油買うもよし、売るもよし。楽しく老いるためのオイル日記
一揖
テーマ:言葉・漢字
2015/05/01 09:02
ある小説を読んでおりましたら、「〇〇は起立して、一揖(いちゆう)した」という文に出くわしました。ほぉ~、一揖とは初めて聞いた。まあ、前後の文脈から多分お辞儀をしたんだろうと想像したのですが、では一礼とどう違うのか?
神社での参拝の際に「二礼二拍手一礼」あるいは「二拝二拍手一拝」という作法があることはご存知だと思いますが、この「礼」「拝」「揖」などは神社祭式特有の専門用語だそうな。
まず「拝」とは腰を90度折り曲げる最も丁寧なお辞儀のことで、「揖」とはそれに次ぐ丁寧なお辞儀で、腰を45度の角度で曲げる「深揖」(しんゆう)と、腰を15度の角度で曲げる「小揖」(しょうゆう)との二種があるとのこと。
さらに「礼」とは「拝」や「揖」の総称なんですね。私の場合、とても90度に曲げるようなお辞儀はしておりませんで、せいぜい深揖レベルですね。
辞書によれば「揖」の元来の意味は、① 笏(しゃく)を持ち、上体をやや前に傾けてする礼。② 中国の昔の礼の一。両手を胸の前で組み、これを上下したり前にすすめたりする礼。のようでして若干意味が異なってきておりますね。
「揖」という字はむしろ「揖斐川」とか「揖保乃糸」の印象が強いのですが、旁の「口+耳」は「耳と目をくっつける」という意で、手偏が加わると両手を胸の前でくっつけるという意味になるようです。
さて冒頭の小説ですが、その後に「〇〇はソファから腰をあげて、もう一度低頭した」とあり、最後に「〇〇は三度目のお辞儀をした」という表現がありました。登場人物の〇〇は明らかに三回「礼」をしたわけですが、作者は意図的に「一揖」「低頭」「お辞儀」と書き分けたのでしょう。
今日はお多賀さんへの朔日参り。礼の角度を意識しながらお詣りして来たいと思います。
神社での参拝の際に「二礼二拍手一礼」あるいは「二拝二拍手一拝」という作法があることはご存知だと思いますが、この「礼」「拝」「揖」などは神社祭式特有の専門用語だそうな。
まず「拝」とは腰を90度折り曲げる最も丁寧なお辞儀のことで、「揖」とはそれに次ぐ丁寧なお辞儀で、腰を45度の角度で曲げる「深揖」(しんゆう)と、腰を15度の角度で曲げる「小揖」(しょうゆう)との二種があるとのこと。
さらに「礼」とは「拝」や「揖」の総称なんですね。私の場合、とても90度に曲げるようなお辞儀はしておりませんで、せいぜい深揖レベルですね。
辞書によれば「揖」の元来の意味は、① 笏(しゃく)を持ち、上体をやや前に傾けてする礼。② 中国の昔の礼の一。両手を胸の前で組み、これを上下したり前にすすめたりする礼。のようでして若干意味が異なってきておりますね。
「揖」という字はむしろ「揖斐川」とか「揖保乃糸」の印象が強いのですが、旁の「口+耳」は「耳と目をくっつける」という意で、手偏が加わると両手を胸の前でくっつけるという意味になるようです。
さて冒頭の小説ですが、その後に「〇〇はソファから腰をあげて、もう一度低頭した」とあり、最後に「〇〇は三度目のお辞儀をした」という表現がありました。登場人物の〇〇は明らかに三回「礼」をしたわけですが、作者は意図的に「一揖」「低頭」「お辞儀」と書き分けたのでしょう。
今日はお多賀さんへの朔日参り。礼の角度を意識しながらお詣りして来たいと思います。
コメント
-
にーに2015/05/01 10:32寺院でも使います。例えば本堂の中で、阿弥陀様や親鸞聖人、蓮如上人の前を通る時は横を向いたままで一揖します。軽くお礼をする意味で使っている言葉です。
-
Satoshi2015/05/02 01:49神社でお祓いを受ける時とか祝詞を聞いている時とかに頭を下げますよね。あの姿勢のことを、床の円座に座っていてする場合は「平伏」、椅子席の時、椅子から立って行う場合は「磬折(けいせつ)」といいます。いずれの場合も、祝詞の時は60度、お祓いの時は45度と、角度に決まりがあります。揖にはそのお辞儀をしている時間に決まりがあり、15度の小揖は1秒、45度の深揖は2秒ですが、平伏・磬折には時間の制限がなく、その事柄が終わるまで、となっています。揖とは違う用語にしたのは、この長さの違いだと思われます。
それから、神前を横切るときなどに、腰を15度折って歩行することを「屈行」といいます。その歩数は3歩です。揖は両手がへそのあたりにありますが、屈行の場合は、手は腰にあります。揖と違う用語にしているのはこのへんの違いでありましょう。
こういう作法は、さすがに神主さんはきちんと行っていますが、一般参拝者はそもそもそういうことにまったく疎いのが普通です。
2拝2拍手1拝の「拝」も、神主さんはさすがにきちんと90度の拝をし、拝をしている長さも「1呼吸・3秒」していますが、一般参拝者は角度は浅く長さは短かすぎるのが普通です。
けれども、日本の神様はきわめておおらかで、作法が少々違っていても、怒ったり罰をあてたりはいたしません。「朔日に神社へ参拝に行く」、ということだけで、大吉まちがいなしです。
けれども、神社祭式作法の決まりに従った作法で参拝すると、動作がたいへんにきれいに見え、また自身もさわやかな気分になることができます。 -
2015/05/02 08:14そういや神主さんが、一同一揖って言ってますわ
意味知らずに皆に合わせて仕草をしてました(笑)
なるほどね -
2015/05/02 08:42>にーにさんへ
そうかお寺でも使うのか。流し目でニコッと、ではないんですね(笑)
>Satoshiさんへ
平伏は聞いたことあるけど磬折は初耳。しかし、すごい知識ですね。勉強になります。確かに決まりに従った作法で参拝されている方の姿は美しいと思います。
>えべっさんへ
おこないの時ですか?普段使わない言葉は聞き流してしまいますよね。なかなか神道も奥が深いわ(笑)