むしろそれと親和的なものですらあり得るということを覚悟しておかなければならない、ということかもしれませんね。
「民主主義は最悪の政治といえる。これまで試みられてきた、民主主義以外の全ての政治体制を除けばだが」というチャーチルの言葉は有名ですが、これは民主主義は最高であるということを逆説的に語ったものなのでしょうか?
西部邁氏はこう続けています。「デモクラシーに代わるものはないのだけれど、それはとんでもなく危ないものだということを知っている人たちのデモクラシーであるべきだと思う(=留保条件付きデモクラシー)」と。
「こっちが戦を仕掛けて、多数決でやられたんだから潔く負けを認める」とか「負けても命を取られないんだから民主主義はやっぱりすばらしい」としきりに民主主義の素晴らしさをたたえておられました。
しかし、橋本さんが負けたからこそそうなったわけで、もし勝っていたら負けた側の言い分など一切否定して、いわゆる独裁に突き進む危険性を感じるような会見でもありました。
西部邁氏が著作の中で、民主主義について次のように書いておられました。
「ケネディは『デモクラシー』の危うさを体現したと思うんです。デモクラシー、日本人は民主主義と訳しているけれども、を訴えることで、国民の多くに網を掛けることができる。デモクラシーによって統一的な雰囲気が作られる。国民はそういう統一的な雰囲気を盛り立てないといけないわけでしょ。実はそれが大掛かりな戦争の根っこにもなるわけですよね。」
民主主義とは統一的な雰囲気を作り盛りたてる。佐藤優氏が「人間の叡智」の中で述べていたように、民主主義と独裁は矛盾しない、むしろそれと親和的なものですらあり得るということを覚悟しておかなければならない、ということかもしれませんね。
「民主主義は最悪の政治といえる。これまで試みられてきた、民主主義以外の全ての政治体制を除けばだが」というチャーチルの言葉は有名ですが、これは民主主義は最高であるということを逆説的に語ったものなのでしょうか?
西部邁氏はこう続けています。「デモクラシーに代わるものはないのだけれど、それはとんでもなく危ないものだということを知っている人たちのデモクラシーであるべきだと思う(=留保条件付きデモクラシー)」と。
コメント
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2015/05/20 11:19不透明で混迷が漂う世の中は強いリーダーを求める傾向がありますね
世の中、斜めからモノを見る人も必要です
民主主義
そういえば日本の近隣に民主主義や人民や共和がつきか国があります
誰が訳したんやろ? -
よこちん2015/05/20 15:04民主主義=国民が望んでると言う御旗のもとで、ソクラテスに毒杯を飲ましたアテナイの民衆や、国王や王妃や特権階級を大虐殺したフランス革命の平民階級など、ほんとはこわ~い民主主義です…
ヒトラーも民主主義の選挙によって選ばれた首相ですもんね。
極論に走らずに“適当”に妥協できる、道徳・倫理的に成熟した政治家が望まれます。
やっぱ、聖徳太子さんかな~(笑) -
2015/05/20 22:47チャーチルは上手に言いますね。社会主義国は不思議と民主主義とか民主共和国というように民主という言葉が付きます。民主主義と独裁政治は紙一重ですね。愚かな指導者に率いられた民衆ほど不幸なものはいない。いいリーダーを育て上げるような民主主義が本当の民主主義なのかもしれません。
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2015/05/20 23:35そりゃ民主主義は最高でしょ?
だってそれ以上のものが無いんだもの、どうしようも無いじゃない。。。
ってのが私流の表現です(笑)
チャーチルが言いたかったのも、「理想を言えばキリがないけど、粗悪品でも一番マシだからこれで我慢しとこうか…」と言うところでしょうね。 -
2015/05/21 00:13でもま、なんにしろ、どっちにするか決めなきゃいけないんですから。
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Satoshi2015/05/21 00:27負けた時のことば:朝日DIGITALの記事。
穏やかな表情。「残念」という言葉を使わないスピーチ。有権者を責めず、逆に感謝する姿勢。この場面で自分の努力をひけらかしたり泣いたりすると世間に嫌われる。それが分かっていたのでしょう
2000年のシドニー五輪男子柔道決勝で微妙な判定で敗れた人のコメント、「弱いから負けた。それだけです」。
92年のバルセロナ五輪マラソンのレース中に転倒し、8位入賞となった人のゴール後の発言「こけちゃいました」
どれも深い哲学的・人生論的意味合いをもっているが、処世術としても応用できそうなところが面白い。 -
2015/05/21 08:45>くんさんへ
結局そういうことなんでしょうね。ついてく方が楽だもんね。
>よこちんへ
そうそう、ヒトラーも民主主義の選挙で選ばれたんだから、独裁とは矛盾しないんです。選挙でお墨付きを与えたみたいなもんで(笑)
>ぱんやさんへ
西部さんは民主主義という訳はおかしくて、民衆主義であるべきだとも書いておられたような。確かに民が主といわれてもピンと来ないですわ。
>CLAYさんへ
ま、そういうことなんでしょうね。一番マシだけど最高ではないというところがミソだと思うけど。
>松男さんへ
ほんで、ブログの行き先は決まったんか?(笑)
>Satoshiさんへ
また政治家として再登場するんでしょうね、いつか(笑)